21/04/11(日)03:44:42 「ふっ... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1618080282385.jpg 21/04/11(日)03:44:42 No.791687456
「ふっふっふ、よくぞいらっしゃました、トレーナーさん。ささ、そちらへお座りください」 春にしてはやけに陽気なある日。この時期にしてはずいぶんと暑いのにいささかウンザリしながら扉を開けトレーナー室に入ると、中はいきなり真っ暗であった。 戸惑いながらも電気をつけようとすると、椅子に座り水晶玉を机に載せ、フード付きのローブを目深に被ったマチカネフクキタルがそんな事を呟きだした。 どうやらまた何か占いの儀式でも思いついたらしい。暗くしてあるトレーナー室も雰囲気作りの一環だろうか。 そう考えていると何やらゾクゾクと寒気がしだした。おおかた部屋を閉めきったせいで熱が籠もった上、ローブなど羽織るから暑くなったフクキタルがエアコンをガンガンにつけているのだろう。 今すぐ消したい所だが、ここまで大がかりにしている以上はある程度付き合ってあげないと調子を崩してしまうだろう。 ここはとりあえず付き合ってあげて終わり次第エアコンを消し、カーテンを開けてしまおう。そう心に決め、フクキタルに言われた通り椅子に座る。 さて一体何が始まるのだろうか？ そう聞こうとする前に早速フクキタルが口を開いた。
1 21/04/11(日)03:44:59 No.791687491
「今日はですね、トレーナーさんの今後を左右する大事な儀式をします！ 面接のような物なのでしっかりと真面目に答えてくださいね！」 フクキタルが仰々しく言うのには慣れているが、今回はいつもより調子が違う気がする。心の中で身構えながら真面目に答える事を誓った。 「さて、トレーナーさん。トレーナーさんはこの所凄く調子が良く、結果を出し続けついにチームのトレーナーまで任されましたね」 その通りだ。フクキタルの育成をこなして以来、次々と他のウマ娘も任せられるようになった。皆頑張ってくれているおかげで育成もチーム戦も順調である。 「ですが気になることがあるんです。ここの所、一バに対する時間は減っていないでしょうか？」 確かに、出来る限り平等に接するようにはしているがどうしても減っている。特に――。 「特に、一番最初に育成担当した子などは！」 既に実績を出したフクキタルとの時間はどうしても一番減っている。 「そこで、ズバリ今後を聞くようにと三女神様から言われた私がトレーナーさんに問う事になりました」
2 21/04/11(日)03:45:12 No.791687505
シラオキ様ではなく三女神様とは、なんだか普段のフクキタルらしくない。が、その事を口に出す前に素早く次の質問が飛んできた。 「トレーナーさん。貴方はこれから先、一バのウマ娘を愛するのか。それとも、全てのウマ娘を公平に扱うのか。どちらにしますか」 ……正直な所答えは最初から決まっている。答えようとしたその瞬間、ゾッとする寒気が身体を貫いた。 慌てて改めてフクキタルを見ると――フクキタルは、真顔でこちらをじっと見つめていた。その眼は普段とは全く違う。冷たく厳かな、こちらを奥底まで見抜くような、いい加減な答えを返してはいけないと思わせるようなものだった。 つい視線を逸らしてしまいたくなるような圧力に負けじとフクキタルの眼を見つめ返し、誓った。おそらくフクキタルが望む答えではないだろうと思いながら。私は全てのウマ娘を平等に扱う、と。 答えを聞いたフクキタルはなおもこちらを見つめていた。やがて、そのまま目線を手元の水晶玉に移し手をかざしながら何事か呟きだした。普段の呪文とは全く違う聞き慣れない言葉だった。 さらにそのままフクキタルは水晶玉を見つめていたが、ややあってぽつりと言った。
3 21/04/11(日)03:45:25 No.791687521
「分かりました」 なおも異様な雰囲気の中、なんと言葉をかけていいか分からないでいると急に雰囲気が和らいだ。 「トレーナーさんは合格です！選ばれました！」 合格。選ばれました。一体何の話だろう。先ほどの厳かな雰囲気はどこへやら、ニコニコとするフクキタル。 「いや－、トレーナーさんならそうお答えするだろうと私は思っていましたけど！ やはり私が思う通りの優しいお方でしたね！」 なんだろう、空元気という訳でもなく純粋に喜んでいるようで逆に怖い。 てっきり私はフクキタルが自分の事を選んでほしいのだと思っていたのだが。 「では、私は三女神様にご報告にしに行ってきますね！ だいぶ後になりますけどトレーナーさんもいつか挨拶にいけますよ！」 私が混乱している間に、それではさようなら、とフクキタルはそのまま水晶玉を手に持ち席を立って部屋の扉から出て行こうとしていた。 いや、とりあえず終わったならトレーナー室を片付けさせなくては。 私も慌てて席を立ち、出て行ったフクキタルの後を追って部屋から出た。
4 21/04/11(日)03:45:40 No.791687535
廊下に出るとむっとするような陽気が戻ってきた。そのまま左右を見渡す。 先ほど出て行ったはずのフクキタルの姿は見当たらない。よほど急いで走って行ったのだろうか？ いや、それはいくらウマ娘といえどもあり得ないはず。 一体どこにと悩んでいるその時、廊下の向こう側から当のフクキタルが歩いてこちらにやってきた。 「あ、トレーナーさん！ こんにちは！ 少し遅れてしまって申し訳ありません！ スズカさんたちとの願掛けに時間がかかってしまいまして」 そんな風に謝るフクキタル。その様子からしてどうも嘘はついていない、それは間違いない。どういうことだろう。 ささ、早く入りましょう。フクキタルに促されながらトレーナー室の扉を開ける。明るい。暑い。先ほどまでの真っ暗で冷たい部屋などどこにもない。 いやー、暑いですね。エアコンつけますね！ そんなフクキタルの言葉がどこか遠くに聞こえる。
5 21/04/11(日)03:46:03 No.791687568
一体あれはなんだったのだろう。ふと、あのフクキタルの言葉を思い出す。 ――トレーナーさんは合格です！選ばれました！ ――トレーナーさんもいつか会いにいけますよ！
6 21/04/11(日)03:46:22 No.791687590
一体私は、何に合格し、何に選ばれた？ いつか会いにいける？ それはいつ？ そんな疑問がいつまでも頭をぐるぐると駆け巡ったまま私は立ち尽くした。 そんな、春にしてはやけに陽気なある日の事だった……。
7 21/04/11(日)03:48:46 No.791687776
怪談…？
8 21/04/11(日)03:49:24 No.791687839
ああ！窓に！窓に！
9 21/04/11(日)03:50:51 No.791687964
プレイヤーが見るトレーナーはパラレルな同一人物ということか
10 21/04/11(日)03:52:56 No.791688143
そもそもあのフクちゃんは誰だ…？
11 21/04/11(日)03:56:26 No.791688430
トレーナーさんに因子継承される…？
12 21/04/11(日)04:05:19 No.791689080
やはりウマソウルは厄ネタなのでは…？
13 21/04/11(日)04:07:11 No.791689195
ねえこれお姉ちゃん…
14 21/04/11(日)04:07:42 No.791689228
1人の子を愛するって答えてたらどうなってたの…？
15 21/04/11(日)04:22:19 No.791690129
1人の子を愛したらこのままフクエンド みんな平等にしたからみんなを育成するループに入る
16 21/04/11(日)04:31:14 No.791690599
どこへ行かされるんだ
17 21/04/11(日)04:35:29 No.791690824
こういう永遠に答えがわかんなさそうなの怖い…
18 21/04/11(日)04:37:04 No.791690926
多分三女神にアイサツしにいくころには そうか…ウマ娘とは！ウマソウルとは！ って感じになってる
19 21/04/11(日)04:39:43 No.791691078
シラオキ派か三女神派かのテストかな？
20 21/04/11(日)04:39:57 No.791691091
これから先どんだけ担当と仲良くなっても確実に添い遂げる方向には行かないだろうなって 三女神さまのすごい束縛を感じる
21 21/04/11(日)04:58:40 No.791692138
シラオキ様が女神様の使いとして現れた的なやつかな…
22 21/04/11(日)05:52:43 No.791694547
お姉ちゃんはフクキタルの幸せを願うだろう こっちはウマ娘全体の将来を願ってる感じだからシラオキ様かな…？
23 21/04/11(日)06:20:58 No.791695697
フクちゃんの「私はトレーナーさんと――」の一言で神VS神になったりしない？大丈夫？
24 21/04/11(日)06:41:32 No.791696643
シラオキ様も来たくなった？
25 21/04/11(日)07:16:06 No.791698648
フクキタルの肖像権がユルユルすぎる…
26 21/04/11(日)07:17:21 No.791698735
姉キタルがフクキタルの子供に転生でもするのかな…