虹裏img歴史資料館

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21/01/24(日)20:06:14 梨花ち... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1611486374718.png 21/01/24(日)20:06:14 No.768280386

梨花ちゃんがあるときから、どこか大人びた、達観した表情を時折浮かべていることに気づいてから、彼女のことが脳裏から離れなくなった。 強く惹かれていたのだ、と雛見沢分校を卒業する頃になってようやく気がつき、俺はその想いを伝えた。 『こんなことは前の時にはなかったのに……』 顔を赤くして何やら呟きながら狼狽えていた梨花ちゃんだが、最後にはこくりと頷いてくれた。 最初は皆になんやかんやと騒ぎ立てられていたが、一年も経てば落ち着き、俺たちは一緒にいるのが当たり前になっていた。 『やっぱり圭一といるのは退屈しないわ』 猫のように体を擦り寄せられながらそう囁かれると、どうにもくすぐったい気持ちになる。 お返しとばかりに頭を撫でたあと、さらさらの黒髪を指ですく時間が好きだった。 騒がしく楽しい雛見沢での、部活メンバーとの時間。 静かで穏やかな梨花との時間。 どちらも俺にとって、かけがえのない大切な時間だった。

1 21/01/24(日)20:06:34 No.768280555

時が過ぎ、大学受験の時期になった。 俺は、県外に進学するつもりだと梨花に正直に伝えた。 『……そう』 寂しそうに笑って、彼女は繋いでいた手をそっと手放した。 『私は一緒にはいけないわ』 そう言われて悲しかった。でも、絶対に帰ってくるから待っていてほしい、と告げる。 『……ふふ。四年間も待てないわよ。猫は気まぐれなの』 『別れましょう』 するっと、梨花の手が頬を撫でて、それから二歩三歩と後ずさって去ろうとする。 俺は。 1 その背に声をかけた。 2 なにも言うことが出来なかった。 dice1d2=2 (2)

2 21/01/24(日)20:07:58 No.768281226

背を向けた彼女になにも声をかけられなくて、俺は唇を噛み締めて、その場を去った。 何もかもを忘れて受験に没頭して、想定していたよりもずっと上のランクの大学に合格した。 雛見沢で取り戻した、なりたかった自分で迎える、都会での大学生活は、楽しかった。 だけれど、そこに彼女の姿はなくて、心にはいつもぽっかり穴が空いたままで。 大学二年生、二十歳になって、里帰りを決意した。 もう一度会いに行こう。もう一度想いを伝えよう。似合わない花束なんてぶら下げて、心の故郷の土を踏む。 古手神社についた。鳥居を見上げる。……俺の知らない誰かと、向かい合っている梨花の姿があった。 「……圭一?」 その言葉を背に、走った。きっと自分の勘違いだと信じたかったけど、確かめるのが怖くて。 「知らなかったの。梨花ちゃん、婚約したんだよ」 どこか淡白に聞こえるレナの声が、遠く聞こえた。

3 21/01/24(日)20:08:17 No.768281372

逃げるように都会に帰って、布団に潜り込んだ。 あのときの選択は間違っていたのか。 彼女の望んだことだったのか、そんなことはもうどっちでも関係なくて。 ただひとつたしかなことは、彼女はもう俺の隣で笑うことはないということ。 ……俺は、雛見沢には戻らなかった。 あの村の匂いが、音が、景色が、彼女との想い出を思い起こさせるから。

4 21/01/24(日)20:08:47 No.768281616

 自分で突き放しておきながら、帰ってくることを心のどこかで待ち望んでいた、そんな自分の浅はかさが疎ましい。  ……何人も子を産んで、元号も変わって久しくなって、ようやく自分の想いに折り合いがついた。  だからここだけに記そう。誰にも見せない、すぐに燃やしてしまう、この紙片だけに。  あのとき言えなかった言葉を。    あなたのことが大好き。  私をここから連れ出して。  想いとともに、紙片が灰となって消えていった。

5 <a href="mailto:s">21/01/24(日)20:09:53</a> [s] No.768282111

終わり マルチエンドにしてみた

6 21/01/24(日)20:10:31 No.768282472

むっ!

7 21/01/24(日)20:10:33 No.768282486

おつらい… 救いはないんですか…

8 21/01/24(日)20:10:45 No.768282578

切ね…

9 21/01/24(日)20:10:56 No.768282659

アイラブヒナミザワ!アイラブヒナミザワ!

10 21/01/24(日)20:11:34 No.768283014

もう一つのエンドが見たいわ!もう一つのエンドを見せて頂戴!

11 21/01/24(日)20:11:52 No.768283201

もう一回頼む!

12 <a href="mailto:1を選んだ場合">21/01/24(日)20:13:30</a> [1を選んだ場合] No.768284013

「待てよ、梨花」 「ッ……離してよ」 頑なに振り向かない梨花の肩を、ぐいっとひきよせる。 思った通り、泣いていた。 「……別れた方が、幸せなのよ」 「なんで、そんなこと言うんだ?」 「あなたが外にいたら、側に行きたくなる。声を聞くだけで、会いたくなる。会ったら触れたくなる。触れたら離れたくなくなる。……だから、ダメなの」 俺は、黙って梨花の頭をポンポンと撫でて、涙を拭いた。 「時々梨花が遠いどこかを眺めて、寂しそうにしてること、気づいてたよ。どこかに行きたいっ て、新しい世界を見たいって言う気持ちを、どうして抑える必要があるんだ?」 「…………。」 「俺と一緒に来てくれ。ずっと一緒にいたいんだ」 熱がこもって、声が震えた。梨花は俯いて泣いていたけれど、少しだけ首が縦に振られたのを見て、思いきり抱き締めた。なにかに怯える彼女が、もうなにも恐れなくてもいいように。 dice1d10=3 (3)

13 21/01/24(日)20:13:35 No.768284059

そうだループさせよう!

14 21/01/24(日)20:15:02 No.768284793

なんだその不穏なダイスは!

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