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21/01/06(水)21:54:28 ティラ... のスレッド詳細

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21/01/06(水)21:54:28 No.762651075

ティラントー ジャロウデク王国の幻晶騎士である

1 21/01/06(水)21:55:43 No.762651476

数名の騎操士が、工房で女ドワーフからティラントーについての説明を受けていた。 製造されたティラントーの整備、調整でこの施設は金属音が鳴りやまない。 「なるほど網型結晶筋肉、これがティラントーの出力の秘訣ですか!」 「そうだわね! ところでお師さんメイスの方も説明きくかいね!?」 「ええ、自らの肉体はよく知っておかなければいけません!!」 幻晶騎士は騎操士にとって肉体の延長である。これは騎操士の共通認識だ。 女ドワーフに大声で尋ねる長身の騎操士ストラトフ・ディンガーは、いつものように装甲から武器の細部に至るまで全体の説明をねだる。 「しかし結晶筋肉の駆動音がいつもより低いですね……」 「お気に召さないと言われても駄目さ、こいつは徹底的に規格化されてるんだからね!」 女ドワーフ、ミーシャン・リールは口をへの字に曲げ腕を組みストラトフを見上げる。 「お前も騎士なんだ、文句言わずにお上の与えたもんを使いこなしてみるんだねっ!」 「使いこなしてみろって、普段とはずいぶん態度が違うようだけど」

2 21/01/06(水)21:56:19 No.762651675

丁度ストラトフの右横の辺りから声がする、声へとミーシャンは向き直る。 「もしかしてミー、この機体気に入ってる?」 「男前だし乗り心地もヴォラキーロより断然いいね!! 技術の進歩万歳さぁ!!!」 ミーシャンは表情に熱っぽさを浮かべ、結晶筋肉等の内部構造が丸見えのティラントーの足へと絡みつく。 「とはいえ、お師さんやお前にとってはこいつらは良い機体じゃないかもね  アタイの運命の機体じゃああるが、お前たちの好きな機動性はまるでないからねぇ」 「説明の上では機動性を補うだけの性能はあるようですが、想像がつきませんね」 ミーシャンはやはりストラトフの横に語り掛けるがそこには誰もいないように見える。 「当り前よ、だがそりゃ乗ってみてからのお楽しみだね。  照準から何から何までエスコートしてくれる。ガサツなドワーフ男よりずっと紳士さね!!」

3 21/01/06(水)21:56:49 No.762651824

「ではそろそろ乗ってみましょうか?  勝手が違う機体であろうと、あるがままを受け入れなさい。術式も歌も、この世界のあるがままを文字や音に写し取ったものです。  よく見て、よく聞き、受け入れれば、必ず貴女の力になります。これから起きる大戦争も人に聞かせられる程度の歌にできる。  それはそれとして、最初に乗るのは私ですがね」 ストラトフは柔和な笑みを浮かべ、詠うように述べた。 彼はティラントーへと乗り込み、燃えた。 工場は消えていた。そこは炎に包まれた草原だった。 数体のティラントーが背面武装を中空へと向けたまま、燃えていた。 鬼神と相対し死力を尽くし、何もできずに敗北したのだ。 ストラトフのティラントーは装甲は右肩にかけて大きく穴が開き、辛うじて右腕がくっついているが命令を受け入れることはないだろう。

4 21/01/06(水)21:57:56 No.762652181

ミーシャンのティラントーは下半身がなくなっている。 どちらも騎操士が生きていようが生きていまいが、脱出は難しいだろう。熱気が喉を焼き大好きな歌も歌えなくなるだろう。 大きな音を立ててストラトフのティラントーの腕が落ちた。バランスが崩れそこに倒れてしまう。 それでも仲間を助けようと、『彼女』は炎の中へと走った。だがいつまでも距離が縮まない。 そこでやっと気が付いた。自分には足がない、手もない。ここに居ないのだ。 これは夢だ。夢なら師が助かるよう懸命に願う。 「あるがままを受け入れなさい」 強く心に思い描いた師はそう呟いた。 残酷な言葉は救いのように、呪いのように彼女の意識を覚醒させていった。

5 21/01/06(水)22:29:31 No.762661713

長い

6 21/01/06(水)22:31:59 No.762662392

重い…

7 21/01/06(水)22:35:18 No.762663325

ティラ文書やめろ

8 21/01/06(水)22:48:25 No.762667246

そんなよかれと思って

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