虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。新しいログはこちらにあります

21/03/17(水)06:16:04 これは... のスレッド詳細

削除依頼やバグ報告は メールフォーム にお願いします。個人情報、名誉毀損、侵害等については積極的に削除しますので、 メールフォーム より該当URLをご連絡いただけると助かります。

21/03/17(水)06:16:04 No.784148188

これはゆかりさん(19歳↑)がきりたん(11歳)となにかする怪文書となっています 前回のあらすじ 星を見上げました。

1 21/03/17(水)06:17:02 No.784148233

遠くで雲雀のような声が聞こえた気がしました。 恐らく別の鳥でしょう、そんな事を思いつつも私は小さく目を開きます。 窓とカーテンの隙間から小さく注ぐ白い糸を暫く眺めた後、横に眠る少女に目線を這わせました。 その可愛らしい少女は私の隣で、すぅ……すぅ……と小さく息を吸ったり、吐いたりしながら睡眠を満喫しています。 普段は少々勝ち気な表情をする彼女ですが、今ではただただ惰眠を貪りながら天井を見上げています。 私はそんな彼女を起こさないように、彼女の無垢な表情をじっと眺めました。 「……どんな夢を、見ているのでしょう」 ぼんやりとそんな事を呟くと、目の前の少女が少しだけ眉を顰めました。 ああ、ごめんなさい……そんな事を心の中で思いながら、彼女の顔をまた眺めます。 今日、彼女は私に彼女の家族を紹介してくれる、と言うのです。

2 21/03/17(水)06:17:14 No.784148246

家族、と言葉を口の中で繰り返しながら私は少しだけ目を細めました。 私にとっての家族とは、扶養家族のことです。 ですがどうにも彼女の中の家族と、私の家族とは時折大きく違っている事をひしひしと感じさせられます。 だからでしょうか、私の中で時折彼女に対して少し仄暗い感覚を覚えるようになったのは。 少しだけ胸が苦しくなるような、それでいて彼女の事が少し疎ましく感じるような感覚。 これは何というのでしょう。 嫌い、と言えたのならばそれはとても素直で、いっそ清々しい気持ちすら覚えるのですがどうにも違うよう。 彼女に対して感じているのはそれだけでは無いからでしょうか? ……分かりません。 ですが、時折不意に思うのです。

3 21/03/17(水)06:17:24 No.784148251

いっそ、私の手で折り占めてしまえば良いのではないか、と。 あまり、良くはない考えです。 ……ですが、どうしてそんな事を思ってしまうのだろう、そんな事ばかり考えてしまいます。 もし、この少女を抱き潰して二度と家になぞ返すものか、そう言って仕舞ったら彼女はどんな顔をするのでしょう。 時折、背筋をツンと突くような衝動を覚えたのはこれが初めてではありません。 ……ああ、いっそこの子が家に着いたなら、さっさと帰ってしまうのも良いのかも。 この様な不健全な考えに至ったのも、いつかは気の迷いだったと思えるのでしょうから。 私がそんな事をとうとうと考えていると、目の前の少女がむにゃむにゃと眠そうに瞼を擦りながらゆっくりと起き上がりました。 「……ああ、もう起きていらっしゃったのですね、ゆかり」 そう言って彼女は、こちらを少しだけ寝ぼけ眼でこちらを一瞥してカーテンを開きます。

4 21/03/17(水)06:17:34 No.784148255

「起きていたのであれば、教えてくれればよかったのに」 そう言いながら彼女は肩を回しました。 「ああごめんなさい、少しウトウトとしていたものですから」 そう言いながら私が苦笑いを零すと、彼女はにぃっと何時もの勝ち気な笑顔をこちらに見せつけます。 「まあ、そういう日も或るでしょう」 そんな事を言いながら彼女は私を飛び越えて寝室に立つと、私の手を引きます。 「さあ、折角の朝です、起きて朝の準備でもしましょう」 そういって私の手を引く彼女の掌は小さく、私が今ここで引いてしまえば折れてしまいそうでした。 ですが、私はそんな考えをおくびにも出さず、ベッドから這い出て一階へと降りていきます。 ゆっくりと階段を下りながら、彼女がこちらを向いて笑いかけてきます。

5 21/03/17(水)06:17:47 No.784148265

「さあさあ、朝は早いのですから、こちらも駆けていきましょう」 そんな事を言う彼女は、何時ものようにニコニコと笑っています。 「ええと、朝ごはんを食べたらきりたんさんの家に出発、ですかね」 私は気分を変えるために、そう言って彼女に話しかけると彼女はコクリと頷きました。 「ええその通りです、お土産も準備しましたし用意は万全でしょう」 「そうですね……」 私達はそんな事を言い合いながら、一階の洗面台で並んで顔と歯を洗いました。 隣でニコニコと笑う少女に、私は思わずにこりと笑いかけると彼女もまたにこりと笑顔を返します。 それからは朝ごはん用に買った食パン、それにハムをきりたんさんが焼きながら私はリビングの椅子に腰掛けました。 少しだけ憂鬱な気持ちになりながら、彼女の手料理を椅子の上で待っていると彼女が大きな皿にパンとハム、それにジャムを載せて運んできます。

6 21/03/17(水)06:17:59 No.784148272

私がその姿をぼぅっと見ていると、彼女がこちらを見て怪訝な顔をします。 「どうかしました?」 ……どんな顔をしていたのだろう、そんな考えが過りますが私は何時ものように作り笑いを零しました。 「いえ、なんでも」 私の言葉に少し眉を顰めた彼女ですが、小さく頷きながら私の前に料理を並べます。 「まあ、そういう時もありますよね」 そんな事を言いながら、彼女は頂きますと言って食パンに齧りつきました。 彼女の小さな口がパンを齧るのを見ながら、私も少し息を吐きながら頂きます、と言って朝食を手に取ります。 「……少し疲れてしまいましたかね」 そんな事をポツリという彼女に、私は小さく首を振ります。

7 21/03/17(水)06:18:11 No.784148284

「いえ、少し考え事をしていただけですから」 私の言葉を聴きながら、彼女はこちらをしばしじぃっと眺めます。 「……無理はしないで良いんですからね」 「無理なんて」 私がそう言うと、彼女は小さくため息を漏らします。 「まあ、そこまで言うなら良いのですけど……ジャム、付けたほうが良いですよ」 そう言ってそのままの食パンを齧っていた私に、彼女が小さく指を差します。 「あら……ごめんなさい、ちょっとうっかりしてたみたいです」 それから私達は朝ごはんを食べ終えて、片付いた皿を洗うと寝間着をさっさと着替えてしまいます。 「帰ってきたら、洗濯もしなければいけませんね」

8 21/03/17(水)06:20:25 No.784148388

洗濯籠の中で積み上がった衣類を見て、少女がポツリと言葉を漏らします。 「ええ、そうですね」 私はそう言いながら彼女の言葉に頷き返します。 それから私は彼女に買ってもらった衣服を、きりたんさんはバッグから衣服を取り出して着替えました。 「……この服も、帰ってきたら一度洗ってしまいましょう」 そう言いながら、少女が私の衣服を指で摘みます。 「そう……ですかね?」 苦笑いをしながらそう言うと、彼女はこちらを見上げながらにぃっと笑います。 「流石にまだ汗ばむ時期ではないとはいえ、そろそろ洗ったほうが良いですよ」 そういいながら彼女は衣服を整えながら、私の方へ手を差し出しました。

9 21/03/17(水)06:20:37 No.784148393

「さあ、そろそろ行こうじゃないですか」 「ええ、分かりました」 そう言って彼女は私の手を引きます。 ……少しだけ、私は後ろめたい気持ちを引きずりながら、家を出ます。 家の外は朝から昼へと変わる陽光が降り注ぎ、暖かな日差しが少しだけ目に痛い気がしました。 私が思わず手を翳して立ち止まっていると、きりたんさんが私の手を引きます。 「さあ、少し遠いですが行きましょうか」 「……ええ」 そうして、私達は家の外へ出てきりたんさんの家へ向かうのでした。 ────

10 21/03/17(水)06:21:04 No.784148412

道中では家族がどんな人なのかを、きりたんさんが私に説明してくれました。 長女の東北イタコさん。 次女の東北ずん子さん。 そして末女が自分だと彼女は教えてくれました。 彼女の家は私の家から30分程歩いた所に有って、ここ数年前に引っ越してきたそうです。 東北の名家では有ったものの、近年の都市圏での活動のため引っ越してきたのが目的だとか。 「とは言いいましても、私も詳細はわからないのですが」 そう言いながら、きりたんさんは少しだけ申し訳無さそうに目を伏せます。 「いえ、構いませんよ」 そんな話をしていると、道の先に少し大きな屋敷が見えてきました。

11 21/03/17(水)06:23:27 No.784148512

きょうはここまで su4691748.txt お前もまたロリコンだったか PS:書いてる「」の仕事と、話の粗をあまり出したくない関係で明日以降、二日に一回ペースの投稿になるかもしれません。 申し訳ない。

12 21/03/17(水)06:32:31 No.784148893

ゆっくり書いて

13 21/03/17(水)06:36:50 No.784149055

ゆっくり ゆっくりでいいからまず自分大事にして

14 <a href="mailto:s">21/03/17(水)07:03:07</a> [s] No.784150433

ありがたい……

15 21/03/17(水)07:26:10 No.784151911

無理はしなくていいのは「」も同じだからね

16 21/03/17(水)07:27:41 No.784152030

このゆかりさん欲を知ったな…?

↑Top