ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/03/25(木)23:58:47 No.786828964
「爺ちゃーん、言われた通り買って…ウワッ!?」 扉を開けるなり目に入った光景に、思わず悲鳴を上げた。 なにしろ齢60超の老体が、何も敷いてない床に仰向けで転がっているのである。果たして事故か事件か、病か怪我かと疑わない方が難しい。 歳の割には、というか片っ端から人類を並べても上位に来るほどには筋骨隆々とした出で立ちだし、顔も髭さえなければ10歳は若く見れそうなほどではあるものの、歳は歳。いつ倒れるか分からないのが加齢というもので。 思わず慌てた頭を一旦リセットして、とりあえず呼吸と脈を確認────
1 21/03/25(木)23:59:10 No.786829085
「おっ、いつ帰って来てたんだ!」 「ウワーッ!!」 ────急に目を覚ましてこの態度である。 正味5回はやっているが、全く慣れる事はない。 「爺ちゃん、今度はなんで倒れたんだよお」 「いや、たまたま部屋に来てた事務の姉さんにちょーっとモーションかけたら思ったより強めに平手打ちを」 「もうやめろよ爺ちゃんさあ……」 抜かした腰を立たせて、ゆっくり起き上がる。 目の前の老人の言う事を聞き流しながら、買ってきたものを整理する。 重さ別に揃えた蹄鉄に、替えの靴を二足。お茶を1本────これは爺ちゃんが飲む用だ。 今後勝つには、引っ張る筋肉が重要だとは爺ちゃんの弁。走るよりも、跳んだり、押し引きをするような運動で鍛えるのがよいと言う。 レースプランは勿論のこと、トレーニングプランも非常に綿密で、爺ちゃんの言う事について外れた事は、今のところない。 こんな名将がなぜ俺をただ1人監督しているのか、それはまだ分からないが。
2 21/03/25(木)23:59:32 No.786829225
「おいウオッカ、試しに一番重いの履いてみな」 最重量の蹄鉄は、手で持ってもずっしりと来る。歩くならまだしも、これを履いて走ろうものならすぐに脚が悲鳴を上げるだろう。 そんな蹄鉄をセットした靴に、足を入れる。 「い゙っ、や、いやいや、む────」 足が全く上がらない。爪先を地面に張り付けたような状態。 弱音を飲み込むのが精一杯。表情はさぞ情けないことだろう。 「ハッハッハ!いや、十分十分。お前、それで半歩前出てんだから十分だよ」 ふと足元を見ると、右足が半歩前にあった。履いた時にズレただけのような気もするが、しかしそれを進歩だと語る。 「昔の俺よか偉いぜウオッカ、俺は2ミリも動けなかった!さあ履き替えな。明日からちょっとずつ重くするからな」 軽妙に笑う顔は、俺の進歩を心底喜んでいる。 昔の爺ちゃんが何者なのか気になったが、そんな事はすぐに忘れ去っていた。
3 21/03/26(金)00:42:14 No.786841803
亀仙人みたいなことするじっちゃんだ
4 21/03/26(金)00:56:08 No.786845275
ウマ娘が音を上げる靴履いて動こうとするのがもうおかしい
5 21/03/26(金)01:04:27 No.786847203
この全然伸びない怪文書の乱発はFGOでよく見た流れだな
6 21/03/26(金)01:06:45 No.786847731
私の性癖には合っていますよ
7 21/03/26(金)01:08:06 No.786848098
怪文書イナゴが大量発生してるな
8 21/03/26(金)01:08:21 No.786848148
伸ばしたくて怪文書が書かれるんじゃないんだ 書きたくなったから書くのが怪文書だ
9 21/03/26(金)01:09:35 No.786848432
という建前です