虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/03/16(火)06:14:47 No.783862106

    これはゆかりさん(19歳↑)がきりたん(11歳)となにかする怪文書となっています 前回のあらすじ 星を見上げました。

    1 21/03/16(火)06:16:17 No.783862184

    それから私達は暫く星を見上げていました。 夜に瞬く小さな星は、都会の光に飲まれそうに成りながらも、何とかその光を私達に届けています。 ……黒い空、輝く星。 きらきらと小さな光を届ける星に意思は無いかも知れませんが、そうだと人々は分かっていて祈りを捧げます。 私は隣で星を見上げる少女を一瞥した後、手元のお茶を一口飲み込みました。 手が届かないと思っていても、それでいても願いたいことを人々は祈るそうです。 隣の彼女は私の症状を断定的であったとしても、抑鬱的だと言いのけました。 最初はそうなのか、とそのままの言葉を受け入れていました。 怒りも、悲しみも抱きません。 たとえ言葉が通じたとして、赤の他人に何かを言われたとて気にはなりませんから。

    2 21/03/16(火)06:16:34 No.783862194

    でも、ふと思うのです。 彼女と生活を始めてから、作り笑いではなく少しだけ笑うようになりました。 少しだけ、ほんの少しだけですが私は変わりつつあるように思えます。 ……それが良いことなのか、無意味なのかはまだ考えあぐねている最中です。 「ねえ、きりたんさん」 そう言って隣の少女に対して口を開きました。 「どうしてきりたんさんは、私のうつを治そうなんて言ったのかしら」 少しだけ、今まで気にはなっていたものの、聞けずに居たことを問いかけました。 そうすると、隣の少女は少しだけこちらを見た後、小さく唸り声を上げます。 「どうしてだと、思いますか?」

    3 21/03/16(火)06:17:11 No.783862219

    私はそう言ってこちらを見つめる少女に、苦笑いしました。 「うーん……私が、必死そうだったから?」 私がそう言うと、彼女は苦々しい顔をしました。 「……貴女が綺麗だったからですよ」 そう言ってこちらを見る少女は、苦笑いをしつつ照れくさそうにしています。 ですが、思っても居なかった言葉に私は少し困惑しました。 「……綺麗だった、から?」 私がそう言うと、彼女は頷きます。 「何時もベランダや、庭から外を眺めていたでしょう」 そう言いながらきりたんさんは私の顔から目を離して、お茶を一口飲みます。

    4 21/03/16(火)06:17:45 No.783862244

    確かに、私はよく暇な時分は外をぼんやりと眺めていました。 ですが、それに何か意味があった訳ではありません。 「もしかしたらゆかりには特に意味があったわけではないのかも知れません」 そう言いながら私は彼女の言葉に静かに頷きます。 「最初見た時は綺麗な人がただ何をするでもなく立っているだけで、人ではなくお人形さんかなと思ったものです」 そんな事を言いつつ、彼女はこちらをじぃっと見ました。 「ですがその表情は倦んでいて、何時も詰まらなそうでした」 そう言いつつ彼女は、またお茶を一口啜ります。 「何を考えているんだろう、どんな生活をしているんだろう、興味はあれどこちらから話しかけるのは憚られました」 「それからのある日のことです、そのお人形さんはこちらに駆けてきて話しかけたではありませんか」

    5 21/03/16(火)06:18:13 No.783862270

    そう言いつつ、彼女は少しくすくすと笑います。 「どうにも、そのお人形さんは何を急いでいるのか、なんて事を聞いてくるので、ああこの人はうつなのだなと思ったものです」 そう言ってこちらを見る少女に、私はまた苦笑いをしました。 「……そんな事もありましたね」 なんて私が言うと、彼女はまたくすくすと笑います。 「数日前の出来事ですが、そんな所です」 そう言いながらきりたんは、コップを傾けて中身を飲み干しました。 「そろそろ夜も遅くなるでしょう、切り上げて部屋に戻りませんか?」 そう言って彼女は私に手を差し伸ばします。 私も彼女に続いて、手の中のお茶を飲み干してから彼女の手を掴みます。

    6 21/03/16(火)06:19:31 No.783862333

    「それじゃあ、お風呂に入りましょうか」 私がそう言うと、彼女が苦笑いを零しました。 「えぇ、ですが今日はバラバラで……」 そう言って振り返る彼女に、私はにこりと笑顔を零します。 「折角ですから、ね?」 そう言って彼女の手を両手で握りしめると、きりたんさんはこちらから目を背けながら引き攣ったような顔を返します。 「で、ですが……ほら、ゆかりは嫁入り前ですし……」 私はそう言って一緒のお風呂を避けようとする彼女に顔を近づけます。 「……ね?」 そんな事を言うと、彼女は引き攣った笑みのまま私の言葉に頷くのでした。

    7 21/03/16(火)06:19:44 No.783862340

    ──── それから私達は衣服を洗濯籠に入れてから、お風呂へと入ります。 頭を洗って、体を洗って……それから急いで風呂場を出ようとするきりたんさんの手を引いて一緒の浴槽へ。 「どうして逃げるんですか?」 私がそう言って彼女に問いかけると、少女は私から目を背けました。 「い、いえ……へへ」 そう言いながら苦笑いをする彼女に、私は首を傾げます。 「……やっぱり、一緒の浴槽は嫌でしたか?」 私がそう言って彼女に問いかけると、きりたんさんはこちらに目線を合わせてから首を横に振ります。

    8 21/03/16(火)06:20:21 No.783862360

    「そ、そんなことは、ありませんよ」 ですが、その言葉には何処か言い淀みを感じます。 私は彼女に少し近づいて、彼女の顔を見ました。 「……本当ですか?」 そう言いながら少女の目を見ますが、その目は私から逸らされてしましました。 「本当です……」 そういう彼女に私はついつい、近づいていきます。 「……きょ、今日はどうしたんですか?」 そう言いながら少したじろぐ彼女の鎖骨に、私は額を押し当てます。 ぴくん、と少しだけ跳ねた後私の額を載せたまま、彼女は少し黙り込みます。

    9 21/03/16(火)06:20:39 No.783862373

    「……少しだけ、ね」 私がそう言うと、彼女は困惑したような声を上げました。 「少しだけ……ですか?」 そう言ってこちらを少し心配そうに尋ねる彼女に、私は手を伸ばしてきゅうっと抱きつきます。 「……わかんない」 そう言って、私は彼女の体に巻いた手をきゅっと締め付けました。 「……話なら聴きますから」 そう言って少し間を開けた後、少女の唾を飲み込む音が聞こえます。 「……満足したら、教えて下さいね」 「……うん」

    10 21/03/16(火)06:20:53 No.783862386

    それから暫く、彼女に寄りかかって目を瞑りました。 暖かく、小さな体。 つい、手を伸ばして、抱きついたのは何ででしょう。 そんな事を思いながら、ただただ彼女の肩に頭を預けます。 トクン……トクン……と、額越しに伝わる彼女の鼓動を感じながら、私は少し息を吐き出します。 それから私は彼女から身を離して、また浴槽に腰を落ち着けると、耳朶まで真っ赤にした少女がそこにいました。 「……肩、大丈夫ですか?」 私がそう言うと、彼女は苦笑いをしながら肩を回します。 「大丈夫ですよ、まだ若いんですから」 そんな事を言うと、彼女は少し目を瞑って浴槽に肩を沈めました。

    11 21/03/16(火)06:23:22 No.783862479

    きょうはここまで su4688740.txt 最後まで健全に走れるか、毎回濡れ場の度に心配になる今日このごろ

    12 21/03/16(火)07:39:02 No.783867147

    いけるいける!健全でいけるって!

    13 21/03/16(火)09:09:33 No.783876707

    レズレイプにはならないだろうから安心できる