ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/04/24(土)18:32:13 No.795926763
前回の怪文書 su4796051.txt 率直に言う、妾はハメられた。いや、ハメたのは妾なのじゃが、そういう意味ではない。 意識を取り戻したのは次の日の朝、フクの大たわけめと裸で抱き合っていた。この阿呆、妾に一服どころか二服も三服も盛って強引にコトに及んだことに気付いた。 フクキタルのフクは一服のフクだったようじゃな。特大の厄を運んで来おって。 「とれぇなぁさぁん…もっとぉ……♥」 まだ寝ぼけているのか、甘い声を出しながらすり寄ってくる阿呆のこめかみを両拳でぐりぐりと押し潰す。 「ふんぎゃはー！？！？はっ！？私は確かにトレーナーさんと甘い一夜を過ごしたはずなのに！？」 「なにが甘い一夜じゃ、薬で前後不覚にさせて襲っておいてほざくでないわ。 可愛い愛バの頼みと思ってついてくれば、なんじゃ貴様は、恩を仇で返すのが妾の元で学んだことの集大成か？！」
1 21/04/24(土)18:32:27 No.795926847
拳に更に力を入れる。恩を仇で返す、まさにその通りじゃ。妾はずっとこやつのためを思って未来を読み、時には干渉し育て上げてきたというのに。 その挙げ句貞操を奪わされるとは、情けなくて涙が出てくる。 「ち、違うんです！！聞いてください！聞いてください！ふんぎゃろ！ふんぎゃろぉー！！すごい！全然外れない！トレーナーさん本当に人間ですよね！？」 「舐めるな！貴様の5倍以上は生きておる！ちょっとやそっとでこのウメボシは外れんぞ！」 「だぁぁぁー？？！！ギブ！ギブです！！頭割れちゃう！ハチワレフクキタルになっちゃう！！」 「まだ余裕そうじゃな！！」
2 21/04/24(土)18:32:50 No.795926951
⏰ 「本当に申し訳ありませんでしたぁー！！」 床に土下座する阿呆とベッドにあぐらをかいてそれを見下ろす妾、どちらも全裸だ。もはや恥などない、もっと恥ずかしい真似をして、言葉を囁いた記憶がある、忌々しい。 「妾が納得出来る理由があるというなら話してみい、下らんものだったら貴様の運勢を考え得る最悪のものに固定してやる。」 「あのぉ、そのぉ………と、トレーナーさんとずっと一緒にいたくて……。 URAファイナルズが終わった晩に、一人で行く末を占ってみたら、別離の暗示が出ちゃいまして……それでぇ……。」 起き上がり、指先を合わせてもじもじとし始める。妾が視るのと違って俄仕込みの占いがどれほど頼りになるかこやつには何度も説いてきたのじゃがな……。そして引き起こされた行動が。 「既成事実を作って離れられないようにした、というわけか？」 「はいぃ………。」
3 21/04/24(土)18:33:14 No.795927070
「この………大バ鹿者が！！間抜け！！阿呆！！たわけ者！！とんま！！おたんこなす！！あんぽんたん！！そんなべらぼうな話があるか！！」 思いつく限りの罵り言葉を浴びせる。フクはじわじわと涙を目に浮かべ始める。ああ、ああ、全く！ 「お前のような危なっかしい奴を放り出せるわけなかろう、こんなことをせんでも、契約の更新を申し出るつもりじゃった。」 全く、泣く子と地頭には勝てん。ずっと裸で冷えた体を抱きしめて、ベッドへ戻してやる。 妾も少し寒いので自分と一緒に毛布で包んでやると、安心したのじゃろう。 「ふえぇぇーん！とれぇなぁざぁぁぁん！ごべんなざぁぁぁい！！」 妾の肩に顎を乗せて泣き出した。
4 21/04/24(土)18:33:42 No.795927217
⏰ 「それで、このメジロタワーのたわけたサービスを利用したわけか。全部吐け、どこから仕込みじゃった？」 泣き止んだフクの顔の汁を拭ってやってから、仔細を聞き出す。 「ええと……あのぉー……。これを見てもらった方が早いかと……。」 部屋の隅に投げ出されたハンドバッグからスマホを取り出して見せるフク、画面には利用明細とある。 ずらずらと並ぶ文字にめまいがしてくる、タワーに足を踏み入れた瞬間から全てが策中であったというわけか。 「あれは強い酒ではなく媚薬じゃったとは、雨が降ったのも仕込みか、それに陽根を生やす薬など、どこから……おい待て、なんじゃこの超排卵促進剤というのは、まさか貴様……！」 「あはー……多分ですけど……占いは外れたけどこっちは当たり、かなぁ……なんちゃって…。」 下腹を押さえながら笑うフク。 「なんちゃってではないわ、子や孫になんと言い訳すればええんじゃ！！この年で妹か弟や叔父叔母が増える親族の気持ちも考えんか！」 スパーン！と頭をはたく、こやつの頭は全く足りてないせいか叩くといい音を出す。数少ない長所じゃ。
5 21/04/24(土)18:33:58 No.795927309
「それに星図操作に風向操作じゃと…？一体どんな力があって……。」 そこで思い当たる、あの日に限って星読みも風読みも出来なかった理由はこれだろう、もし事前に知っていればこのような策に嵌るはずもない。 だがそれを防げるのは、妾と同じ技術を持った存在。思い当たるのは一人しかいない、すぐに妾もスマホを取り出して短縮ダイヤルにかける。 出てきたのはさっきのフク以上に寝ぼけた声。 「もしもぉ～し？おばあちゃん？どうしたのこんな朝に～？」 「もう昼近くじゃ、眠い理由を当ててやろう。昨晩遅くまで儀式をしていた、違うか？」 「えぇっ！？なんでわかったの！？」 驚きで眠気が覚めたことじゃろう、電話の相手、不肖の孫スイープトウショウが叫ぶ。 「そのとばっちりを食ったからじゃ！あれほど勝手に儀式魔術を行ってはならぬと言っておいたというに！！」 「だってぇー！マックイーンさんがお金いっぱいくれるって言うからー！」 「金に目が眩んだ魔女の末路を今度嫌というほど聞かせてやるわい！手始めに貴様に祖母が増えるぞ！叔父か叔母もな！！」 どういうことー！？という叫びを無視して通話を切る。起きてから怒鳴りっぱなしで疲れた。
6 21/04/24(土)18:34:10 No.795927370
「あ、あのぉー……。」 「なんじゃ、阿呆。」 「祖母が増えるってことはぁ……その、つまりぃ……。」 「貴様とメジロの奸計の結果とは言え、孫の軽はずみな行動と妾の未熟が招いた部分もある。ええい、まさか妻を娶るようなことになるとは思わなんだが、責任は取ってやる。」 「やったぁー！！トレーナーさん大好きぃー！！」 「全く……家系図になんと書けばええんじゃ……。それに次のサバトで何を言われることやら……。」 口では文句を言いつつ、晴れ上がった空から読み取れる未来はどれも明るい兆しを見せていて、この暴走娘との夫婦生活もそう悪いものでもないらしい。
7 21/04/24(土)18:38:09 [sage] No.795928634
昨日のスレでトレーナーはスイーピーの祖母でロリババア魔女という話が面白かったのでなんとか盛り込んでみました
8 21/04/24(土)18:41:13 No.795929587
サバトって何！？
9 21/04/24(土)18:43:02 No.795930113
>サバトって何！？ 平たく言うと魔女の集会
10 21/04/24(土)18:56:12 No.795934452
スイーピーに自分と大差ない歳の祖母が まてまはまあ仕方ないけどスイーピーのご両親の心境がひどい事になりそう
11 21/04/24(土)19:00:11 No.795935700
母親が自分の娘ぐらいの年の妻を娶って来るとか文字だけで脳が破壊されそうだ
12 21/04/24(土)19:01:20 No.795936083
>母親が自分の娘ぐらいの年の妻を娶って来るとか文字だけで脳が破壊されそうだ しかもそう仕向けたのは自分の母親だし その自分の娘と同じくらいの女の子の方が母親を襲ったんだ
13 21/04/24(土)19:01:42 No.795936212
>>母親が自分の娘ぐらいの年の妻を娶って来るとか文字だけで脳が破壊されそうだ >しかもそう仕向けたのは自分の母親だし >その自分の娘と同じくらいの女の子の方が母親を襲ったんだ 仕向けたのは自分の娘だった どっちにせよひどい
14 21/04/24(土)19:20:53 No.795942944
>仕向けたのは自分の娘だった >どっちにせよひどい 許せねえぜメジロ家……
15 21/04/24(土)19:22:19 No.795943421
まぁスイーピーの母親ならそんなに深く気にしないで受け入れそうだしいいか…
16 21/04/24(土)19:29:35 No.795946191
めっちゃいい…