21/03/06(土)06:01:40 この怪... のスレッド詳細
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21/03/06(土)06:01:40 No.780761234
この怪文書はゆかりさん(19歳↑)がきりたん(11歳)となにかする怪文書となっています 前回のあらすじ ショッピングへ行こう
1 21/03/06(土)06:02:59 No.780761281
硬いタイルの上を歩きながら、きりたんさんと私は並んで店の間を縫うように歩きます。 白、黒、黄色、桜色、青空色。 目に映る様々な商品には説明は無く、それでも人々が感性に任せて商品と自分を見比べています。 店内は少々手狭で、じっくりと商品を見る隙間は無さそうですが、それでも色々な商品が並べられた店内の密度は中々のもの。 手に取る人々もまた店舗の並びに負けぬほど様々。 ある人の謳ったサラダボウルという表現をふと思い出し、その風景を眺めます。 手に取る人々の見立て方も様々で、眺めているとその人の個性を色濃く映しているよう。 暫く商品を眺めて観察している人、体に衣服を這わせて形を確認する人、実際に試着室へ向かう人。 「ゆかり、どうですか?」 そう言ってこちらを見上げるきりたんさんに、私は笑いかけます。
2 21/03/06(土)06:03:59 No.780761324
「色々な人が居るんですね」 私がそう言いながら微笑むと、彼女は少し困ったような顔をしました。 「洋服の話を聞いたのですが……洋服ではないほうが良かったですかね」 そう言ってこちらを見る彼女に、私は申し訳無さそうに苦笑いを零します。 「ごめんなさい……やっぱり、余り興味を惹かれませんね」 「どちらかと言うと、それを着る人がどんな事を見ているのか、どんな事をしているのかが気になってしまって」 私がそう言って店を一瞥した後、少女に目線を戻すと彼女はふむ……と言いながらこちらを見上げます。 「まあ、それもまたゆかりらしさ、なのかもしれませんね」 そんな事を言いながら、彼女はまた私の手を引いて上の階へと向かいます。 途中のエスカレーターを乗り継いで、洋服から化粧品、日用品、家具の合間を一通り練り歩きます。
3 21/03/06(土)06:04:51 No.780761366
どれもこれも色々な商品があって、目移りはすれども、すぐに目線は人々に向かいます。 何を見ているのか、何を探しているのか、何を考えているのか。 そうしている内に一通りお店を見終えて、私達は最上階のレストランフロアで休憩用のベンチに腰掛けました。 「どうでしたか」 そういったきりたんさんは、少しはにかみながら私を見ます。 「ええ、楽しめました」 私がそう言うと、きりたんさんは何とも言えない顔をしながらレストランフロアを見つつ、一息吐き出しました。 「それならばよかったです」 それから暫くの間、私がぼぅっとレストランフロアを眺めていると、少女が口を開きます。 「でも、欲しいものは見つからなかったのですね」
4 21/03/06(土)06:05:21 No.780761390
そういう少女は少しだけ残念そうな表情で、私と同じ視線の先を眺めているようです。 「そうですね」 そう言って少し苦笑いをしました。 そして一瞬の間が空いた後、私はまた口を動かします。 「でも、色々なものが見れました」 私がそう言うと、隣の少女はそうですか、と相づちを打ちました。 「本当に、世の中にはこんなに物で溢れていて、それでいて人々も欲しい物に溢れているのですね」 「……まるで他人の欲が深いようじゃないですか」 そう言って小さく笑う少女に、私は言葉を続けます。 「でも、欲しい物があるというのは素晴らしいことですよ」
5 21/03/06(土)06:06:17 No.780761432
「そうですか?」 そう言って改めてこちらを見つめるきりたんさんに、私は微笑みを返します。 「ええ、だってそれだけやりたいことが有るって事じゃないですか」 私がそう言うと、隣の少女はため息を付きます。 「まあ、そうとも言えますね」 そう言いながら、彼女はこちらを見つめます。 「ゆかりはやりたいことは見つかりそうですか」 私はそれだけには頭を振って、目を少し瞑ります。 「どうしても他人がしたいことばかり気になってしまって、自分がしたいことは見つけられていないようです」 「そうですか」
6 21/03/06(土)06:07:16 No.780761470
そう言ってきりたんさんがベンチから立ち上がって、私の体を手を引いて起こしました。 「次来る時は、見つかるといいですね」 そう言いながら、私はきりたんさんに連れられるまま帰り道を歩きます。 帰り道にちらりと見えるどんな家具も、衣服も、調度品も、今の私には不要なのでしょう。 綺麗だなとか、いいデザインですね、とは思っても買いたいとは思えません。 お店を出て、少女と並んで道を歩きます。 お昼ごろに入った筈ですが、既に時刻は16時を過ぎていました。 そろそろお店から出てくる人は増え、入る人も段々と減ってくる時刻でしょう。 「この後はどうしましょうか」 そんな事を言うきりたんさんに、私は少し頭を悩ませます。
7 21/03/06(土)06:08:29 No.780761528
私は時間を浪費することは得意ですが、彼女はそうではないようです。 そうであれば、何かをしなければいけません。 「……どうしましょうか」 そう言って私はきりたんさんに問い返します。 「……では、帰ったら夕飯の準備をしましょうか」 そんな事を言う彼女に、私は小さく頷きます。 「それにしても……まだ17時前ですが、時間つぶしなど出来るでしょうか」 「……? 準備などを入れたら結構時間を取られると思いますが……」 「そうなんでしょうか」 私がそういうと、きりたんさんは何となく眉を顰めました。
8 21/03/06(土)06:09:12 No.780761549
「……何だか嫌な予感がするのですが」 そういう彼女に、私は首を傾けて疑問符を投げつけるのでした。 ──── 家に帰った後、私は久しぶりの散歩に少し疲労感を感じつつ、玄関をきりたんさんと通り抜けます。 それから真っ先にきりたんが冷蔵庫を開けると、野菜ジュースと、サラダパック、それにハムパック等が敷き詰められた中身が晒されます。 「……ええっと」 そう言いながら、少女が困惑をしたような顔をこちらに向けます。 「……?」
9 21/03/06(土)06:10:06 No.780761580
私は不思議そうな顔をしつつ、サラダパックを皿に載せた後、ハムを散らして冷凍庫に入っているロールパンを取り出します。 「……これが夕食……ですか」 そう言いながら私を見て何とも言えない顔をする彼女を、私は不思議そうに眺めます。 「美味しいですよ?」 私がそう言いながら、食卓に夕食を並べていきます。 きりたんさんは少々大食いですから、パンももう一個付け足して、サラダパックを二袋開けて皿に盛り付けます。 暫し呆然とその光景を見ながら、きりたんさんがフラフラと食卓の前に立ちます。 「……え……ゆかり……?」 まるで彼女は悪い冗談でも言われているかのように、私の顔を見ながら呆然としていました。 何か間違えてしまったのでしょうか……私はそんな事を思いつつ首を傾げます。
10 21/03/06(土)06:12:51 No.780761692
「あ、あの……何か問題でもありましたか?」 私がそう言うと、きりたんさんは暫く頭を抑えて食卓に俯きます。 食卓に立ち並んだロールパンと、サラダに、野菜ジュース。 ……うん、何時もの優勝です。 私がそんな事を思いながら、椅子に座り込むと目の前の少女が顔を上げます。 「ゆ、ゆかりは何時からこんな食生活を……?」 彼女がそう言ってこちらを憐憫に満ちた表情で見てきます。 「えっ、いえ、5年ほど前から……でしょうか」 思い返せば家を出たのも5年前、今の食生活に落ち着いたのもこの頃でしょうか。 そういえば食材を届けてもらうために契約した御用聞きの方も、同じ様な表情をしていたような気がします。
11 21/03/06(土)06:17:17 No.780761901
今日はここまで 本日分:su4657918.txt 今まで:su4657919.txt 欠食令嬢を健康的な生活に出来るのか 今きりたんの挑戦が始まる
12 21/03/06(土)06:23:16 No.780762187
いけーきりたん!世間知らずの文字通り深窓お嬢様に生きる楽しさをねじ込んでやれ!!!!!!そこだ!チューしろ!
13 21/03/06(土)07:45:13 No.780767126
きりたんさんのゆかりさんに対するぶっちゃけた感想をいつか聞きたいものだ
14 21/03/06(土)07:47:25 No.780767358
今日はロールパンとサラダに野菜ジュースで優勝していくわね…いや出来ないよ一回戦敗退だよゆかりさん
15 <a href="mailto:s">21/03/06(土)07:56:58</a> [s] No.780768400
初期構想だとクソレズお嬢様ゆかりさんがクソガキきりたんに取り入って ずんこから家庭教師として雇ってもらった辺りで、コッショリ仕込んでいって 最後に快楽に屈したきりたんを中心に東北家を侍らせながら きりたんにずんことイタコさんをレズレイプ調教させる スタンダードな脳破壊系のレズレイプストーリーだった筈なのにどうしてこうなったんでしょうね……
16 21/03/06(土)08:01:51 No.780768898
ゆかりさんときりたん以外のすべてが違う…
17 21/03/06(土)08:03:07 No.780769034
最初から違う…
18 21/03/06(土)08:06:01 No.780769300
初期構想から何をどうこねくり回したら欠食令嬢ゆかりさんが誕生するんだ…
19 21/03/06(土)08:52:01 No.780774432
一作目が振り切ってたから今作の綺麗さが愛おしい 一作目はほんと…
20 21/03/06(土)09:05:11 No.780776218
書き込みをした人によって削除されました
21 21/03/06(土)09:06:57 No.780776494
一作目でも最後セーブかかってたしあのセーブを書く前からかけるとこうなるんだろう むしろ一作目はセーブかけずにあそこまで突き進んだのを賞賛したい 中々出来る事じゃない