虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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21/04/04(日)23:32:30 日曜日... のスレッド詳細

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21/04/04(日)23:32:30 No.789896243

日曜日の23時、いきなり呼び出された場所はネオン街だった。 呼び出したあさひは何を言うでもなく街の光へ歩き出す。その真意が知りたくて、とりあえず隣に立って歩いてみた。  だが、あさひの目を引きそうな色とりどりのネオンや怪しい店の看板がいくつ視界を横切っても、あさひはちらりとこちらを一瞥するだけで特別の反応を示さない。 悩みでもあるのか、それともまた常識的な想像の外側で遊んでいるのか。せめて思考の欠片でも理解しようと試みても、まるで答えは見えてこない。 困惑の暗雲が頭を覆いかけたその瞬間に、あさひはようやく口を開いた。 「プロデューサーさん。こんな夜中に呼び出してごめんなさいっす」 あまりにも唐突で常識的な一言に、すとんと背筋の緊張が落ちた。 「デートっていうの、してみたかったんす」 「場所、どこなら喜んでもらえるか、分かんなくて」 訥々とあさひは語る。そこにいたのは宇宙人でもアイドルでもない、等身大の十四才だった。 「あはは。つまんないっすよね、こんなの。明日も早いし、もう解散するっす」 困ったようにあさひは笑う。 やっぱり駄目だった、そんならしくない自嘲の感情が透けて見える笑顔だった。

1 21/04/04(日)23:32:53 No.789896397

スレ文は読んでないけどやっぱりrurudo先生の絵は至高だと思うわ

2 21/04/04(日)23:34:56 No.789897180

(平らね…)

3 21/04/04(日)23:46:34 No.789901620

「あさひ」 必死に円満な別れを振る舞う彼女の細い指を握る。体を繋がれば自ずと気持ちも繋がるなんていうのは、単に手を繋ぎたいだけの奴が絞り出した虚言なのかもしれない。 でも、今はそれでもいいと思えた。今、こうしてあさひの手を握れるのなら何をしたっていいと、心からそう思えた。 「ありがとう。悩んでくれて」 ポカンとするあさひには、この意味を落とし込むのにもう少し時間がいるかもしれない。最後まで伝わらないかもしれない。 どちらでも構わない。結果に結び付かなかった過程だって、愛おしむ価値のあるものだ。 「よかったら、もう少し歩かないか。あと数軒先に、大きな水槽のある飲み屋があるんだ」 「熱帯魚っすか」 「そう、カラフルなやつ。中に入るのは駄目だけど……外から見るだけでも、デートにはなるんじゃないか?」 「……プロデューサーさん」 それ以上の踏み込んだ会話はなかった。宣言通りもう少しだけ二人で歩いて、外からカラフルな熱帯魚を眺めて、帰りにコンビニで飲み物を買って、車であさひを家まで送り届けて一日は終わった。 別れ際、バックミラーに手を振るあさひの笑顔は、いつものように透き通って晴れやかだった。

4 21/04/04(日)23:52:31 No.789903852

恋するあさひいいよね

5 21/04/04(日)23:54:44 No.789904732

おかしいです…あさひさんが幸せそうです…

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