ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
21/02/12(金)06:01:22 No.773942574
この怪文書は社会に疲れたきりたんと、結月ゆかりをてきとーに書いた怪文書です 役に立たないあらすじ 動物園に行ったり、本を買ったり、仏具を買ったりしました。
1 21/02/12(金)06:02:45 No.773942628
何時ものように目が覚めて、ピンク色の衣服が目に入り暫し口を一文字に引き絞る。 頭が徐々に動いてくるのを感じながら、ぼんやりと布団から顔を出すと空が徐々に白ずんでいく最中だった。 私の腕に巻き付いた手が、するすると布団に溢れていくのを感じながら、ベッドに視線を戻すとまだゆかりさんは布団で眠っている最中のようだ。 結局、あの後生まれてはじめての動物園に興奮したゆかりさんは、私のパソコンを使って暫く動物の動画を熱心に眺めていたと思う。 然しよくもまぁ、あんな一瞬で見た動物を覚えているものだ、と関心しつつ私は途中で眠くなってしまい先にゆかりさんより先に眠ってしまった。 それから気がつけば朝になっていて、ゆかりさんは何時ものように私を抱きしめて眠ったという顛末だろう。 ……パソコンのチャイルドフィルター機能など使うことはないと思っていたが、スマホからアカウントを制限できるようにしていて正解だった。 兎に角、私はそのままゆっくり布団から起き上がると、久しぶりに一人で居間に立ち歯と顔を洗い流す。
2 21/02/12(金)06:04:12 No.773942697
一人で顔を洗ったり、歯を磨くのも一週間振りだな、なんて思いつつ顔を洗い終えると台所に行って電気ポットの電源を付けた。 ああ、何時もの日曜日というには起きる時間がだいぶ早いが、どうしたものか、なんて少し手持ち無沙汰気味にリビングの椅子に腰掛ける。 今日はゆかりさんのお母様のお墓参りに行って、その後適当に買い物をする予定だ。 生活は明るくなった、心労は少し溜まったが寂しい感覚は消え失せた。 私は少し神妙な顔をしつつ、沸いたお湯をティーポットに注いで用器を温めてから、茶葉とお湯を注ぎ込んだ。 紅茶の浅い赤色が水に染み出して、徐々に色が濃くなっていくのを見ながら、深く息を吸ってから、吐き出した。 勢い任せというのは些か厄介なもので、時に至らぬ考えが故にあらぬ結果を導き出すこともある。
3 21/02/12(金)06:05:05 No.773942732
紅茶をタンブラーに半分より少し多い位注ぎ、砂糖を溶かした後、牛乳を注ぎながらタンブラーを揺すって、ソファーに腰掛けつつ外を眺める。 ……他人にこの何とも言えない苦悩が分かるものだろうか、そんな事を思いながらミルクティーを啜る。 添い遂げる相手を見つけられたのは幸せなことだ、例え子供を成さなくても幸せであることが肝要だ。 だが、相手が一回り近く年齢の低い相手だった場合、これは暫し苦慮が必要となる。 それともいっそ、本当にただの親御さんのように過ごして、ゆかりさんをいつか送り出す覚悟を決めるべきだろうか。 ため息を吐き出しながら、天井を仰ぐ。 詰まるところ、美少女に伴侶になって欲しいと願ったものの、その相手は14歳の貧困児童。 私は時折罪悪感を抱いているわけだけど、とはいいつつもまた野に放つわけにも行かず、かといって今更他人に嫁に出すには俄に執着心を抱きつつある。
4 21/02/12(金)06:05:31 No.773942753
八方塞がりである、結局の所役所に相談した所で養子縁組とかそういうのを組まされるだけだし、ゆかりさんがそういうのを望むのかは何とも言えない。 ……むしろ嫌がるだろうな、最近の日記を見る限り。 いや、正直に言ってしまえばかなり嬉しい、見た目好ましい相手に愛着を抱かれて、夫妻に成りたいと言ってもらっているのだから、それは素直に嬉しいのだ。 だが、手を出せばロリコンの烙印は避けきれないし、第一亡くなっている天国の親御さんに申し訳ない。 だとすれば最善手は須らく、相手が思慮分別のつく年齢になるまで育て上げ、その後判断をするのが一番良い。 ゆかりさんが私よりもより良い相手を見つけられたならば、多少は諦めもつくだろうし…… 私がそんな事を思いながら紅茶を飲んでいると、隣の部屋から布団の布が擦れる音が響く。 「起きたかな」
5 21/02/12(金)06:06:08 No.773942776
なんて事を思ってると、タッタッタと軽快な足音が響き部屋のドアを引いてゆかりさんが現れた。 「おはよう」 私が紅茶のタンブラーを近くの机に置いてゆかりさんの方を見ると、ゆかりさんが少し安堵したような表情をしてこちらに近寄ってくる。 「おはよう、きりたん」 そう言って、ゆかりさんは私にソファ越しに抱きつき、軽くキスをして洗面所へと走り去っていく。 遠くから洗面所に流れる水の音を聞きながら、暫しタンブラーを傾け中身を飲み干す。 胃に流れていく暖かな液体に舌鼓を打っていると、背後の台所から響く冷蔵庫を開く音。 平和だなぁ、なんて現実逃避。 どうやらゆかりさんは毎朝のキスをやめる気は無いようで、今からあの世で親御さんに殴られる覚悟はしなければいけないようです。
6 21/02/12(金)06:07:05 No.773942808
それから少しして、ゆかりさんがパンの焼けた香ばしい匂いを運びながら私の名前を呼ぶ。 「きりたん、朝ごはんですよ」 そう言って、背後のテーブルに硬い皿を置く音が部屋に響かせる。 「はぁい」 私はそう言って少しだけ間の抜けた声を上げながら、腰を上げた。 飲み終えたタンブラーをテーブルに起きながら、食卓の上を見ると今日は珍しくスクランブルエッグとハムを焼いた食パンで挟んだサンドイッチが置いてある。 微かに湯気を立てながら、美味しそうな匂いを放つパンを見ながらゆかりさんの顔を見ると、彼女が微笑む。 「昨日調べたの」 ゆかりさんはそう言って、にっこりと微笑んだ。 「ゆかりさんは偉いですね」
7 21/02/12(金)06:07:40 No.773942827
私はそう言って無意識の内にゆかりさんの頭を撫で回し、椅子に腰掛けた。 使われない対面のテーブルに少しだけ寂寥感を感じつつ、私はゆかりさんと並んで両手を合わせた。 一口食べてみると、ハムとスクランブルエッグに、少しだけ醤油の味が染みている。 なるほど、ハムに醤油味を染みさせているんですね……そんな事を思いながら食べていると、ゆかりさんも同じようにパンを齧りながら牛乳を飲む音が部屋に響いた。 「今日は……お墓参りですね」 私が何と無くそう言うと、ゆかりさんが頭を上下に揺らす。 「お母様は何か好きなものとか、ありましたか?」 そう言ってゆかりさんの顔を見ると、彼女は少し困ったような顔をした。 「うーん……聞いたこと無いなぁ」 少しだけ質問の内容を間違えたな、そう思いながら私は口を再度開く。
8 21/02/12(金)06:07:59 No.773942840
「では……そうですね、お花でも買っていきましょうか」 「お花」 私がそう言うと、ゆかりさんが私の繰り出した言葉を珍しそうに繰り返した。 「そうです、簡素ですが……今の時期だと水仙なんかが良いんでしょうか」 私がそういいながらパンにかじりつくと、ゆかりさんが頭を傾ける。 「水仙?」 「……後でお花図鑑でも買いましょうか」 私はそう言って、ゆかりさんの方を見ながら苦笑いを零す。 彼女はそう言って苦笑いをする私の顔を見ながら、頷いた。 それからパンを食べ終え、食器を部屋に片付けて二人並んで寝間着から私服へと着替えます。
9 21/02/12(金)06:08:38 No.773942864
今日は少し気分が落ち着いているのか、パンツが濡れていることはありませんでした。 それから私達は朝の準備を整え、墓参りと買い物に行く準備を済ませます。 「お昼は何を食べましょうか」 私がそう言って彼女に尋ねると、ゆかりさんは首を傾げながら口を開きます。 「適当なお店でいいよ」 そう言ってゆかりさんは髪の毛を手で弄びながら、私の顔を見て答えます。 もう少し彼女に食育というものを行ったほうがいいのでしょうか、そんな事を思いつつ彼女の言葉にわかりましたと言葉を返します。 「それじゃあ、行きましょうか」 私はそう言って、私は彼女の手を引きながら玄関をくぐり、家のドアに鍵を掛けて歩きだします。 真っ直ぐ駅には向かわず、道中の花屋さんで何本か水仙とおすすめの花を店員さんに見繕ってもらっていると、ゆかりさんが花を興味深そうに見ています。
10 21/02/12(金)06:09:27 No.773942898
「何か良さそうな花はありましたか?」 そう言うと、ゆかりさんはこの時期には珍しくチューリップの苗を指差しました。 「これ、前学校で育ててましたね」 そう言ってゆかりさんが微笑むのを見た店員さんが、不思議そうな顔をします。 「高校とかで、花を育てられていたんですか?」 私は店員さんに愛想笑いをしつつ、軽く彼女の説明をします。 「すみません、まだ彼女は14歳なので……」 そう言うと、店員さんは少し驚いたような顔をした後、口を開きます。 「もし良ければお安くしますよ」 私は少し迷いつつ、彼女の申し出を断り献花用の花を受け取ってお店を出ました。
11 21/02/12(金)06:16:11 No.773943193
今日はここまで 今回の:su4591583.txt 今まで:su4591585.txt 最終的に二人はヤル予定なので関係ないですけど、ノスタル爺が今無料で読めますね
12 21/02/12(金)06:38:22 No.773944134
読んでるこっちまで恥ずかしくなる 天国のゆかりさんのお母さんに届け
13 21/02/12(金)06:45:28 No.773944487
初めて見たけど空気感がすごく好き 表現も淡白な感じで読みやすくて良いね
14 21/02/12(金)07:17:51 No.773946278
16までちゃんと待てるか賭けようぜ 俺は待てないに全財産
15 21/02/12(金)07:41:29 No.773947987
読み上げさせると脳が溶ける
16 21/02/12(金)08:11:24 No.773950596
この調子だと15まですら待てないんじゃないかな…
17 21/02/12(金)08:49:19 No.773954755
>俺は待てないに全財産 俺は待てないにアブドゥルの魂を全部賭ける!