21/04/26(月)12:24:20 『pleas... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1619407460022.jpg 21/04/26(月)12:24:20 No.796550615
『please set your gunpla』 電子音声に従って自分の機体をシステムの上に置く。 『stage:Forest』 バトルシステム上にフィールドが展開され、自分の周囲に各種コンソールが現れる。 光球の形状をしたホログラムの操縦桿をしっかり握りしめる。自分の前にある相棒の命運がこれに掛かっていると思うと、何か熱いものを感じた。 自分の初めて作ったガンプラ―――AGE-1ノーマル。特に目立った改造はない。精々が色を自分の勝負服と同じ色―白とピンク―に塗り替えたぐらいだ。 自分にはまだずば抜けた操縦技術はないが、それでも自分の手で作り上げたこの機体にかける思いは誰にだって負けない。素直にそう思えた。 とにかく、これで準備はすべて完了。後は―― 『Batlle Start』 勝つだけだ! 「スペシャルウィーク、ガンダムAGE-1、行きますッ!」
1 21/04/26(月)12:25:19 No.796550857
戦闘開始。カタパルトをからの射出の後、着地の直後に流れる警告音。―――ロックオンアラート! 「ッ―!」 咄嗟に横に飛びのく。その横をビームは通り過ぎていった。 「仕掛けるのが速すぎませんか、トレーナーさん…!」 「おいおい、最初に手加減なしって言ったのはどっちだよ?」 まいった、それを言われると何も言えない… そんな軽口の応酬をしながら悠然と歩いてくるトレーナーさんの機体をシステムが捉える。 ずんぐりした印象を受けるシルエットに大きなかかと、ひときわ目を引く頭部にはモノアイととさか。 事前に聞いていた通り、こちらにこれまた特徴的なシルエットを持つビームライフルの銃口をこちらに向けたRMS-154――バーザムがそこにいた。 「そんじゃ、一気に決めさせてもらうぜッ!」 トレーナーさんがそう言うやいなや、続けざまにビームが発射される。
2 21/04/26(月)12:26:15 No.796551093
回避は間に合わない…!咄嗟にシールドを構える。着弾。このままじゃまずい…! ビームをモロくらいオシャカになったシールドを投げ捨て、めいっぱいブーストをふかす。 「そう簡単に…ッ!やられませんッ!」 気合一心、飛び上がってドッズライフルを構え、チャージなしで連射。1発ぐらいは当たってくれれば…! だがやはりこういうことには経験値のあるほうが有利なわけで。 「狙いが甘いんだよ!」 当然全弾回避される。だがこちらも当然そんなことは織り込み済みで。 「まだですッ!」 回避でできた隙に銃身を分離、ハンドガンモードで弾幕の密度を増す。 だがこんな即席の雑な作戦にみすみす乗ってくれるほど向こうも甘くはない。
3 21/04/26(月)12:26:59 No.796551282
「その程度で落とせるかよッ!」 そうタンカを切るや否や、丁寧な操縦で弾幕を潜り抜け、ビームライフルを撃ってくる。 やはり先制を許したのはかなり痛い。完全にペースを握られてしまっている。 だけどまだシールドを失った程度、十分やれる…! そう思いつつブーストによる立体起動を織り交ぜたラン・アンド・ガンの銃撃戦を繰り広げていると、ある時。 「あっ!?」 集中が切れたのか、自分でもよくわからない方向にビームを撃ってしまった。だが、その先には―――トレーナーさんのバーザムのライフル。 「何い!?」 爆発。この瞬間、両者の視界は完全に遮られただろう。 そう思っていると聞こえてくるアラート。 「しま―――ッ!?」 即座に回避行動。しかし気づいたときにはもう遅く、こちらのライフルがビームサーベルにに貫かれてしまっていた。 即座にライフルを手放し離脱し、そのすぐ後に爆発。 お互いに銃を失った。なら次に来るのは…!
4 21/04/26(月)12:27:53 No.796551522
「オラアッ!」 ビームサーベルを抜いて爆炎から飛び出してくるトレーナーさんの青い機体。手には黄色い光を発するビームサーベルを持っている。 「やっぱりそう来ますよね!」 こちらもビームサーベルを抜いて切りかかる。ピンクと黄色の閃光がぶつかり合い、火花が散った。 二度、三度、四度。 切り結ぶ度にこちらを崩しにかかってくるトレーナーさんのバーザムと、それを何とかさばく自分のAGE-1。 レースとはだいぶ違う駆け引きだ。そしてこの駆け引きに一朝の利があるのはトレーナーさんのほうで。 切りあっているうちに突然、機体に衝撃が来た。何かと思えばコンソールにバトルエリア限界の表示。 つまり、このままでは場外にはじき出されて負ける…! 「せこくないですかトレーナーさん!?」 「ばらばらになるよりはいいだろ!」 確かにそうかもしれないが、このまま負けてやるわけにもいかない。
5 21/04/26(月)12:28:30 No.796551700
「だけど!まだ負けてません!」 そう言うやいなやサーベルの出力を緩めてダガーモードに。 少しバランスを崩したバーザムのサーベルを跳ね上げ、ダガーから片手を離す。 「んなあっ!?」 「これでえええええええッ!!!」 そして空いたボディに渾身の左ストレートを叩き込んだ。でも、まだだ! 「まだ終わってません!」 2本目のダガーを引き抜く。そのままバランスを崩したバーザムの胴体に―――! 「トドメですッ!」 突き刺した。
6 21/04/26(月)12:28:56 No.796551794
―『Battle Ended』―
7 21/04/26(月)12:29:33 No.796551961
「ウワーッ!負けたー!」 バトルが終わり、ホログラムが解除されていく中でトレーナーさんは地団駄を踏んで悔しがっていた。 「いや、トレーナーさん…私のガンプラは拙いなりにゲート処理や合わせ目消しや塗装をちゃんとやってますけど、そっちはキットを組んだだけじゃないですか…」 今日のバトルでは何とか勝てたが、本来トレーナーさんが使うバーザムはものすごい完成度だし、使う武器も赤いガンダム(アスタロトと言うらしい)からもらってきたスレッジハンマー兼 実体ブレードだ。あちらを使ってきたなら勝てなかっただろう。 この前のゴールドシップさんの銀色の百式と繰り広げた激戦はすさまじかった。 「いや、まあ確かに手加減はしたがそれはそれとして負けるのは悔しいからな…」 難儀な人である。
8 21/04/26(月)12:29:51 No.796552048
「で、どうだ?そいつの仕上がりは?」 そう言ってトレーナーさんが私のAGE-1を一瞥する。 「バッチリです!すごく動かしやすかったですよ!」 「そうか、そいつはよかった。何しろお前の初めてのガンプラだからな」 バトルシステムから手に取った自分のガンプラをまじまじと見つめる。 私の初めてのガンプラ。このピンク色のAGE-1は世界に一つの私の相棒なのだ。 そう思うと、なんだか胸が熱くなった。
9 21/04/26(月)12:30:10 No.796552122
余談だが、このときマックイーンさんはゴールドシップさんの『白い作画崩壊ザク』とかいうよくわからないものにボコボコにされていたらしい。
10 21/04/26(月)12:32:23 No.796552698
こういう文を書くのは初めてなのですがAGE-1を動かすスぺちゃんが見たくて書いてしまいました お目汚し失礼しました
11 21/04/26(月)12:34:09 No.796553137
ビルドパロいい……
12 21/04/26(月)12:34:13 No.796553150
スピカの話なのかな?
13 <a href="mailto:s">21/04/26(月)12:36:04</a> [s] No.796553634
>スピカの話なのかな? その辺はどうとでも解釈できるようにしてあります お好きに考えてくださって結構です
14 21/04/26(月)12:36:41 No.796553796
ウマ娘の動体視力なら良いMS乗りになれそう
15 21/04/26(月)12:38:26 No.796554217
プラモは知育に優れたホビーだからな…… 人もウマ娘も垣根なく楽しめるようなこういうのはわりとありそうではある
16 21/04/26(月)12:39:17 No.796554437
むっ!いいねぇ…
17 21/04/26(月)12:41:12 No.796554951
林BGMが似合うビルド怪文書は良作 みんな知ってるね
18 21/04/26(月)12:44:39 No.796555880
ゴルシは何でもできそうだからな…
19 21/04/26(月)12:46:43 No.796556415
バーザムにアスタロトとかトレーナーさん渋くない?
20 21/04/26(月)12:50:56 No.796557491
作画崩壊ザクは実際に作られてるからな…
21 21/04/26(月)12:53:10 No.796558049
>余談だが、このときマックイーンさんはゴールドシップさんの『白い作画崩壊ザク』とかいうよくわからないものにボコボコにされていたらしい。 なんか細くて徒手空拳で戦うんだろうな…
22 21/04/26(月)13:00:11 No.796559688
メジロシティじゃなくてもマックイーンはオチに使われるさだめ…