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21/02/04(木)22:34:13 泥───ッ... のスレッド詳細

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21/02/04(木)22:34:13 No.771648834

泥───ッ! http://seesaawiki.jp/kagemiya/ https://zawazawa.jp/kagemiya/

1 <a href="mailto:さっきのスレに間に合わなかったやつ1/3">21/02/04(木)22:43:50</a> [さっきのスレに間に合わなかったやつ1/3] No.771652230

「お客さん、着きましたよ」 微睡みの中にあった石紅幸斗は男の声で目を覚ました。 ふと周囲に目を配ると車の中、そこで少しづつ意識がはっきりとしてくる。 目の前の黄原駅の文字、今いる場所がターミナルであると認識できた。 (ああそうか、黄原市に行く為にタクシーに乗っていたか) ふぅ、と息を吐き出した幸斗は自分に思い切り体重を預けて警戒心0で眠っているの同伴者に声を掛けた。 「ソニック、ソニック起きなさい、着いたようですよ」 「ぅーん…後五分~」 ソニックと呼ばれた碧髪の少女は黒いワンピースが着崩れており、起きる気配がない、起きる気もない。 「仕方ありませんね…」 垂れ掛けていた涎をハンカチで拭うと、幸斗は溜め息を付いた。運転手が心配そうに見ているし、早く降りねばならない。 幸斗はタクシーから降りると米俵でも持つようにソニックの胴体を持つとタクシーから引き摺り出し、そのまま肩に担いだ。 「わ!わ!ストップストップ!幸斗、デリカシーがないぞ!」 そこで漸く目を覚ましたのか、ソニックは足をじたばたと揺らして暴れまわる。 その両手でバシバシと背中を叩くが長身で比較的体格の良い幸斗はびくともしなかった。

2 <a href="mailto:2/3">21/02/04(木)22:44:33</a> [2/3] No.771652469

溜め息を付いた幸斗はソニックの脚がタクシーに当たらないように担いだまま少し離れると、ゆっくりと地面に降ろす。 「僕には君の口からデリカシーという言葉を聞くことになったのが驚きですよ……ああ、すみません支払いはカードでお願いします」 扱いが不満なのか、顔を真っ赤にして頬を膨らませるソニックを一瞥すると、その姿を鼻で笑う。 すぐに振り向いた幸斗はタクシーの運転手にクレジットカードを渡した。 「は、はい」 「どうも」 「運転手さんここまで、ありがとう!運転上手くてよく眠れたよ!」 支払を終えた幸斗は運転手に一礼をすると、その横からソニックが顔を出し満面の笑みを浮かべた。 「ははは、どういたしまして」 ソニックの明るい笑顔に感化されたのか、運転手もまた笑みを見せると小さく手を振ると車を走らせる。 ソニックは走り出したタクシーに向かい大きく手を振ると、思い切り伸びをし、両肩をぐるぐると回した。 「よーし!まずは面白そうな……」 「先にホテルにチェックインだ、後にしろ」 準備運動終わり!とでも言いたげに何処かへと駆け出そうとしたソニックはいち早く右肩を掴んだ幸斗の右手に制止される。

3 <a href="mailto:3/3">21/02/04(木)22:45:18</a> [3/3] No.771652728

幸斗は先程の穏やかな感じとは違い、どこか態度に陰があり、声も低い。 「人の前と私の前で随分態度が違うんだな」 「何時も言っている。本音と建前だ」 幸斗は眼鏡を外し、目を細めると油断なく周囲を見渡す。 既にここは黄原町のど真ん中、魔術師のシマ、懐の中と言って良い。油断は出来ない。 「そんな事言ってじつは眠いんだけだろー?」 そんな幸斗をソニックは愉快そうに上目遣いで見た。 良く見れば確かに目尻が下がっている。 「…………さて、どうだかな。 行きますよ」 確かに眠いのは間違ってはいない。 それ以上に敵地でソニックに好き勝手動かれるのが困るだけだ。 眼鏡をかけ直し、魔術師石紅幸斗から知り合いから外国人の少女を預かっている個人輸入商石紅幸斗の顔を作り上げると本来の目的の為に、黄原市に始まりの一歩を踏み出した。

4 21/02/04(木)23:24:51 No.771666246

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