虹裏img歴史資料館

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20/12/02(水)21:11:38 泥の平... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1606911098747.jpg 20/12/02(水)21:11:38 No.751561617

泥の平安 http://seesaawiki.jp/kagemiya/ https://zawazawa.jp/kagemiya/

1 20/12/02(水)21:28:09 No.751567417

静かだ

2 20/12/02(水)21:29:48 No.751568003

https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%b0%c2%c7%dc%c0%b2%cc%c0 https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%e9%c3%b2%b0%c6%bb%cb%fe https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%b8%bb%cd%ea%b8%f7 https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%c6%a3%b8%b6%ca%dd%be%bb https://seesaawiki.jp/kagemiya/d/%b1%af%b8%e6%c1%b0 泥平安組まとめ

3 20/12/02(水)21:41:45 No.751572382

「ほら、見立て通り。とても良くお似合いですよ」 雨萱が音を控えた拍手をする。そんなちょっとした仕草までよく似合う人だった。 きっと他の人がするなら何気ない動きでさえ彼女にかかれば美を引き立てる所作となるに違いない。 「でも、なんでも普通なわたしなんかには、ちょっと…お洒落すぎるかなって…」 そんな人に褒められるものだからくにもつい恐縮してしまう。 雨萱に選んでもらった服は確かにくにから見ても調和が取れていた。 もこもことした可愛らしいニットのセーターにちょっとシックなデザインのモッズコート。 くにの年齢でも背伸びしすぎないくらいに大人の雰囲気が漂っている。 服を着替えただけなのに鏡の中の自分はまるで自分ではない誰かみたいだ。 そんなことはありません、とくにを嗜める雨萱。彼らは園の隣街にある小さなブティックにいた。 この街は日帰りで行って帰られる距離にあることから園内の生徒たちにとって羽の伸ばし先となっている。 くにも数こそ少ないが訪れたことが無いわけではない。だが雨萱と一緒に来ることになるとは思いもしなかった。 こんな奇跡みたいに綺麗な人と並んで街を歩くのは奇妙な緊張感があった。

4 20/12/02(水)21:41:59 No.751572459

たまたま「思ったより着られる服が少ない」と口にしただけなのだ。 すると雨萱が「では服を買いに行きましょう」といつもののんびりとした調子で言い出した。 入園して秋から冬へと季節が移るうちに雨萱とは不思議な縁で親しくさせてもらっていたが、意外と押しの強い人というのはいよいよくににも分かっていた。 あれよという間に次の休日の約束が決まり、今はこうして服を選んでいた。 尤も実態は雨萱の手でくにが着せ替え人形となっているというものだったが。 「普通であることはお洒落をしてはいけない理由になりません。  むしろ反対です。そう思うあなたにこそお洒落は寄り添ってくれるのですよ」 「わたし、だからこそ、ですか…?」 怪訝な顔で小首をかしげるくにへ雨萱がはいと微笑んで答えた。 「より美しく見られたい。世界中の何処でも存在する女性の心理です。  その中にはくにさんのように自分を普通だとか、自身がないとか、そう思う方もいたでしょう。  お洒落はそういう人のためにもあります。その人たちもより美しくありたいと願い、研鑽し、後人の為に遺したからです」 雨萱はまるで園の講師のように知的な光を唇に宿し、静かに諭した。

5 20/12/02(水)21:42:12 No.751572536

「より良い自分へと生まれ変わる。自己の変革。これもまた一種の魔術でもあります。  普通だからお洒落をしてはいけないのではないのです。普通だからこそお洒落をしてもいいのです」 そう言ってにこりと笑う雨萱の言葉こそくににとっては魔法だった。 くには改めて姿見に自分を映した。普段の野暮ったい自分ではない、少し大人びたお姉さんがそこにいた。 そんな自分の姿をさっきよりも受け入れられる気がした。 お洒落をしてもいいんだ。雨萱ほど綺麗な人が言うんだからそうなんだ。 わたしは普通だけれど、そんなわたしがお洒落をするのが普通なのなら─── いつかこの美しい人と一緒に並んで歩いても恥ずかしくないような自分になれるのかな。 「えへへへへ…」 つい唇がにやけた。なんだかこそばゆくて、気恥ずかしくて、むずむずする想像だったけれど…。 凄くいい感じがした。心がぽかぽかと温まって、じんわりとそれが胸の隅々まで行き渡っていった。 ふと気がつくと雨萱がレジで全て支払っていて、いつも親切にしてくださるお礼ですと言って聞かなくて。 何軒も梯子した結果くにのクローゼットの中が素敵な服で一杯になったのは、ここだけの話。

6 20/12/02(水)21:43:06 No.751572904

これが光のおねロリ…!

7 20/12/02(水)21:50:06 No.751575487

どんどんくにちゃんが駄目になる

8 20/12/02(水)21:59:34 No.751578726

かわいい

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