虹裏img歴史資料館

1 21/02/03(水)06:15:52 No.771164436

私は東北きりたん、そう東北きりたんです。 東北はまあ、まだわかります、あずまきた、きっと寒い地方の人なんだな、って感じじゃないですか。 きりたんってなんですか、小学校の宿題で意味を聞いたら、きりたんぽみたいに白くて細長く綺麗な人に育つようにだって。 ふっざけんなよマジ、将来履歴書出した時とか、学校でイジメられないかなとか、キラキラネーム（笑）って子供が言われると思わなかったのかよ。 でも私はきりたん、大人になったら絶対改名してやるぞ、と思ってはいるものの最近の小学生って凄いですね。 多様性教育ってことで私の名前を馬鹿にした生徒が1200文字の反省文を書かされてました。 あの野郎、大人になって地元に戻ったら、職歴マウント取ってボッコボコにしてやるからな。 なんて思いながら年齢上大人になったんですよ。 ボイスロイドは肉体年齢がある程度まで成長したら、加齢しなくなるなんて思ってなかったな。 お陰で今年24歳なのに、見た目は小学生、ロリババアってやつですね。

2 21/02/03(水)06:18:05 No.771164535

社会に出て会社に奉仕して、毎日毎日仕事して仕事して帰って寝て起きて仕事して。 飲むのは野菜ジュース、野菜ジュース、時折モンスターエナジー、野菜ジュースにおにぎり。 健康なのか体液が全部野菜ジュースになって死ぬのかわかりませんが、兎に角辛いです。 力仕事は全然出来ませんから、自然と頭脳職になりましたが毎日毎日職場に行って分からないことを調べてアウトプットを出してダメ出しをされて。 メンタルがプチプチっと切れそうになりながら、毎日毎日仕事をしています。 派遣のお局様はプロパーは良いなと遠回しに言葉の圧を掛けてきますし、メンターの先輩が作った手順書は手順書という名のチェックシート。 資料を見て、推測して、修正してお出しして、上司からはもう少し早く出来ないか、と圧、圧、圧。 こんな体ですし理解のある男性とか居るわけもなく、また処女膜併存24年、男との関わりが無い、無い、無い。 これなら勉強だけじゃなくって、遊びも覚えるんだったなぁなんて思いつつある日私の家に届きました、届いてしまいました。 「……可愛いくて理解のある女の子に結婚してもらえる券」

3 21/02/03(水)06:19:23 No.771164582

妄想も大概にしろ、そう思いつつ私はチラッとチケットの端を見ると、紫髪の愛くるしい少女の顔が写っていました。 何でもボイスロイドに届く、遺伝子コピーされたボイスロイドが貴女のお嫁さんに！っていう触れ込みらしいです。 いやね、分かりますよ、きっとボイスロイドも人間亜種、だけど不老不死の類ですから？ ズッコンバッ婚されて変に増えられる位より、可愛い女の子と幸せなまま人生を謳歌して下さいねという心意気なのでしょ？ でもね、私はね、参政権もありますし、自由意志もございます。 男より女の子のほうがいい匂いだし、優しいから好きだなとかチラッと思っても、この券の女の子がいくら可愛いなって思ってもね。 幾ら何でも赤の他人ですよ、そんな人間に我が家（賃貸）に足を踏み入れさせて家庭の色々を任せるなんてね。 そして理性ではそんな事を思っていてもね、私の足はスタスタと部屋のスマホに向かって居たんですよね。 おっかしぃなぁ、何処に掛けるのかな、掛けちゃうのかな？ なんて思うでしょ？ 券に書かれてる電話番号入れちゃったんですよね、クレームでも入れるのかな？

4 21/02/03(水)06:19:47 No.771164599

「この子、至急下さい」 震え声でプルプルみっともなく緊張しながら、夜の9時に家に帰ってきて料理も作らず部屋の隅に座って電話してるんです。 もうね、限界です、臨界点ですよ。 花もなく、ただ職場と家の往復特急、時折家族からのいい人は何時出来るんだという圧に、虚無に溺れる日々。 仕事のやりがいってなんだろう、そう思いながらお茶くみしたり、技術書や仕様書を読み込んで毎日毎日あーでもないこーでもない。 家に帰れば待ってるのは冷たい我が家と、無音の静寂に暫し空気清浄機の自動運転が強に切り替わる音。 人の温もりが欲しくて欲しくて欲しくて、何でも良いから欲しくて気が狂いそうです。 このまま土曜日の昼にむっくり起きて、動画サイトで延々動画めぐりしてぼんやり日曜日を迎え。 空腹に任せるママ、ピザとコーラを頼んで食いきれずに冷凍保存、月曜日の夜に冷たいピザをチンする日々が苦痛です。 思い出したらお腹痛くなってきました、お願いします一人でこのままただぼんやりとした毎日を過ごしてたら本当に嫌です。

5 21/02/03(水)06:20:41 No.771164647

電話の声を聞く余裕もないまま、ただグズグズと部屋の隅でぐったりしていると、部屋のドアを叩かれる音がしました。 あれ……？ ネットショッピングでなんか買ってたっけ……？ 私はそんな事を思いながらフラフラと立ち上がり、家のドアの外を覗き込みます。 のぞき窓の外には、自分と同じくらいの背丈の紫髪の少女がいました。 「あ、ま、待って！」 私は震える手で家の戸を開くと、くりくりっとした目が私を見据えます。 「は、はい」 私は暫く緊張でぷるぷるしながら、私のことを見下げる少女の顔を見上げます。 「東北きりたん……さんでしょうか」 何故疑問形？ 私はそう思いながら彼女の言葉にうなずきます。

6 21/02/03(水)06:21:13 No.771164669

「そう！ そうです！ 待ってました！」 そう言いながら私は彼女のか細い手を掴み、部屋に引き込みドアの鍵を締めました。 「え、えっと？」 彼女がぼんやりとそう言いながら、私の事を困惑げに見ていますが構うことなど有りません。 手に持っている薄いピザ箱がよく判らなかったけど、兎に角彼女からピザを取り上げて彼女を部屋に上げることとしましょう。 「ああもう、ずっと家に居てくれる契約が本当にあるなんて思ってなくって、私毎日毎日寂しくて明日も土曜日なのに一人で居るのが嫌で嫌で」 「……？」 彼女は暫く私のことを不思議そうに見上げた後、私の顔をじぃっと見つめてきました。 「契約……はあ、なる程……あ、ちょっとまっててくださいね」 そう言うと彼女はポッケから今では珍しい、ピッチを取り出してポチポチ押した後携帯の電源を長押ししてポッケに仕舞いました。

7 21/02/03(水)06:21:54 No.771164696

「それで、その……どんな契約をご希望でしょうか」 私はそう言われて目の前で私の方をじぃっと見る少女に暫し心を奪われ、部屋の中に暖かな生き物が居ることに暫し感動したのですが、段々と何をしたら良いのか分からなくなってきてしまいました。 「……わかんない……」 段々とはしゃいでいた気持ちがしょぼくれていくのを感じながら、暫し肩を下ろしました。 「んー……じゃあ、食べよ」 彼女はそう言うと、私が手に持っていたピザ箱を開けると中のピザを私の口に一切れ押し込みます。 そうして彼女はチーズチキン味のピザを押し込みながら、私がもしゃもしゃと咀嚼するのを待ちました。 そう言えば何でピザなんだろう……そう思っていると、彼女が靴を玄関に脱いで靴を揃えて上がります。 私は咥えていたピザの欠片を咀嚼し、飲み込むとリビングにスタスタと歩いていく彼女にピザ箱を持ったまま着いていきます。 「ほら、座って」

8 21/02/03(水)06:22:28 No.771164719

きりたん(24)はもう精神的に限界だな…

9 21/02/03(水)06:22:40 No.771164730

私の家なんだけどなぁ……そう思いながら、机の前に座ると彼女が私が腕に持っていたピザを抜き取り机の上に置きます。 よくよく見ると彼女の頭には猫耳のつけ耳が付いていて、そういうオプションなのかなと思いながらピザを飲み込みました。 「……猫耳？」 「ああ、これ？」 彼女がそう言うと、彼女は頭のそれを取り私に被せてニコニコと微笑みました。 「はい、可愛い」 私は彼女のするがまま、猫耳を被せられて何なんだろう……と思いながら暫くニコニコ笑う彼女を見ていました。 「ね、テレビ見ていい？」 「あ、はい」 そう言って、ごく自然に机の上のテレビを付けて見始める彼女を見つつ、不思議な感覚に襲われました。

10 21/02/03(水)06:23:23 No.771164761

「えっ、ちょっと、何でテレビ？」 私が彼女にそう言うと、彼女は私の顔を暫く不思議そうに眺めた後、何かを思いついたように私の手を引いて抱きしめてきました。 いえ、抱きしめたと言うよりは子供を膝の上に抱くように、詰まり私を胸に抱いてテレビを見始めました。 柔らかく、微かにいい匂いがほんのり彼女から漂うのを感じつつ、時折彼女がピザを一切れ私の口に押し込みじぃーっとテレビを見ています。 そうやって黙々とピザを食いながら、彼女に抱きしめられつつ、今日の金曜映画を見ていると彼女が飽きたのか、背を伸ばしました。 「……つまんないね」 そう言って、ピザの箱の蓋を閉じると、私のことを抱きしめたままテレビの電源を落とします。 「……えっ、あ、はい」 私はそんなマイペースな彼女に振り回されつつ、私の手を引いて立ち上がりました。

11 21/02/03(水)06:24:08 No.771164799

「風呂入って、歯、磨いて寝よ」 「風呂、歯」 私は彼女の言葉をオウム返しにしつつ、彼女に尋ねられるがまま浴室と洗面台に案内させられました。 彼女は私を中学生か何かと勘違いしているのか、私の衣服をスルスルと脱がし自身も衣服を脱いで私の手を引いたままお風呂に入ってきました。 初見の人なのに、一緒にもお風呂も入ってくれるんだ……そんな事を思いつつ、まだ子供っぽい体と、彼女のスレンダーながら長い手足と少しむっちりした足と尻に暫し興奮します。 「……お湯はどうやって出すの？」 「あ、はい」 私は言われるがまま、浴室の給湯電源を入れてシャワーからお湯を流し始めます。 彼女が流れる水に手を当てて、暫し温度を確かめています。 「座って」

12 21/02/03(水)06:25:53 No.771164879

今日はここまで 今日の本編：su4566840.txt 今回は暫くエロなし、イチャイチャで進める予定です （予定帳は未定である）

13 21/02/03(水)06:27:33 No.771164942

もう読めないのかとしょぼくれてたら早速新作が来てありがたい… いや本当に筆速いな…

14 21/02/03(水)06:27:51 No.771164962

弟終わってたのか…

15 21/02/03(水)06:33:00 No.771165206

ありがたい… 弟けっこう見逃してるのでのおまとめがほしい…

16 <a href="mailto:sage">21/02/03(水)06:53:57</a> [sage] No.771166269

su4566851.txt スマホ文字化け忘れてたので修正版 >弟けっこう見逃してるのでのおまとめがほしい… 家でちゃったから申し訳ない、渋とかに上げといたので適当に探してくだされ～

17 21/02/03(水)06:54:03 No.771166272

探せばまとめ出てくるが 俺も３週間で11万字書ける筆の速さが欲しい…

18 21/02/03(水)06:55:12 No.771166323

きりたんには幸せになってほしい

19 21/02/03(水)06:56:26 No.771166380

>su4566851.txt >スマホ文字化け忘れてたので修正版 ありが…ぐえー！ そしてこの前感想言えなかったけどゆかりさんのあのシーン今もフラッシュバックするよ… あの発想はなんなの…

20 21/02/03(水)06:58:04 No.771166458

ゆかきりいいよね…

21 21/02/03(水)07:24:35 No.771168083

＞家でちゃったから申し訳ない、渋とかに上げといたので適当に探してくだされ～ 見つけた！ありがとう！

22 21/02/03(水)07:43:17 No.771169564

>そしてこの前感想言えなかったけどゆかりさんのあのシーン今もフラッシュバックするよ… >あの発想はなんなの… そりゃあ、あそこから芸術ポイント稼ぎに行きつつハッピーエンド迎えるとしたら……ね……?

23 21/02/03(水)07:44:10 No.771169631

>su4566851.txt >スマホ文字化け忘れてたので修正版 残念ながらこちらも読めない…

24 21/02/03(水)07:48:49 No.771170053

ゆかきりいい…

25 21/02/03(水)07:52:39 No.771170386

>残念ながらこちらも読めない… 「」サポートセンター、ノ「」デス、コノタビハ、タイヘンゴメイワクヲオカケシテシマイ、申し訳、ゴザマセン 大変恐縮ですが、文字コードに引っかかっている可能性があるため 可能であればブラウザをChrome、もしくはSafariなどに切り替えて視聴可能かご確認ください

26 21/02/03(水)08:12:54 No.771172384

ゆかきりは仕事疲れに効く効いた

27 21/02/03(水)08:51:20 No.771176625

一体何者なんだ…