虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    21/01/10(日)21:21:59 No.763940734

    「ふぅ…疲れたったい」 「お疲れ様です乾さん」 「…人違いじゃい」 ────唐津市ふるさと会館アルピノ。 かつて様々な機材トラブルに見舞われながらも、 フランシュシュのゾンビィ1号もとい源さくらが奇跡の『復活』を果たしたライブ会場。 その裏のベンチに男女が二人座っていた。 一人は長身のサングラス、胸にゲソ、そして黒マントを羽織った見るからに怪しい男。 彼こそ佐賀を救う男(自称)、そしてフランシュシュのプロデューサーである巽幸太郎である。 もう一人は押しも押されぬ国民的アイドルグループであるアイアンフリルのセンター、“鋼鉄の巨人”異名をもつ詩織。 見るからに異様な組み合わせだが、ただ彼らは座高という点では釣り合いが取れていて、 一見チグハグした外見も傍目には釣り合いが取れているように見えた。

    1 21/01/10(日)21:22:31 No.763941041

    「いや、だから乾さんですよね?」 「違います」 「サングラスでコートでゲソを胸に差した人なんて、この世に二人もいないと思うんですけど」 「……俺には三人の兄さんがいる!!!!」 「えっ、本当ですか!?」 「嘘に決まってるでしょ」 そう突っ込みながらベンチの空いている片側に座ったのは 元アイアンフリルにして現フランシュシュ、 『伝説の平成のアイドル』、『不動のセンター』、『メロスは激怒した』、『おにく!』こと水野愛であった。 「ええっと、あなたは…」 「初めまして。ゾンビィ三号よ」 「つまり私の二号さん…ですか?」 「アァン!?」 「落ち着け」 幸太郎は今にも噛みつきそうな勢いのゾンビィを取り敢えず押し留める。

    2 21/01/10(日)21:23:07 No.763941340

    「というか『ウチ』のプロデューサーに余計なちょっかいかけないでくれる?」 「『私達』のプロデューサーですけど?」 「…どういうこと?」 愛は説明を求める目を幸太郎に向けるが、彼のサングラスの中の瞳まではいつものように見通せない。 「だからさっきから何度も言うとるように人違いじゃい」 「じゃああのとき助手席でキスしたことも無かったことにするつもりなんですか!?」 「アンタそんなことしてたの!?というか私以外の女を助手席に乗せてたワケ!?」 「佐賀の神に誓ってそんな不埒なことしとらんわボケェ!!」

    3 21/01/10(日)21:23:56 No.763941745

    ついつい二人のノリに乗せられてヒートアップしてしまったが、幸太郎はこの修羅場をどう逃れるか策を練っていた。 なぜならもう彼女の知る“乾”幸太郎は死んだのだから。 「へぇ…興味のある話ね」 「わかってくれましたか!」 彼が思いを巡らせている最中、どうやら彼女達は意見が合致した様子を見せた。 「色々聞きたいんだけどいいかしら?」 「今の乾さんについても聞かせて下さい」 二人の美少女に挟まれる男。 普通ならば両手に華というところだろうが、幸太郎にとっては茨が全身を絡めとられるような思いだった。 そんな彼が取ったのは佐賀、肥前藩に伝わる十八番の策、つまるところ 「ホワイジャパニーズピーポー!」 「あっ!」 「待ちなさいよ!」 逃げである。