21/04/02(金)00:04:57 真っ赤... のスレッド詳細
削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。
画像ファイル名:1617289497113.jpg 21/04/02(金)00:04:57 No.788935930
真っ赤な菊の花が二輪咲いてから結構な期間が過ぎました。 まず結論から申し上げます。 私はスズカさんに公開告白し、見事な大敗を演じてみせたのでした。 その際スズカさんもトレーナーさんへの想いを告白し、返答を迫られたトレーナーさんは後日これに応じる形で交際を申し込み、やがて結婚する運びとなったわけです。 私は私でいいお相手を見つけると、さっさと結婚してしまいました。 すっぱり未練を断ち切って、新しい愛に生きると嘯いて。 「ただいま」 「おかえりなさい、あなた」 夫が仕事から帰ってきました。 彼は多忙な日々を送っていますから、1日おきにしか帰ってきてくれません。 寂しいですけど仕方ありません。だって彼は一家の大黒柱なんですから。 「おかえりなさい、ぱぱー!それとだっこー!」 「おーよしよし!ほーら!」 疲れなんてなんのその。彼はウマ娘のためなら、なんだってしてくれる人なんです。そう、なんだって。
1 21/04/02(金)00:05:09 No.788935999
「…リオはもう寝たか?」 「はい。じゃあメイク、剥がしますね」 やや強面な顔つきが、みるみるうちに優男よりの顔へと変わっていきます。 なんだか魔法が解けたみたいで面白いんですよね。 メイクをしている時の彼も元の彼も好きですけど、やっぱり元の彼と過ごす方がいいなって思います。 …ああ、スズカさんが羨ましいなあ。 「じゃあ始めましょうか、トレーナーさん」 「ああ」 そう、トレーナーさんは二つの顔を持つことにしたのでした。 ひとつは勿論、トレーナーとしての顔。 そしてもうひとつはダンスの振付師。 休む間もない日々は大変だって夫は仰ってますけど、心なしかどんどん元気になっているような気がします。 そう、元気に…あっ、今日も元気すぎですっ…こんなに大きくしちゃってっ…! 普段はウマ娘を気遣ってやまない彼ですが、この時だけは一切の容赦がなくて…彼のワガママを全身全霊で受け止めているこの時がっ、ああっ、その熱と情欲で染められていくのがっ、どうにもたまらないっ…!
2 21/04/02(金)00:05:23 No.788936075
話は私とスズカさんが修羅場を演じ、文字通り痛み分けした後に遡ります。 私はあの後すぐさま新潟へと出向いて、今後の展開について相談することにしました。 「で、どうしますか?」 「どうするって…どうしたいんだ、お前は」 私の答えは決まっていました。 「三人一緒の幸せを目指します!」 勢い任せの考えなしな結論でした。まあ私って頭がゆるいなんて言われることがままありますし、しょうがないんじゃないでしょうか。 いえ、産んでくれたお母ちゃんのことを考えたらそうでもないかも。 あちらは蚊帳の外でどうしようもなかったとのことですから、同じ轍を踏む必要はないと思いました。 「…スペちゃん。そううまく行くものかしら?」 「ええ!」 そう、私にはいい考えがあったんです。 「まず私とスズカさんが結婚して、それからトレーナーさんには精子提供者になって頂くんです!」 「ダメよ」 ですがそれはにべもなく断られてしまいました。
3 21/04/02(金)00:05:42 No.788936149
「えっ、いい考えだと思ったんですが」 「スペちゃん…同じようなことを考えた人はもういるの。それにほら、このニュース」 私はスズカさんからスマホを渡され、件のニュースとやらを読んでみたんです。 「…ええっ!」 その内容は、同性婚をした女性二人が精子提供者とされていた男性と爛れた関係にあったというものでした。 「こ、これって…」 「ええ。三角関係だったのがバレてしまったのよ」 私たちウマ娘は同性だけ。それゆえ同性愛というのもごく自然なこととして社会に浸透し、同性婚はさして珍しいものではなくなったという歴史があります。 ですが重婚はそうもいかず、文化圏によって大きく違うんです。そして多くの国では、たとえ当事者が事情を承知の上でも法的にも公的にも認められません。 お三方は道義的責任で追求されているのですが、スズカさんは、そもそも精子提供者そのものがグレーな存在なので槍玉に上がりやすいから、トレーナーさんをそういう立場にしたくないと仰りました。 実例を見せられてからだと、私は自分の提案がいよいよ軽率なものだと思わざるを得ず、ただごめんなさいと言って頭を下げるしかありません。
4 21/04/02(金)00:05:54 No.788936201
「いいのよスペちゃん。ふざけて言った訳じゃないのはちゃんと伝わってるから」 そう言われホッとしたのも束の間、結局問題は解決してない訳ですので私は頭を抱えました。 「どうしたら…」 「うん。とりあえず落ち着きましょう、スペちゃん」 私は一息つき、それからペットボトルいっぱいの水を一気に飲み干しました。 「…ぷはっ!あぁー!」 ああ、体中に水分が染み渡ってきます! なにせ急いで向かったものですから、道中で財布を忘れたことに気付いて戻ったり、つい慌ててたら道に迷ったりでバタバタしちゃって、私はついに水分を摂ろうという考えすら浮かばなかったんです。 これで体調は万全、少しは何か思いつくだろうと思いましたが…なんにも思い浮かびません。 「スズカさぁん…」 「うん。ちょっと待っててね、もうすぐ終わるはずだから」 そう言うとスズカさんはトレーナーさんの方に目を向けました。 いけないいけない、私ったらすっかりトレーナーさんをラチの外へ追いやってたんです。 「そうか!上手く行ったんだな、ありがとう!」 どなたかと電話なされていたトレーナーさんは、飛び上がるくらい喜びました。
5 21/04/02(金)00:06:07 No.788936261
「えっ、えっ、いきなりどうしたんですか?」 あまりに嬉しそうな様子でしたから、私はトレーナーさんに訳を尋ねます。 「目処が立ったんだ。スペ、それにスズカ。俺は今日から二つの顔で生きていく」 「はい、あなた。本当にありがとうございます」 「えっ…えっ?」 トレーナーさんとスズカさんは事情を承知なのでしょうが、私はなんにも知りません! 「あの、事情をお聞きしても?」 「新しい身分証を作ってもらった。これで俺は二人分…そう、お前たち二人とそれぞれ結ばれることが出来る」 いやいやいやいやそれ間違いなく非合法的手段のそれですよね!? 二つの顔ってそういう…ううっ、ですがそれなら間違いなく私たち三人は家族になれます! 非合法ですけど! 「ホント、南坂には頭が上がらないな…アイツがいなかったらどうにもならなかったよ」 「ええ…」 つまりはこうです。テイオーさんの度重なる故障を経て、トレーナーさんはダンスレッスンをテイオーさんに任せきりではいけないと思い至り、私たちの知らない所で振付師になるべく励んでいたと。それこそがもうひとつの顔ということでして。 …あと反社様々です。
6 21/04/02(金)00:08:08 No.788936834
とりあえずは幸せな生活を送っているわけですが、私はそこに至るまでに色々と恐ろしいものを垣間見てしまいました。 …いつかそれがこちらに牙を剥きませんように!
7 21/04/02(金)00:09:51 No.788937278
やっぱりカノープスはテロ組織だったんだ…
8 21/04/02(金)00:21:59 No.788940826
南坂さんやっぱり…
9 21/04/02(金)00:25:18 No.788941684
ゴールドシップが黙ってない
10 21/04/02(金)00:30:14 No.788943075
ヤバい相手に貸しを作ってしまった
11 21/04/02(金)00:34:27 No.788944357
時々というかいつも心配なんです。 「おかえりなさ…ってどうしたんですかその頭!?」 「ちょっと面倒なヤツを相手…いや、その辺に頭をぶつけたんだよ」 ちょっとどういうことですか南坂さん! いくら夫が丈夫な身体だからって結局痩せっぽちなんですから、荒事の手伝いなんてさせないでください! 「ほら、土産に松阪牛買ってきたからさ」 むむっ!これは…すみません南坂さん、程々でお願いします! 「いやー今日のレッスンも大変だった」 そのキスマークはなんですか?スズカさんはそんなことしませんよね?…うりゃっ! 「悪い悪い…急な出張になっちまって」 うう…そんなのいいですからぁ…早くお風呂に入りましょうよぉ…うえぇぇん…。 そんなこんなでトレーナーさんに何かある度、ウマ娘に関連した問題がひとつ解決していくんです。はて、一体どなたの仕業なんでしょうね…。
12 21/04/02(金)00:43:21 No.788947125
インテリヤクザに東城会四代目会長か…あの医者も狂犬って呼ばれてるんだろうな…
13 21/04/02(金)00:46:09 No.788948005
トレーナーさんはサンデーだからな…
14 21/04/02(金)01:04:37 No.788953112
キスマーク…?
15 21/04/02(金)01:04:55 No.788953178
トレーナーさんってさ ひょっとして新宿の種馬とか言われたりしてない?