ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/04/04(日)11:55:45 No.789657165
トレーナーが、椅子に座ったアタシの足を支える。 脱力したアタシの足が、彼の手でゆっくりと伸ばされ、ゆっくりと曲げられる。 彼の顔はじっと、アタシの顔をとらえたまま。 脚にわずかな痛みが走る。身じろぎも苦悶もない、隠すのなんてたやすい些細な痛み。 「ほんの少しだが痛むみたいだな。」 だが、彼の目はごまかせない。何もかも見透かされてしまう。 トレーナーはみんなこうなのかしら。それとも、彼とアタシだけ? 「来月出走予定のレースはとりやめにしよう。 もともと調整の経過観察のためのレースだ。大事になるとコトだからな。」 彼がアタシの足を放し、いくつもマルが書き込まれたカレンダーのほうを見ながら言う。 こんなの大したことないわ!きっと一番になって――
1 21/04/04(日)11:56:00 No.789657218
「どうしてもそうしたいなら、この場でおれを蹴殺していくんだ。 おれの目の黒いうちは、どんな些細な無茶も無謀も無理も許さん。」 鋭く糾弾する視線がアタシを射抜く。 ――わかったわよ。あんたの言うとおりにする。 トレーナー 「スカーレット。最悪、おれの代わりはいくらでもいる。でもお前の代わりはいないんだ。 お前の万全の走りを、緋色の風をみんな見たがってる。それを忘れるなよ。」 優しくかつ厳しく口調で、言葉が投げかけられる。 ―・・・そうね。でも一つだけ訂正してもらえるかしら? 「なんだ。さっきも言ったが無茶は―」
2 21/04/04(日)11:56:30 No.789657327
―あんたの代わりなんかいない。あんたの一番はアタシ、アタシの一番はあんた。 ―・・・そこんとこ、忘れないでよね。 それだけ言って、そっぽを向く。 顔が熱くて、彼の顔を正面から見られる気がしなかったから。 「―――勿体つけた物言いしやがってまぁ。『あんたのことが好き~』くらい真正面から言えないもんかねぇ~!」 ―ちょっと!ヒトが真面目に言ってるんだから茶化さなくったって―――ッ 急に立ち上がったせいか、前につんのめるようにバランスが崩れる。 「スカーレット!?」 アタシを支えようと手を伸ばし、トレーナーが駆け寄ってくる。計画通りに。
3 21/04/04(日)11:57:18 No.789657531
差し伸べられた腕を取って引き寄せ、首筋につかまるように抱き着いて、唇を奪う。 息が苦しくなるまで、アタシたちはそのままで。 ―ぷはっ・・・ しばらくして、空気を求めて唇をはなす。それから意地悪くニヘラと笑って、こう言ってやった。 ―お望みどおり言ってあげるわ。 スキ ―あんた、『隙』よ。
4 21/04/04(日)11:58:07 No.789657714
今日はよく眠れたので書きました。 おあとがよろしいようで。
5 21/04/04(日)11:59:09 No.789657966
ウワーッ!…ウワーッ!
6 21/04/04(日)11:59:52 No.789658141
今日は大変な良バ場のようです この後湿り気が出て重バ場にならないか心配な所です
7 21/04/04(日)12:03:27 No.789658999
ダスカは王道
8 21/04/04(日)12:09:55 No.789660657
>計画通りに。 これは大胆な作戦!
9 21/04/04(日)12:10:08 No.789660724
スカーレットはかわいいなあ!
10 21/04/04(日)12:10:39 No.789660869
ウワーッ!
11 21/04/04(日)12:11:48 No.789661206
このままお布団コースだったんですか!?どうなんですか!?
12 21/04/04(日)12:14:10 No.789661863
トレーナーがクソボケじゃないのは珍しいな…
13 21/04/04(日)12:18:25 No.789662983
足臭いそう
14 21/04/04(日)12:22:32 No.789664035
スカーレットの1番なら、 好意を受け止めるくらいの解消はあるはずと思って書いてる
15 21/04/04(日)12:41:50 No.789668759
>>計画通りに。 >これは大胆な作戦! 完全に予想通りでした