ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/04/04(日)00:46:27 No.789551880
あの執務室での騒動からさらに数日、問題なく日々は進み KSGはあの時みせた恐ろしい雰囲気を欠片を見せずに 各部隊からの視察申請を持ち込んだ。 何か不満などは無いかと思ったもののKSGは特に問題ないといった顔で 「指揮官、どうかしましたか?」 とこちらに聞いてくるほどだ、あの日みせたのも…まぁ こちらの気にし過ぎだったのだろう、そういう事にする。 だがこれも気にし過ぎなのかもしれないが、彼女はここ最近 しきりに指輪を眺めている気がする。 自分の物も、こちらの付けている物もだ。 そしてその眼はこの前感じた色気が あの指輪にも負けぬ白銀の輝きの中に宿っていた。
1 21/04/04(日)00:46:41 No.789551948
指揮官によって誓約の指輪の扱いは大きく変わる あくまでシステムと割り切り誓約を終えればその後付ける事は無い者。 或いはそこに何かしらの意味を見出し、後生大事に付け続けるもの。 私は後者になる、仕事の相棒だとか言ってはいたものの それでもこの稼業で長く並び立って戦った彼女との繋がりとなる この銀の輝きに私は物以上の価値を見出し過ぎていた。 KSGも特に強制されているわけでは無いが、黒い指ぬきグローブから 飛び出る白磁のような指先には同じ輝きが常に存在していた。 時に本物の恋人のように振る舞う人形と指揮官が居る 人形性愛者と揶揄される事もあるが、私個人としては悪くは思わない。 しかしKSGにはそういう感情は無いと付き合いの中で考えていた。 もしかしたらそれは…思い違いだったのだろうか?
2 21/04/04(日)00:46:54 No.789552013
他部隊の視察も決まった夜、個室の扉を叩く者がいた 私の個室に来る者など久しく居なかったが 不思議と誰が訪問したのかはわかった。 「KSG」 「夜分遅くに失礼いたします」 私は何も聞かずに扉を開けて彼女を迎えた 目が合う彼女との間に、夕日の様なシューティンググラスは無く その私が映りこむほどの白銀の瞳が私を捉えていた。 「今夜は、共に過ごしてもよろしいでしょうか」 「構わない」 驚くほどに素早く喉を通って行く返事に驚きはなかった 彼女の報告に何も異常が無かったのはこういう事だろう。 「しかし…何時からだ?」 「さぁ…わからないです」
3 21/04/04(日)00:47:07 No.789552096
そうして、たった一夜のうちに私も人形性愛者となった あの真白を更に白く染めてなお飢える彼女の本能に 私も当てられて、仕事だとか相棒だとか理性的な枷で留めていたらしい 己が内の獣欲を只々注ぎ続けて。 最後には朱に染まった体同士をくっつけ合って 朝目覚めた時に、夢かもしれないな なんて思っていたら、それを察してか 首筋に甘く痺れるような痛みが走って、何かが切れたのか 沈むように私達は眠りについた。
4 21/04/04(日)00:47:21 No.789552181
目が覚める、朝日を確認 そして隣には…指揮官だ。 「まだ寝ていますか」 朝起きた時もしも隣に彼が居ないと人形なのに夢を疑うかもしれない …そう思って付けた跡は仄かに赤く無防備な首筋に残っていた。 言い知れない愛しさを感じた私はもう一度 上書きするようにキスをすると、太くて硬い腕が私を抱く。 「おはよう」 「おはようございます」 「全く、思った以上に情熱的だな」 「戦場で知っていたでしょう?」 そう言葉を交わして姿勢を変えて私が上になる 抱いていた互いの手は頬に添えられる。 未だに冷めやらぬ体温に、指輪の冷たさが心地よかった。
5 21/04/04(日)00:47:42 No.789552299
KSGと恋人になりたい人生だった…
6 21/04/04(日)01:01:11 No.789556133
文書くのは難しいけど取り敢えずここまで書けたし満足…
7 21/04/04(日)01:15:17 No.789559403
絵師さん自体はAKalfaとか描いてたしなんとか供給来ないもんだろうかと思っている