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21/02/06(土)08:50:12 この怪... のスレッド詳細

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21/02/06(土)08:50:12 No.772037553

この怪文書は社会に疲れたきりたんと、結月ゆかりをてきとーに書いた怪文書です 前回のあらすじ ゆかりさんはゆかりさんとゆったりした土曜日を過ごした。

1 21/02/06(土)08:50:32 No.772037609

目が覚めると、甘ったるい匂いが広がりました。 何度目が覚めても慣れそうにないな、なんて思いながら私を抱いて眠るゆかりさんの顔を眺めます。 どうやら昨日やったゲームの影響で疲れているのか、まだ眠っているようです。 私は彼女を起こさないように起き上がろうとすると、ゆかりさんが小さく呻きました。 「……きりたん?」 彼女はそう言いながら、布団に寝そべりながら私の顔を見上げます。 「ごめんなさい、起こしちゃいましたかね」 私がそう言うと、ゆかりさんはゆったりと起き上がりました。 「ううん、大丈夫」 そう言うと彼女はにっこりと微笑みながら、体を起こしました。

2 21/02/06(土)08:51:15 No.772037693

「んっ、ふぁ……」 珍しく少し大きな口を開きながらあくびをすると、彼女は布団から起き上がります。 それから何時ものように二人で並んで歯を磨き、ゆかりさんが有無を言わさず朝食を作り始めました。 私は暫く放置していた空気清浄機のタンクに水を入れて、のんびりリビングの椅子に座って外の風景を眺めているとゆかりさんがハムと食パンを運んできました。 「いただきます」 二人でそう言って、ご飯を口に運んでいるとゆかりさんがぼんやりと口を開きました。 「明日から、きりたんは仕事行っちゃうんだよね」 私は少しだけ憂鬱に成りながら、ゆかりさんの言葉に相槌を打ちました。 「そうですね……」 私はぼんやりと、ゆかりさんの言葉を肯定しました。

3 21/02/06(土)08:52:28 No.772037855

「ねえ、折角だから今日は外に散歩に行こうよ」 ゆかりさんは私の気持ちを知ってか知らずか、そう言いながら食パンを一齧りします。 「そうですねぇ……私の部屋にある本も、難しい本が多いですし、折角だから本屋にも行きましょう」 実際、学習本や漫画、時折買っていた流行の小説では彼女の読んでいる本のバランスも悪いでしょう。 「本屋」 そう言うとゆかりさんが珍しいものを聞いた、という顔をしました。 「本屋です、あまり普段は行きませんが……」 「本屋かぁ……」 そう言うと彼女は遠い目をして、ほぅと小さくため息をつきました。 「本屋に何か、思い出でもあるんですか?」

4 21/02/06(土)08:54:11 No.772038075

私がそう言うと、彼女が口を開きます。 「ううん、逆にあんまり関わりなくて、何したら良いのかわからないなって」 「苦手意識、ですかね」 「そうかも」 そう言うと、彼女は牛乳をコクリと喉から音を出しながら飲み、ご飯を食べ終えました。 私も少し遅れてご飯を食べ終えると、二人で顔を見合わせてごちそうさまでした、と言いつつ両手を合わせました。 「折角だから、買ってみた服を着て行きましょう」 私がそう言うと、彼女は新品の衣服を袋から取り出します。 「う、うん……」 暫くその服を見た後、そのままシャツに袖を通そうとして私に引き止められます。

5 21/02/06(土)08:55:17 No.772038246

「ま、待って下さい、まだ値札とかがついてますよ」 「あ、そっか」 私は近くの棚を漁り、ハサミを取り出すと彼女のシャツと床の袋の中のチノパンを漁り値札を切りました。 「……すぅ、はぁ」 それから一息深呼吸をすると、ゆかりさんが青シャツに袖を通し、あっという間にチノパンを着て衣服を整えました。 元々スレンダーなこともあり、ゆかりさんがその二つを着ると美少年が居るような錯覚を覚えます。 「……ゆかりさん、男物の服似合いますね」 少しだけ羨ましそうに彼女を見ると、ゆかりさんは私に本当?と言って嬉しそうに微笑みました。 「しかし、ゆかりさんの素材なら……」 もう少し色々な服を買って、着せてみたら楽しいかもなんて思いつつ、私も何時もの私服に袖を通しました。

6 21/02/06(土)08:56:08 No.772038357

それから家を出ようとすると、ゆかりさんが私の手を握りしめました。 「そう言えばゆかりさんは、私の手を何時も握りますけど、何か意味があるんですか?」 私がそう言うと、彼女は少し不思議そうな顔をしました。 「夫婦って、外に出る時は何時も手を握ってるものじゃないの?」 私は突然の夫婦という言葉に少しうろたえた後、咳払いをして家のドアを開きました。 「いえ、おかしなことを聞きました」 14歳の妻、時折目を反らしては時々ゆかりさんが断言し、突きつける言葉。 本当にこれで良いのでしょうか、そんな事を此処二日ゆかりさんの実年齢を知ってからは尚更よく考えます。 家の鍵を閉めて、エレベーターから外に出ると陽光の降り注ぐ空の下、二人で歩きます。 ゆかりさんの歩幅は少し広いので、私に合わせて歩幅を狭めたりゆっくり歩いたりしています。

7 21/02/06(土)08:58:31 No.772038713

「駅前かぁ、昨日は通り過ぎるだけだったもんね」 そう言いながらゆかりさんを見ると、年上のお兄さんと歩いているような気分になりました。 とは言え、彼女も女性ですし、そんな役割を押し付けるわけにもいかないでしょう。 何時か彼女の好きな衣服も分かると良いな、なんて思いつつゆかりさんとお喋りを楽しむことにします。 朝ごはんのパンの味、昨日食べたご飯の感想、暖かなお風呂について、新品の衣服の感想。 そんな他愛ない世間話を楽しんでいると、あっという間に駅の目の前についていました。 駅に接続された小型ショッピングモールに入ると、昨日ほどでは有りませんが様々な日用品が所狭しと置かれています。 「……何時もは横目で眺めるだけだったなぁ」 そんな事をぼんやりと呟いたゆかりさんの顔は、しみじみと何かを感じているようでした。 「何か買っていきましょうか?」

8 21/02/06(土)09:00:17 No.772038953

私がそう言うと、彼女は首を横に振りました。 「ううん、大丈夫、特に買いたいものはないから」 そんな事を言う彼女が買いたいものとはなんだろう、そんな事を思いつつ上の階へとエレベーターで登っていきます。 「ゆかりさんは今まで、どんなアルバイトをしてたんですか?」 私がそう言うと、ゆかりさんは指を折りながら暫し宙を眺めつつ口を開きます。 「蕎麦屋さんに、ピザの配達、丼もの屋さんとか……大体は飲食店と、後は介護ホームとかですね」 そう言うゆかりさんは、少しだけ苦笑いをしました。 「だからかな、日常生活の作業だけは凄く早くなっちゃった」 「介護ホームにも行ったことがあるんですね」 私が驚くと、ゆかりさんは首を縦にふりました。

9 21/02/06(土)09:01:54 No.772039168

「みんないい人だったんだけどね、仲良くしてた人が病院に行ったきりになっちゃったから、少し悲しくて辞めちゃった」 「……そうですか」 あまり掘らないほうが良い話題だったかな、そんな事を考えつつ目的の階に着いたのを確認し私達はエレベーターを降りました。 それから少し歩いて、本屋に入ると話題の新書のポップや、様々な小説、絵本、漫画が立ち並んでいます。 「何か気になりそうな本とか、ありますか?」 そう言って私が尋ねると、ゆかりさんは首を横に振ります。 「ううん、普段あんまり本とか読まないから」 「……うん、そうですよね」 私はそう言いながら、久しぶりに小説コーナーを彷徨きます。 それから少しして、私は一冊の本を手に取りました。

10 21/02/06(土)09:02:44 No.772039261

小学校や、中学校の頃暫し読んでは話の展開を予想したり、話の展開の速さや読みやすさに暫し愛読した一冊の本を見つけました。 「星新一ですか」 「……?」 「ああ、すみません、昔よく読んだ本です」 私がそう言って一冊手に取ると、表紙にはコミカルなイラストが踊っています。 「へぇ……じゃあ、それとか読んでみようかな」 ゆかりさんはそう言って、その本を手に取りました。 興味深そうにその本の表紙を見た後、その本を腕に抱えます。 「……あ、そうだ、それなら何冊か買ってみて、ついでに電子辞書も買ってしまいましょう」 私がそう言うと、ゆかりさんは不思議そうな顔をしました。

11 21/02/06(土)09:05:00 No.772039574

今日は此処まで su4574923.txt もうちょいイチャイチャさせて良いんじゃないと思いつつ多分明日もこんなペースで続く

12 21/02/06(土)09:10:35 No.772040317

おつーやはりおねロリはいい…いやこれおねロリか?おねロリだな あと前回の > 見た人にトラウマを残すか、それともスタンダードに行くか 作者の書きたいのを書くといいと思うただ出来れば両方みたい

13 21/02/06(土)09:21:29 No.772041990

いいですね

14 21/02/06(土)09:22:01 No.772042066

好きなように書け持ち味をイカせッッ!と思うが ゆかきり幸せになって!とも思う

15 <a href="mailto:s">21/02/06(土)09:22:09</a> [s] No.772042079

>おねロリ 最終的にリバされそうな低身長おね高身長ロリいいよね…… >作者の書きたいのを書くといいと思うただ出来れば両方みたい よし、そろそろ転の時期だな

16 21/02/06(土)09:59:49 No.772049958

も…もう転なんですか?少しだけ待ってください…まだ前の傷も癒えてない…次刻まれたらもう戻らない…

17 21/02/06(土)10:39:53 No.772057126

東北の奇祭が残した爪痕は大きい

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