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21/02/25(木)22:57:55 むにゅ... のスレッド詳細

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21/02/25(木)22:57:55 No.778308362

むにゅり。 興宮を歩いていた俺の腕を、突然、何かが絡みついた。 布越しでもわかる程に柔らかく、それでいて温かい、心地良い感触。 「はろろ~ん!圭ちゃん、な~にやってんです~?」 それは、豊満な女性のみが持つ、部分的に展開できる固有結界。 「ま、なんでもいいですか!時間あります?よかったら、ちょっとお茶してきません?」 それは、数多の男たちが求めてやまない、桃源郷。 「ちょうどエンジェルモートで、試作段階の新メニューがあるんです!」 だが、それは。劇薬にもなり得る禁断の果実。 特に、若くて熱意のある男子諸君には、とても危険な代物だ。 「圭ちゃんの意見が欲しいな~って!どうです?」 ……故に……故にだ。 「……あれ?圭ちゃん?」 俺が前屈みになるのは仕方がない事なのではないのだろうか。

1 21/02/25(木)22:58:10 No.778308427

いや、だって、無理だろ? 俺だって、覚悟してたら自分の息子を騙しきる自信はある。 でもよぉ、こんな唐突にさぁ……ほんとさぁ……テロだろこれぇ……。 「圭ちゃん?大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫、大丈夫だから……」 大丈夫じゃねぇよ。お前の暴力的な……というか最早ただの暴力でもう限界だよ。 絶対にバレるわけにはいかない。もしもバレてしまったなら、詩音にどれだけ煽られるか……! とにかく、今は逃げるが勝ちだ!ゆっくり、ゆっくり、バレないように歩を進め……。 「いやいやいや!大丈夫に見えませんって!ずっと俯いてますし!」 お前っ、お前なぁ!誰のせいだと思ってんだ! というかこの女!心配そうに顔を覗き込みながらも、俺の腕から離れようとしやがらねぇ! そのせいで腕から詩音の温かさが……ダイレクトに……。 ……。 あっ。悪化した。

2 21/02/25(木)22:58:24 No.778308507

うおおおおおお!?意識しちまったせいで、更に悪化しやがったぁあああ!? さっきまでなんとか45度ほどで抑えていたのが、今や直角90度レベルにぃいい!? む、無理だ……もう、一歩も動けねぇ……。 なんだよチクショウ。俺が何したってんだ?何も悪い事してないだろ? そもそもこんな突然のテロ行為で、男の尊厳を凌辱されるなんて事が許されていいのか?いや、よくない。 ああそうだ!ここは一回、ガツンと詩音に言ってやるんだ! 「圭ちゃん、本当に大丈夫?具合が悪いなら、どこかで休んで……」 話しながら、俺の腕に更にしがみつく詩音。困ったもんだな、ほんと。105度ってとこかな。 冷静に考えていると、詩音が俺の腕を引くように、何処かへ歩き出そうとする。 ……いや、まずい、うごけないんだって。 「うおああああああ!?休むからそれ以上力入れるなあああああ!!」 「え!?あっ、はい……」 ……言って、やったぞ……!刺し違えながらも、ガツンと……! 俺が発した突然の大声。それにより、ようやく……ようやく、びっくりして離れる詩音。 ……勝った。

3 21/02/25(木)22:59:04 No.778308714

この戦いには、多くの犠牲と事件があった。 数え切れぬ葛藤(言い出さなければずっとこのままなんじゃないか?)とか。 越えられぬ一線(もうバレてもいいから楽しめばいいんじゃないか?)とか! しかし、辿り着いた勝利と安寧!これに勝る物など無いのだ!! 「……」 俺から離れ、静かにしている詩音。危険が去ったという安心から、ホッと一息。 ……そういえば、詩音は俺を心配してくれていたんだった。 なら、これ以上何かを疑われる前に、なんでもないと伝えなければ。 平静を装い、笑顔を浮かべて詩音に声をかける。 「あぁ、なんでもない!大丈夫……だ……」 詩音は、俺の方を見つめていた。 それは、下の方で。 足というには上。腹というには下。 というと、つまり。 ……俺の股間じゃね?

4 21/02/25(木)22:59:18 No.778308789

「け、圭ちゃん……」 みるみるうちに、詩音の顔が赤くなっていく。俺の顔は多分青くなってる。 終わりだ。 きっとこの後、もう生きていけないほどに弄り倒されるんだ。 『人が優しいのを良い事に発情ですか?圭ちゃんって、本当に救いようの無いド変態ですね。キモッ。死ねよ』 うわっ、想像しただけで心が欠けた気がする。というか死にたくなった。 どうしてこうなった。そんな後悔はもう遅い。いつだって取返しなんて、つかないんだ。 ああ……頭が真っ白になっていく……。 「……」 突然動き出した詩音に、俺は動けない。殺されるかな、これは。 ……むにゅり。 動けずにいる俺の腕に、柔らかく、それでいて温かい、心地良い感触。 それは、もう離れたはずの感触。驚いて、思わず詩音を見た。 ……真っ赤な顔をして、俺の腕を抱きしめる詩音と目が合う。 「……圭ちゃんの、えっち」

5 21/02/25(木)22:59:29 No.778308859

えー、顛末としましては、此度の戦い、俺の完全敗北です。 ですが、えー……まぁ……その。 詩音さんは、とっても寛容で、サービスの良い、素晴らしい女性だと思います。 それは間違いありません。えぇ。 結局、抱きしめられたまま、エンジェルモートでご馳走になっちゃいました。 ほんと最高です。ありがとうございました。 これからも末永く、優しく美しく清らかな詩音さんとの付き合いを続けていきたいと思います。 ……いやぁ……よかった……。

6 21/02/25(木)23:00:43 No.778309273

敗北したからあとは人生の墓場までまっしぐらですね

7 21/02/25(木)23:01:10 No.778309442

清らか…?

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