21/02/11(木)11:05:22 襖を開... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1613009122384.jpg 21/02/11(木)11:05:22 No.773659572
襖を開け、閉め切っていた縁側へとから。身を起こす。まどろみの中雨戸を引くと明星の灯りも怪しい靄の中、月だけはまだくっきり見える。光が軽く射す。白白開けようとする陽が地表から軽く拝める。 見上げると牡丹雪が大きな氷晶の片を広げながらひらひらと降りてくる。 ――そう、胡蝶とのなれそめもそんな節頃であった。ザボンが実を成していたのを思い出す。 ――お館様との契りを交わしてから。獣のように鬼を屠る。どちらが鬼かよく分からない中生きていく。船底は地獄というにふさわしい鉄火場。渡世を生きていたのだ。刹那の中で人肌が恋しくなるのも仕方ない。人間である証であると、その気持ちを冨岡義勇の心は理解っていたのだろう。
1 21/02/11(木)11:06:17 No.773659765
まだ二十代(にせ)にもならぬ、胡蝶しのぶとそういう仲になったのも彼自身、そしてきっとしのぶも知らぬ間に褥を共にする間柄になっていた。 後からか細い声が聞こえてくる。 「――泣いてましたよ冨岡さん」「――そうか―」 ふと、目蓋に手をやると、涙が乾いている。その痕をこする。 ✳︎ 「夢を見ていましたね。可哀想な――でも倖せな夢」 しのぶはそう語り。縁側から襖への義勇を引き込む。 行火は煙を失い。火鉢が鈍色に躰を温(ぬく)める。 「お姉さんの名前、ずっと詠んでいました。・・・胸の中でずっと――」 褥は共にせど巻きは乱れておらず、衿元からはしのぶのふくらみを感じる。肌色を戀(こい)した訳でないらしい――姉さんを、ただ姉さんを求めていたのだ。しのぶに姿を重ねながら、そんな自分が虚しくなる冨岡義勇は情けなく視線を落とす。
2 <a href="mailto:いいですよね、ぎゆしの">21/02/11(木)11:06:48</a> [いいですよね、ぎゆしの] No.773659886
「すまない」「いいんですよ、気持ち、理解ります」 彼の情けなさを悟ったのか、胡蝶も姉を亡くしている故の発言なのか冨岡にはわからない。 しかし、しのぶは蔦子姉さんではないが、受け入れてくれた。 ――暖かさだけが支配する。優しい世界―― 南を射す飾り窓に佇む鉢には“真の”牡丹が紅い片を絢爛さている。いきている。命を成している。 「――牡丹。」「ええ、狂い咲きですけど」 「狂おうがなんでもいい、牡丹も胡蝶も、生きいれば、それで」
3 21/02/11(木)11:10:17 No.773660676
いいですね ぎゆしの
4 21/02/11(木)11:11:46 No.773660982
怖い...
5 21/02/11(木)11:19:24 No.773662729
とにかく失礼する
6 21/02/11(木)11:19:41 No.773662802
おい待てェ
7 21/02/11(木)11:24:33 No.773663921
南無…
8 21/02/11(木)11:25:30 No.773664137
礼賛する岩柱達
9 21/02/11(木)11:25:58 No.773664232
これを柱合会議で朗読するしのぶさん
10 21/02/11(木)11:26:23 No.773664336
>これを柱合会議で朗読するしのぶさん サイコかお前は
11 21/02/11(木)11:30:07 No.773665183
文章力の無駄遣い …いや有効活用なのか…?
12 21/02/11(木)11:32:11 No.773665653
賛同する岩柱達
13 21/02/11(木)11:33:00 No.773665845
平日の昼だぞ!
14 21/02/11(木)11:34:19 No.773666138
シスコンでしのぶさんで代用蔦子さんする冨岡さん かわいいですよね 美しいですよね