虹裏img歴史資料館

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21/04/26(月)19:25:33 トレー... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1619432733894.png 21/04/26(月)19:25:33 No.796645401

トレーナーの様子はメイクデビューの日から明らかに変わった。 今まで練習をしても何が出来たか、何が出来なかったかしか言わなかったのに、必ず一言褒めてくれるようになった。 あの日は嬉し過ぎて気にならなかったけど、落ち着いてみると妙な話だ。マヤノに聞いてみたら『わかっちゃった!』とだけ言ってその先は秘密だって。 『気になるなら本人に聞いてみたら』と言われても……。 ……⏰…… そしてもう一つ気になることがある。 「はぁ……はぁ……トレーナー、タイムは?」 「コンマ以下だが縮まっている。良い調子だ、偉いぞ。」 「トレーナー……今日それ聞くの4回目なんだけど………。」 「……………。」 トレーナーの褒め言葉、パターン少なくない?偉いぞ、よくやったな、いい調子、期待している、よくやったな、あ、2回目だこれ。 とにかく毎回褒めてくれるんだけど、同じ言葉を何度も繰り返されると、なんというか……。

1 21/04/26(月)19:25:58 No.796645552

「トレーナー、もしかしなくても、無理してない?無理に褒めなくていいんだよ?」 そう、無理しているようにしか見えない。その証拠にただでさえ無感情で平坦な声から抑揚すら失われて、機械かミホノブルボンが喋ってるみたいだ。 「……お前は褒められるの値する働きをしている。そう考えたまでだ。」 考えを変えてくれたのは本当なんだろう、でもこんな無理をするのは自分からじゃなくて、きっと誰かから言われたから。 「トレーナーって、嘘下手だね。別に怒らないから、言ってみて。」 「……私はお前を信頼していた、評価していた、そしてそれはわざわざ言葉にせずとも伝わっていたつもりだった。  だが、シンボリルドルフからそうではないと知らされた、そして『言葉にして示せ』とも言われた。  だから私は、伝えたかった。お前はよくやっていると、お前を信じていると。  しかし……上手くいっていないようだな、すまない。」 大きくため息を吐きながら、頭を振るトレーナー。実はずっと信頼してたっていうのは嬉しいけど、だからって。

2 21/04/26(月)19:26:44 No.796645798

「カイチョーに褒めろって言われたからメニュー一個一個褒めてるの?トレーナーって見た目の割にあんまり頭良くないんじゃない?」 「頭が固いとはよく言われる。」 「そんなんじゃボクも嬉しくないよ!だからさ、トレーナーがよく出来たって思った時に褒めてよ、それに悪いことも言わないように我慢してるでしょ。  そりゃ褒められたら嬉しいけど、お世辞を言って欲しいわけじゃないし、トレーナーはボクを勝たせたいんでしょ、そういう遠慮されたらやだよ!」 「そうか、わかった。なら今後無理に褒めるのは辞める、指摘もこれまで通りに戻そう。だが私の基準では逆戻りする可能性がある。  お前からのサインは何かないか、自分で上手く出来たと思った時なんか、私に褒めてもらいたい時だ。」

3 21/04/26(月)19:27:14 No.796645973

「んー、じゃあさ、トレーナーの前でかがむから、そしたら頭撫でて、凄いぞテイオーとか偉いぞテイオー、って言ってよ。」 そして屈んで見せる、丁度この間のレースの後みたいに。 「なんだそれは、まぁわかった。それじゃあ次のメニューは「ちがーう!今やってるでしょ!ほら!ボクが屈んだらどうするの!」 ぐいぐいと頭をトレーナーの胸に押し付ける。車椅子のオイルと金属、タイヤの匂いが混じったトレーナーの香りがボクの鼻に届く。 「わかった、この間はよくやった、偉いぞ、テイオー。お前ならシンボリルドルフを越えられる。絶対だ、お前なら出来る。」 頭をこの間より少しだけ強く撫でられる。指先からはインクと紙の匂いがして、指の付け根や手のひらにタコがある、きっと毎日ボクのために書類を書いたり整理しながら、自分でトレーニングを続けているんだ。 「えへへ、ありがと。じゃあ、今度はボクの番。トレーナー、ありがと。おかげでボク、勝てたよ。」 名残惜しいけどトレーナーの手から抜け出して、今度はボクがトレーナーを撫でてあげる。

4 21/04/26(月)19:28:20 No.796646359

トレーナーも偉いのに、凄いのに、誰も褒めてくれない。むしろあんまり好かれてない、他のトレーナーと話したりしているとこも見たこと無いし、友達からも『いじめられてない?』なんて心配されてる。 だからボクが褒めてあげないと、トレーナーは凄いんだって、頑張ってるんだって、次のレースも勝って、みんなにそう教えてあげるんだ。 「お前の実力だ、私の仕事はそれを引き出しただけ、トレーナーとして当然のことだ、褒められるようなことじゃない。」

5 21/04/26(月)19:29:00 No.796646582

「いいからいいから。それよりトリートメントしてる?髪傷んでるよ?ブリーチ入れるより手入れちゃんとしなよ。」 トレーナーは栗色の髪は前髪だけ一房白くなっている、まるでウマ娘の流星のように。人間なのに、真似したのかな。 「生まれつき何故かそこだけ白いんだ、陸上で下手に成績を残していたからな、おかげでウマ娘もどきなんて言われたこともあったよ。」 「えっと、ごめん…。」 「気にするな、それより、次のレースだ、来年1月末の若駒ステークス、そこで調整しつつ仕上がり具合を見る。その順位次第で皐月賞に挑む、クラシック三冠の一冠目だ。  まずはシンボリルドルフの蹄跡を辿る、つまり無敗の三冠バを目指す。だが勝てるレースだけ出るような弱気な真似もするつもりはない。  勝てるギリギリのレベルのレースに出場する、楽が出来るとはゆめゆめ思うなよ。」

6 21/04/26(月)19:29:41 No.796646806

声を低くして凄んで見せても、撫でられながらだと全然怖くない。 それに、トレーナーはボクがそれに勝てると思って予定を組んでるんだ、だったらボクがやることは全力で走るだけ! 「おい、いい加減に手をはなせ、見られている。」 「えー、いいじゃーん。トレーナーも可愛いとこあるんだって皆に知ってもらおうよ。」 パチン、と手に痛みが走って反射的に引っ込める。デコピンされた! 「そんな必要はない、さっさと走り込み行って来い。ついでに掛かり癖が付く前にペース配分を矯正するぞ、コーナー毎に目標タイムを設定するから誤差5秒以内で走るように。」 「はーい。」 手元のバインダーからメモを1ページ取り出して渡してくる、この通りに、体内時計だけを頼りに走る。 正直難しい、でもやり甲斐たっぷり、トレーナーがストップウォッチを構えて合図を出す。 そうしてボクは走り出した。

7 <a href="mailto:sage">21/04/26(月)19:32:08</a> [sage] No.796647584

前回までのログですsu4802206.txt 展開が遅いですが今はご容赦を、あんまり重要じゃないなと思ったレースとかはガンガン飛ばしてい来ますので

8 21/04/26(月)19:32:15 No.796647621

もしかしてトレーナーは知らないけど血縁なのかな… 会長が妙に親しかったのは…

9 21/04/26(月)19:32:50 No.796647808

このトレーナー人の身にウマソウル宿って耐久の限界だったんじゃ…

10 21/04/26(月)19:32:57 No.796647841

良いのよペース配分しちゃって

11 <a href="mailto:sage">21/04/26(月)19:37:05</a> [sage] No.796649136

トレーナーは人間ですけどモデルにしたウマは居ます あと今流行りのアンジャッシュ怪文書やってみたいんですけどこのトレーナーだと割と洒落にならないなと思って躊躇しています

12 21/04/26(月)19:38:23 No.796649524

既にテイオーが激重になりつつあるんじゃない?

13 21/04/26(月)19:41:11 No.796650417

自分だけに見せる部分がある系のトレーナーとテイオーの相性は◎だから…

14 21/04/26(月)20:19:04 No.796664004

ちゃんとモデル設定してるのかやるじゃない

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