虹裏img歴史資料館

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21/01/20(水)23:46:01 「……で... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1611153961687.png 21/01/20(水)23:46:01 No.767057054

「……で、魅音さんがね……」 「ハハ!魅音のヤツ、まーた変な事やってんなぁ!」 情報を集めるために、興宮へ訪れた私達。 あまり収穫は無かったけれど、その途中で前原くんに会えた。 立ち話もなんだろうという前原くんの意見に頷き、いつものようにエンジェルモートで情報交換となった。 ……まぁ、途中からいつもの雑談のようになってしまったけれど。 ケーキと紅茶を皆で囲んで、日常……と呼ぶにはちょっと騒がしい、部活の話をする。 そんなのんびりとした時間が、私は好きみたい。 「……っとぉ!もうこんな時間かよ。塾行かねぇと」 だけど、いつまでもこの時間が続くわけじゃない。 紅茶をグイっと呷った前原くんは、手荷物を持って立ち上がる。 声をかけようと思ったけど、テキパキとした動作だったからタイミングを見失ってしまった。 「それじゃあ、またな!」 「待ちなさい」 別れの言葉を告げて席を立った前原くんを、菜央ちゃんが呼び止めた。

1 21/01/20(水)23:46:14 No.767057125

「ん?」 疑問を隠す事無く、キョトンとした顔の前原くん。立ち上がってる途中の中腰姿勢で、ちょっと辛そうだ。 「ソレ。今日こそはちゃんと分けるわよ」 呆れた顔の菜央ちゃんが指差した先の“ソレ”がなんなのかわからず、目で追ってみる。 見てみると、前原くんの方を指していた。というか、立ち上がるためにテーブルに置いた手。 「……あっ」 思わず零れた私の呟きと同時に、前原くんが苦笑いを浮かべる。 ……“ソレ”は、伝票。 そういえば、前原くんはいつもそうだった。 こうしてケーキを食べながら会話した後、いつも私達の分まで払ってくれていた。 その度に、申し訳無いなぁ……と思っていた筈なのに。どうして頭から消えてしまっていたんだろう? ……巧みな話術で忘れさせられている……なんて、あるわけないか。

2 21/01/20(水)23:46:32 No.767057202

「そうだね。前原くんに奢ってもらってばかりじゃ悪いし、割り勘しよっか」 美雪ちゃんの言葉へ同意するように、前原くんを見つめて頷く。 頭を掻いている前原くんは、困ったように笑って口を開いた。 「いや、別に気にしなくていいぜ?」 「気にするよ!」 自分でもビックリするくらい大きな声が出て、一瞬ポカンとしてしまう。 驚いたのは私だけじゃないみたいで、前原くんも、美雪ちゃんも菜央ちゃんも、驚いたように私を見てる。 ……それが無性に恥ずかしい。 本心を出すと、いつもこうだ。気をつけようとしているのに、いつも。 「……アハハ……そう言ってくれるのは嬉しいけどよ、ほんと気にしなくていいんだ」 一足先に復帰した前原くんは、笑って言う。 「それに、だ。なんてったってよォ……?」 前髪を仰々しく払って、顎に手を当てて。いかにもキザったらしい所作で、前原くんが笑う。 「かわいい女の子に払わせるなんて、男が廃るってモンだろ?」

3 21/01/20(水)23:46:46 No.767057274

「はぁ?」 「おぉう……前原くんって、結構そういうとこあるよね」 「ダッハッハ!つーわけで、ここは俺に任せて……もらう……」 「……あれ?一穂?どしたの?」 ……気付かれちゃった。 変だ、私。あんなに前原くん、ふざけてたのに。本気じゃないってわかるはず、なのに。 「あうぅ……」 『かわいい女の子』 その言葉が、頭から消えない。前原くんの声が、消えないんだ。 「ちょ、ちょっと一穂。そんな真面目に受け取らなくてもいいのよ?」 「え?もしかして、今の前原くんのを本気で受け取ったの!?」 「わ、私っ、そのっ」 「……あ、あのよぉ……そんな反応されると、こっちまで恥ずかしくなってくるんだが……」 頬をポリポリ掻きながら言う前原くん。 ……恥ずかしさで、消えてしまいそう。というか消えてしまいたい。

4 21/01/20(水)23:47:02 No.767057346

「ま、まぁ、ポーズだけでも嬉しがって貰えたなら、それもまた本望ってな!ハハハ!」 ぽーず……ポーズ……? 前原くんの言葉を理解するのに、少し時間が掛かった。 「ち、違うよ!!」 「えっ、一穂ちゃん?」 けど、理解し終わった後の行動には、ほんの少しも時間は要らなかった。 「嘘なんかじゃないよ!?ほんとに嬉しかった!!」 「わわっ、どしたの一穂!?」 「だって前原くん、すごいかっこよくて、尊敬できて、憧れるから!」 誤解されたくない。誤解して欲しくないから。 変に力が入って、強張った身体でも。怖くって目を瞑ってでも、言うんだ。 「だから!そんな前原くんにかわいいって言われて、嬉しかったの!」 胸から溢れ出る言葉を……普段なら飲み込んでしまう言葉を、無理矢理吐き出した。 「本当に、心の底から、嬉しいから……!」

5 21/01/20(水)23:47:28 No.767057471

「一穂!ちょっと、一穂!!」 菜央ちゃんの声が耳に届いて、ハッとして目を開けた。 思いのままに話してた。目を閉じてたから、どれだけ自分が話してたのかもわからない。 恐る恐る、隣を確認。 「……」 唖然としている美雪ちゃん。溜め息をついている菜央ちゃん。 ……そして、何事かとこっちを見ている店員さんと、周りのお客さん。 そりゃ、そうだ。こんな事を叫んでたら、周りの視線を集めるに決まってる。 ……消えたい。 顔が熱い。まるで火が出てるみたいに熱い。恥ずかしくて恥ずかしくて、熱い。 羞恥から、自分の膝に視線を落として縮こまれるだけ縮こまる。 私は、ダンゴ虫。ダンゴ虫です。虫なんですよ。

6 21/01/20(水)23:47:40 No.767057535

そうして耐えていればよかった気もするけど、もう一度だけ、視線を上げた。 どうしても気になる事があった。更に恥ずかしくなるとしても、確認したかった。 上目遣いになる形で、真正面の前原くんの様子を伺った。 ……前原くんは、片手で顔を覆って、天を仰いでた。 でも顔をしっかり隠すには、片手はあまりにも足りなくて。 赤い頬と、先まで綺麗に真っ赤な耳が、隠しきれてなかった。 きっと私も同じなんだ。そう思うと更に恥ずかしくなって、今度こそダンゴ虫になる。 「……えっと……とりあえず、割り勘で良いわよね?」 菜央ちゃんの困ったような声が、静かになった空間に凛と響いた。 「「……はい」」 それに返すように、小さな声が二つ。 ……やっぱり、本心をそのまま伝えるのはやめよう。 絶対に、やめよう。そう決心しながら、もうちょっとだけ縮こまった。

7 21/01/20(水)23:49:04 No.767057926

ウワーッ誰!?

8 21/01/20(水)23:50:01 No.767058208

ソシャゲでフラグ増やす圭ちゃんには困ったもんだよ…

9 21/01/20(水)23:50:02 No.767058214

ひぐらし命ちゃん!

10 21/01/20(水)23:51:06 No.767058505

命のシナリオ気にはなるんだけど今更プレイするのもな…

11 21/01/20(水)23:55:51 No.767059865

めんどくさいからサウンドノベル版だして

12 21/01/20(水)23:58:32 No.767060628

今更だけど始めたよ

13 21/01/21(木)00:15:21 No.767065979

体付きがえっちで可愛い子…

14 21/01/21(木)00:21:49 No.767068220

命のストーリーは圭一大石赤坂出始めたあたりからそこそこ面白くなる

15 21/01/21(木)00:31:06 No.767071230

参考に一穂ちゃんの立ち絵貼っとく su4531503.png

16 21/01/21(木)00:36:39 No.767072917

和食を恋しく思ってる女の子にカップ麺やサンドイッチ漬けにして心を壊していくの楽しいね

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