虹裏img歴史資料館

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21/04/20(火)23:32:27 最近、... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1618929147853.png 21/04/20(火)23:32:27 No.794774117

最近、トレーナーに生徒がキスをねだるのがブームになっている。きっかけはわからんが、おおよそタイキシャトルあたりだろう。 レース前に軽く頬にキスをもらった彼が見事な結果を見せ、それを見た者が自分のトレーナーにもねだる。 そうしてたまたまいい結果を残した。偶然によって生まれがちな迷信だ。 タイキシャトルの結果は彼の抜きんでた実力によるものだ。レース前の行為とレース結果に直接的な関係はない。 しかし勝負の世界に身を置く者たちにとって、ゲン担ぎと言うのは非常に重要視されるものだし、 なによりタイキシャトル本人たちがそれを肯定するものだから、噂は広がっていくばかりである。 「どいつもこいつも、トレセンの生徒でありながら情欲に現を抜かすとは情けない。」

1 21/04/20(火)23:32:38 No.794774177

「エアグルーブはキス欲しがらないのね。」 この女もか。この私が選んだのがこんな色ボケだったとは。わざとらしく、いつもより大きくため息をつく。 「でもレースに勝てるってすごい噂になってるみたいよ。 タイキシャトルのとこなんか天下の往来で平然と。」 「奴にとってはただの挨拶だ。それ以上の意味はなかろう。」 「エアグルーヴもそう思うの?」 「当然だ。」 ふうん。

2 21/04/20(火)23:33:04 No.794774321

今日はやけに奴が色っぽく感じる。奴の服装のせいだ。普段は量販店のレディススーツを適当に身に着けているだけなのに、 今は足首まであるロングスカートをまとい、リブ編みのセーターが大きくも程よく整った胸を強調している。 何より普段は軽くまとめてゼムクリップで留めている髪が一房にまとめられ、右肩に掛けられている。 エアグルーブ本人は絶対認めないがはっきり言おう。ドンピシャの大本命◎であった。 あんな通帳の貯金残高を眺めることしか趣味のない女に心動かされるなどありえない。 顔が熱いのも気のせいだ。生徒会の仕事で気を紛らわし、脳内会長のギャグ百連発で心を静める。 「どうしたの、顔が赤いよ?」 「距離が近い!別に私はっ、!?」 頬になにか触れた、まさか。 「かわいい。」 「っ!」

3 21/04/20(火)23:33:32 No.794774464

この女は。余裕の笑みを浮かべる奴についカッとなって、力任せにソファに押し倒してしまった。 手首に体重を乗せて自由を奪い奴を見下ろすと、謎の優越感と罪悪感に襲われる。 「エアグルーヴ、痛いわ。」 「そんなことはどうでもいい!どうしてこんな…」 「こんな?」 「…こんな男の情欲を煽るようなことを!」 「ただの挨拶でしょう?」 ぐっと言葉に詰まる。

4 21/04/20(火)23:33:45 No.794774531

「ねえ、エアグルーヴ。あなたはトレセン学園の顔ともいえる生徒会、その副会長よね?」 この状況で何を言いだすんだ。当たり前だ。目で続きを促す。 「自分にはトレセン学園の生徒を正しく導く目標となる。そのためには、いかなる努力も押しまない。」 彼女は私の言葉を覚えていた。驚愕で思わず拘束が緩む。 トレーナーは私の手を取り、わたしから決して目をそらすことなく、手のひらで自らの頬をするりとなでた。 「レースでの結果を求めるあまり、一線を越えてしまう可能性もあるわ。あなたはそれを防がなければならない。」 「だから。」 掌が私の胸にあてられる。心臓はとうの昔に破裂寸前まで膨れ上がっていた。 「キスの先に行ってしまったらどうなるか、あなたが体験しておくべきだと思わない?」

5 21/04/20(火)23:33:59 No.794774607

「…これは?」 「性転換モノですね。」 「いやそうじゃなくてだな…。」 廊下で派手にすっ転んだアグネスデジタルの私物は、エアグルーヴと担当トレーナーの恋物語だった。 ただしウマ男と女トレーナーの、という説明がつくが。 「てかなんだ、俺凄い魔性の女みたくなってるけど。なにこれ。」 「ご安心ください。別人です。」 「いや、名前まんま俺じゃんか。アウトでしょ。」 「別人です。」 「いやどう考えても、」 「別人です。」 頑なに認めないデジタルに口を閉ざす。しかし妄想とはいえよくここまで描けるもんだ。

6 21/04/20(火)23:34:34 No.794774821

「彼女の手腕は評価しているけれども、色恋沙汰を嫌うあまりトレーナーと担当という以上の関係を望まない優等生。 彼がビジネスライクな付き合いを望んでいるとわかっているからこそ普段はお堅くて女の魅力が出にくい服装で仕事に臨んでいるトレーナー。 彼女のその姿勢には好感が持てるが、実はトレーナーの格好にだんだん不満が募っていくんですね。スーッ自分に釣り合う恰好をしてもらわないと自分の 品位にも関わるからちゃんとした格好をしてほしいと思っているし、口でもそういうんだけど、トレーニングを重ねるうちに彼女のことをもっと知りたいという

7 21/04/20(火)23:34:47 No.794774889

隠された彼女の魅力に虜になってる自分を認めることができないんですね、プライドが高いから。フヒッ。何とかごまかそうとするんだけどトレーナーの方はすべて お見通しなんですよね。彼の心が憤りとかプライドとか性欲とかでグッチャグチャになったタイミングで、髪型も服も服装も化粧も変えて極上のエサを目の前で ちらつかせるんですよ。普段なら一蹴するんですけど、それができないタイミングでやられるんですよね。真面目でプライドの高い青年が見下していて女として見ていなかった トレーナーに女の魅力で落とされるんですね赤子の手を捻るは如く容易くズブズブと溺れていくんですねアーッッッキテマスキテマスゥゥゥゥゥ!」 「どうした急に。」 「すいませんあっはなぢでてきた。」 もう言うべき言葉を持たない。無言でポケットティッシュを差し出す。

8 21/04/20(火)23:34:57 No.794774950

「おい、やかましいぞ。生徒会室の前で何をしている。」 「お、噂をすれば。」 「噂?それより何の用だ。今日はトレーニングは休みのはずだろう。」 「いや、俺は通りかかっただけだ。こっちは俺の前で派手にコケた。」 「アグネスデジタル?全く何をしてるんだか。」 「いやぁ副会長さん。頼まれていたものをお届けに。」 「私が頼んだ?」 「あ、今トレーナーさんが持っているヤツです。」 エアグルーヴの視線がこちらへゆっくりと向けられ、俺の手で開かれた薄い本で止まる。 瞬間彼女はものすごい速さで本を奪い取った。 「………………………………………ヨンダノカ。」 「いや最初の方しか…」 「貴様ッ!人のものを勝手に読むなどッ!言語同断だぞッ!」 「えっこれエアグルーヴのなの。」 俺の発言を聞いて彼女は赤を通り越して顔をどす黒くした。失言だったか。

9 21/04/20(火)23:35:19 No.794775065

「~ッ!!帰れッッ!!!!!」 そう叫ぶと彼女は部屋へ戻ってしまった。 「ハーーーーーーーーーーッヤバトウトイィィィッ!」 後日、久々に本気でオシャレしていったら顔をどす黒くしたエアグルーヴに思いっきり殴られた。何故。

10 21/04/20(火)23:37:03 No.794775597

…?って思ってたらデジタル女史の力作だった こりゃ尊い…

11 21/04/20(火)23:38:05 No.794775908

名乗るのもおこがましいが拙者 性癖こじらせ女帝スコスコ侍と申すものでござんす。

12 21/04/20(火)23:49:17 No.794779410

こじらせた女帝だ ある意味で重さが違う

13 21/04/20(火)23:54:14 No.794780869

でじあぐ先生の新作だったか…

14 21/04/21(水)00:01:50 No.794783266

理不尽!

15 21/04/21(水)00:15:23 No.794787131

これでデジ氏は実力も折り紙付きだからタチが悪い

16 21/04/21(水)00:19:08 No.794788226

彼…?彼女の間違いだろと思っていたら アグネスデジタル先生の力作だった

17 21/04/21(水)00:35:49 No.794792922

>名乗るのもおこがましいが拙者 >性癖こじらせ女帝スコスコ侍と申すものでござんす。 スコスコ侍くん?スコスコ侍くん? し・・・しんでる・・・

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