虹裏img歴史資料館

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20/12/13(日)00:00:32 「今の... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1607785232836.png 20/12/13(日)00:00:32 No.754629698

「今ので最後か、楽な仕事だったな」 その言葉を聞いて手を組み真上へと伸ばす。個人的には楽とは言い難い量だったが、戦場で少女たちへひっきりなしに指示を出すのに比べれば訳はない。いつの間にか置かれていたカップに口を付ける。仕事に夢中になるあまりすっかり冷ましてしまったようだ。 「そろそろ島に行ってた連中が帰ってくる頃だ。迎えに行くぞ。」 ふと時計を見ると針が潮時を示していた。深く息を吸い込み重い腰を上げる。KAN-SENたちの出迎えも自分の立派な仕事だ。

1 20/12/13(日)00:01:38 No.754630143

ヴィーナス諸島が現れてから早2週間、KAN-SENの皆と島から来た少女たちもすっかり打ち解け、今では共に行動しているのを見る事も珍しくない。自分も島の調査と称してKAN-SENたちと共に連日島の少女たちとの交流に勤しんでいたのだが、この海賊娘はそれがお気に召さなかったようだ。普段なら横にぴったり並んで歩くぐらいなのだが今はすれ違うKAN-SENたちの目を気にすることなく手をつなぎ放そうとしない。彼女の薬指にはまった銀色の指輪が西日を受けて橙色に煌めく。 「そろそろ機嫌直してくれないか?」 「誰のせいだと思ってんだ…」 彼女が横目に睨みつけるが、窓から差す西日に照らされた顔は赤みがかっているように見えてまるで怖くない。 顔がほころびそうになるのを堪え言葉を続ける。 「セイレーンとの戦いにも力を貸してくれるらしいし、親睦は深めておくべきだろ?」 「そうだな、一緒にバレーしたり明石の店で買い食いしたそうだな」 「…よくご存じで」 「駆逐艦の連中から聞いた。ピンク髪の女の揺れる胸を目で追いかけていたともな」 壁に耳あり障子に目あり。この分だと他に何を聞いたか分かったものじゃないな。

2 20/12/13(日)00:02:55 No.754630673

「目は口程に物を言う、重桜の言葉だったか。お前にピッタリじゃないか」 「いやあれは男の性というか、同性でも釘付けというか」 「言い訳するな」 けんもほろろか。他の娘の相手をして拗ねる事はこれまでにもあったが今回は少し根が深いようだ。 思えばヴィーナス諸島が出現してから二人で過ごす時間が明らかに減っている。島の少女たちとの交流もあるが、母港に戻った後も報告書の作成やら何やらで会話は事務的なものばかり、仕事を終えれば辺りは真っ暗で酒を飲み交わす余裕すらなく風呂に入ったら布団に即倒れ込む有様。これでは拗ねるのも無理は無い。 今の彼女には言葉を重ねたところで無意味だろう。やはり行動で誠意を示すのが一番か。

3 20/12/13(日)00:03:16 No.754630826

「悪かったよ。お詫びに今夜は仕事終わったらちゃんと付き合うから」 「それだけで足りると思うか?」 「…なら明日も1日中ジャンに付き合うよ、約束する」 「いいだろう、今回はそれで勘弁してやる」 これでもう後戻りはできない。期日が近い書類は全部片づけてあるし問題は無いはずだ。島の娘たちや母港の皆には適当に理由でっち上げて明日は用事があると伝えておかなくちゃな。 そんなやり取りをする自分たちの間を、常夏の島の暖かさが恋しくなる空気が流れていく。 母港は間もなく、冬を迎えようとしていた。

4 20/12/13(日)00:04:22 No.754631310

『俺も着替えてくる。先に終わったら待ってろ』 そう言い残しジャン・バールが奥の部屋に入ってから30分以上が経過した。普段ならあっという間の時間なのにこうして誰かを待つ間は1秒が1分のように感じてしまうが、それと同時にそんな時間はどこか心地いい。 ここはヴィーナス諸島の一番大きな島に建てられたコテージ。遊び疲れた少女たちがリラックス出来るようにと用意した憩いの場だ。浴室やキッチン、仮眠室など1,2泊程度なら可能な設備と広さを兼ね備えている。 あの後明石が島の転送装置を解析して作り上げたレプリカを使い、俺たちは島へと飛んだ。その時ジャン・バールが何か包みを抱えていたが後で見せるから黙っていろの一点張りだった。それもあり彼女が戻ってくるのがとても待ち遠しい。

5 20/12/13(日)00:05:02 No.754631580

「…まさかな」 ふと、ある可能性に思い当たり、すぐさま考えを改める。以前ジャン・バールと共に明石の店に立ち寄った際に見かけた一着の水着。いや、本当に水着なのか今でも信じがたいが明石曰く「みさき達の所じゃこれも立派な水着だそうだにゃ」と言っていたので間違いないのだろう。 ジャン・バールに『そういう水着が好みなのか?』と聞かれた時は反射的に否定してしまったが、アレをもし彼女が 着てくれたならどんなに良いか。まぁ彼女ならどんな水着を選んだとしても見事に着こなした姿を見せてくれそうだが。

6 20/12/13(日)00:06:49 No.754632290

「待たせたな」 ドアの開く音と共に彼女の声が奥の部屋の方向から響く。ようやく着替えが終わったようだ。 「いいよこのぐらい。むしろ待つのも…」 嫌いじゃない。そう続くはずだった俺の言葉は発せられる事なく飛散した。 「嫌いじゃない、か?相変わらず物好きなヤツだ」 黒い光沢を纏うレザー生地、各所に付けられたバックル、最低限の部位しか隠せていない男の情欲を煽るために作られたような煽情的なデザイン。 彼女が身に纏っていたのは紛れもなく、あの時明石の店にあったボンデージ水着そのものであった。 ss363102.png

7 20/12/13(日)00:07:41 No.754632674

「そ、その水着…」 「お前と別れた後にな。似合うか?」 「も、もちろん。すごくよく似合ってる」 なんて不意打ちだ。愛しい女性の艶姿にこんな無難極まりない言葉しか返せない自分の語彙が恨めしい。こんなことならリットリオかウェールズあたりに女性の誉め方でも習っておくべきだった。 「言葉を飾る必要は無い。俺にとっては美辞麗句なんかよりも…」 ジャン・バールが俺に歩み寄る。ふわりと漂う石鹸の香りが鼻をくすぐった。 「お前のその顔と反応が見られただけで十分だ」 自分の頬を撫でる白く細い指と、いつもなら滅多に見せない髪を解いた顔、そして水着によって際立っている整った ボディラインが鼓動を乱す。時間が経つにつれ、全身から熱がこみ上げてくるのを感じてしまう。

8 20/12/13(日)00:08:44 No.754633123

「…本当に、よく似合ってるよ。すごく素敵だ」 「…そんなにこの恰好が好きか?」 「勿論。ずっと見ていたいぐらいには」 「他の女に鼻の下伸ばしていたくせに…調子の良いヤツだ」 そう言いながらもジャン・バールが俺の胸にしな垂れる。彼女の柔らかい感触がダイレクトに伝わり心臓がより一層早鐘を打った。傍にあるダブルベッドに押し倒したくなる衝動を必死に抑えながら背中に手を回す。彼女がこうしたスキンシップの方が好きなのは知っているし、今夜と明日はジャン・バールに付き合うと言った以上彼女のやりたい事に付き合ってあげたい。

9 20/12/13(日)00:09:45 No.754633529

「温かいな。この温もりも、ずいぶん久しい気がする」 ジャン・バールが身を離し、柘榴石を思わせる紅い目に俺の顔を映す。示し合わせる事無く互いに顔を近づけ唇を重ね合わせた。 「んっ…んむ…んぅ…」 唇を深く、深く重ね合わせる。唇をノックする彼女の舌を迎え入れ、お互いの舌先が触れ合った。彼女の舌先がこちらの口内に触れる度に心地良い痺れが全身に駆け巡る。恍惚とした表情で口内を隅々まで味わう彼女から目が離せず、釣られてこちらも意識が朦朧としてくる。離れては二度三度と、止まっていた時計の針を無理やり押し進めるようにただひたすらに互いを味わい続けた。

10 20/12/13(日)00:10:40 No.754633910

「Mon amour…」 最初のキスからどれだけ経っただろうか。上気した顔でジャン・バールが呟く。彼女の口元から延びる銀糸と、幾度となく繰り返した口づけで赤みがかった肌に黒いレザーのコントラストが実に艶めかしい。そんな色っぽい彼女の姿に見とれていると今度は顔を近づけ首筋に、胸元にと赤い印を付けていく。くすぐったさに僅かに身じろぎするがささやかな抵抗にすらならず跡を付けられていく。このままこの感触を楽しむのも悪くないが為すがままというのは男として納得がいかない。負けじと彼女の胸元にキスをし、彼女が付けたものと同じ赤い跡を付ける。 「お揃い、だな」 「そういうのは好きじゃないんだが、お前となら悪くないな」

11 20/12/13(日)00:11:34 No.754634261

愛情の証を愛おし気に撫でるジャン・バールがはにかんだ。出会ってまだ間もない頃ならまず見られかったであろう表情に胸の鼓動が高鳴る。 ケッコンして夫婦同然の間柄となりもうそれなりの時間は経ったが、気持ちが冷めるどころか彼女の事を知る度惚れ直すことで自分がどれだけ彼女に惚れ込んでしまっているのかを自覚させられる。度重なるスキンシップとこみ上げてくる彼女への想いでいよいよ辛抱が効かなくなりそうだ。 と、急にこみ上げてきた欠伸をかみ殺すことが出来ず洩らしてしまう。 「眠いか?まぁ無理もないな」 「すまん、せっかくの二人きりの時間なのに…」 言い終わる前にジャン・バールは自分の傍を離れベッドの上に上がり込んだ。お前も来いという彼女の目配せに従いベッドに上がる。すると突然腕を引っ張られ倒れ込んでしまった。

12 20/12/13(日)00:12:39 No.754634690

「朝からあの連中の接待、昼からは母港の運営業務、いつかはガタが来て当然だ」 「明日も俺に付き合うんだろう?なら、今夜は休め」 そう言うとジャン・バールは腕を回し自らの胸に抱き寄せた。形の整った彼女の乳房の感触と高鳴る彼女の鼓動がよりダイレクトに伝わってくる。 「…ごめん。気を遣わせちゃったな」 「分かったらさっさと寝ろ。ぶっ倒れても知らないぞ」 「そうだな、今日は良い夢が見られそうだ…」 彼女の温もりのおかげか、ベッドの心地よい感触か、徐々に瞼が下がってくる。この眠りならきっと明日は最高の朝を迎えられるだろう。 「Bonne nuit, fait de beaux rêves…」 意識を手放す直前、そんな彼女の言葉が聞こえたような気がした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

13 20/12/13(日)00:13:38 No.754635137

閉じた瞼から僅かに射し込む光が深い闇の中に沈んでいた意識を覚醒させる。開いた目に映ったのは、自分の手に指を絡め安らかに寝息を立てる愛妻の姿だった。久しぶりにこの寝顔を眺めているのも悪くないか。窓の外から僅かに聞こえる波の音を聞きながら暫し彼女を眺める。このまま二度寝するのも悪くないかな、と思い始めた矢先に彼女の瞼がゆっくりと開き美しい赤目がこちらの姿を捉えた。 「…起きていたのか、よく眠れたか?」 「お陰様で。どうする?もう起きる?」 ジャン・バールは寝転がりながら少し思案するような素振りを見せた後、こちらの方へ身を寄せてきた。 「俺はもう少し横になる。傍にいろ」 こちらの手を握りジャン・バールが呟く。自分としても久しぶりにゆっくりできる時間を有意義に使えるなら異論はないし、彼女を眺めているだけで十分だ。 いずれは起きるにしても、今はもう少しこの時間を堪能していたい。

14 20/12/13(日)00:14:13 No.754635367

「しきかーん!いますかー?」 「ちょっとジャベリン、静かにしなさい。まだ寝てたらどうするんですか」 「談話室にもお風呂場にもいなかった…。指揮官…本当にここにいる…?」 「能代も見たって言ってたから間違いないのです」

15 20/12/13(日)00:15:02 No.754635712

…ドアの向こうから母港でもよく耳にする声が聞こえる。そういや明日は朝から島の調査に行くからこっちに泊まるみたいなこと言ったんだっけな俺。 「…チッ、静かに寝かせてもくれないらしいな」 頭を掻きながらジャン・バールが起き上がる。肩までかかっていたシーツがはだけ、上半身の白い肌と黒い水着が露わになる。 「って今の格好でジャベリンたちと遭遇したらマズ…」 「おはようございます指揮官!ジャベリンお仕事手伝いに…」 「だからジャベリン、静かにしなさいってさっきから…」 「…?二人ともどうしたんです…」 「?」

16 20/12/13(日)00:15:58 No.754636106

勢いよく扉が開くと同時に次々とジャベリンたちが元気な声とともに部屋の中へと入ってくる。が、その声はどれも最後まで聞こえる事は無く、部屋を沈黙が支配した。ベッドから起き上がった体勢で寄り添う俺たち。昨夜から水着姿のジャン・バール。そしてそれを固まった状態で見つめるジャベリンたち。 「キ、キャ―――!!指揮官エロはいけませ―――――ん!!」 …その後ウソをついたことを謝り、赤城たちには黙っている代わりに1日中ジャベリンたちに付き合わされることになるのだが、それはまた別のお話 ~終~

17 20/12/13(日)00:16:34 No.754636319

能代はさぁ…

18 20/12/13(日)00:18:12 No.754636965

以上になります ここで見かけたドスケベ水着ジャン君の画像を題材にした話が見たくなり書いてみました 独自設定やオリ指揮官その他色々粗はありますがどうかご容赦ください…

19 20/12/13(日)00:19:28 No.754637543

いいんだ...ありがたいものを拝見させて頂いた

20 20/12/13(日)00:21:50 No.754638585

想像の5倍くらい長い大作だった やっぱりジャンくんいいなぁ…

21 20/12/13(日)00:27:49 No.754640978

美しいものを見た

22 20/12/13(日)00:29:53 No.754641775

やきもち焼くジャン君可愛すぎる...

23 20/12/13(日)00:34:48 No.754643731

いいねェ…

24 20/12/13(日)00:36:25 No.754644407

いい…

25 20/12/13(日)00:38:49 No.754645452

ポツポツジャン君スレが立ってはアイリス書院が出て極めつけはこんな大作が出てジャン君好きの俺にありがたい...

26 20/12/13(日)00:40:33 No.754646281

交尾シーンが見たいわ!交尾シーンを見せて頂戴!!!!

27 20/12/13(日)00:41:33 No.754646676

さっきシキカーンも大作見たしDOAコラボで発散どころか溜まってたのかにゃあ?

28 20/12/13(日)00:43:11 No.754647388

ジャン君いいよね…

29 <a href="mailto:[s]">20/12/13(日)00:47:03</a> [[s]] No.754648833

>交尾シーンが見たいわ!交尾シーンを見せて頂戴!!!! アイリス書院という先駆者様がいるので…今の自分のボキャと表現力じゃ敵う気がしません… 正直今回のはちょっと納得いかないところもあるのでまたジャン君怪文書リベンジしようと思ってます 思いの外好評で良かった…

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