20/11/22(日)12:25:50 また新... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1606015550129.png 20/11/22(日)12:25:50 No.748405633
また新しい世界だ。 梨花は学校へ重い足を引きずりながら歩いていた。 前の前の世界では圭一に助言をしたのに惨劇を止められず、最後は何かわからない内に死んだ。 前の世界では圭一が人形を魅音に誘導したのに、結局うまく行かなかった。 今の自分の所在地すらままならない。何をすれば惨劇を避けられるのか、その記憶も五年の平和の中で朧気になってしまっている。 (また私は殺されるのか……) 前の世界の死の間際の記憶はない。よほど乱雑な殺され方をしたのだろうか……。 最後に残っているのは、圭一の戸惑いの表情。 (……悪いことをしてしまったわね) うまく行かない苛立ちを、圭一にぶつけた。前のループのときはずっとそばにいた半身が、この世界にはいない。だから、思わず仲間に当たってしまった。 私は本当は、圭一を導き助けてあげなければならないのに……。 (……会ったら謝ろう) 前を行く沙都子は元気だ。その姿を見ていると少しだけ元気が出る。そのまま、勢いよく教室の扉を開いた。 「お、早いねぇ二人とも」 その声を聞いた瞬間……心が凍った。
1 20/11/22(日)12:26:11 No.748405725
魅音は困惑していた。梨花が自分の方を向いたまま顔を青ざめて黙りこくっている。 「どうしたの梨花ちゃん?体調悪いの?」 心配から、魅音は梨花に近づき、額に手を当てようとした。その瞬間、梨花は外敵から身を守るように勢いよく後ずさった。 「あ……あぁ……」 「り……梨花……?」 沙都子がおずおずと声をかける。親友のこんな姿はいままで見たことがない。 梨花は身体中をかきむしっていた。まるで自分の身体自体が穢らわしく感じられるかのように、血が滲んでもなお爪を立てるのをやめない。 「梨花ちゃん?どうしたの?レナとお話ししよう?」 レナがゆっくりと、敵意がないことを示すために両手を差し出しなから、梨花に近づく。 焦点も歯の根も合わない梨花は、レナの優しい腕に抱き締められながら激しく嗚咽した。 「嫌……嫌々嫌々嫌々ぁ!臭いのも気持ち悪いのも嫌……助けて……」 「大丈夫、ここにはそんなものは何もないよ。大丈夫……」 何度も何度も胃の内容物を吐き出す梨花。それに衣服を汚されながらも、レナは優しい笑顔のまま梨花の背を撫でる。 「ゆっくりでいいからね。ゆっくりでいいから、レナにだけ話して?ね?」
2 20/11/22(日)12:26:25 No.748405777
圭一は梨花の姿を見て当惑した。レナが優しく梨花を介抱するのを見ながら、魅音に詰め寄る。 「なぁ魅音……何があったんだよ?何をしたんだよ?」 「わ……わからないよ!私は普通に話しかけただけで……」 急に大きな物音が響いた。レナが自分の鞄をロッカーに投げつける音だった。 梨花の頭を慰めるために撫でつづけるまま、鷹のような目でこちらを振り向くレナに、圭一は戦慄した。 だがその瞳は自分に向いていない。魅音を真っ直ぐに射抜いていた。 「魅ぃちゃん……梨花ちゃんに何したの?」 「し……知らないよ!どうして圭ちゃんもレナも、私を……」 「梨花ちゃん自身が言ったんだよ?魅音が……って。魅ぃちゃんは梨花ちゃんが嘘をついてるって言うのかな?」 「お……思わない!私は梨花ちゃんの味方だよ!でもそれなら信じてよ!私が梨花ちゃんに酷いことするわけないじゃん!」 「魅音……俺はお前を信じてる。お前は最高の仲間だし親友だ。だからお前がやったことを聞いたって軽蔑したりしない。だから話してくれ……一時の気の迷い、だったんだよな……?」 「魅音さん……」
3 20/11/22(日)12:26:36 No.748405821
圭一と沙都子、二人の目が自分を射ぬいて、魅音は泣きそうな表情を浮かべた。 「違う……違うんだよぉ……私じゃない……私じゃない……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……臭いのは嫌汚いのは嫌……許して……許して……」 魅音のすすり泣くような謝罪と、梨花の虚ろな謝罪、その声が狭い教室の中で重なる。 嘲笑うようにひぐらしの声が響いた。
4 20/11/22(日)12:27:52 No.748406133
マジかよ梨花ちゃん最低だな
5 <a href="mailto:s">20/11/22(日)12:27:54</a> [s] No.748406147
昨日の怪文書で綿騙し8話も可愛い梨花ちゃまの種に出来ると思いました おまけでおじさんもかわいくしておきました
6 20/11/22(日)12:28:34 No.748406305
圭ちゃんはおじさん信じてて梨花ちゃまはトラウマになってる…
7 20/11/22(日)12:28:58 No.748406402
かわいいとは一体…
8 20/11/22(日)12:29:32 No.748406551
よわよわおじさん…
9 20/11/22(日)12:29:53 No.748406640
魅音何もしてないのに…
10 20/11/22(日)12:30:51 No.748406872
圭ちゃんの問い詰め方が憑落しと同じ!
11 20/11/22(日)12:31:23 No.748407015
>圭ちゃんはおじさん信じてて梨花ちゃまはトラウマになってる… 信じてるけど同時になにかやったって言ってね?
12 20/11/22(日)12:31:49 No.748407130
おじさんがやった事だけどそれをおじさんが知覚してない以上責め立てても仕方ないしそんなことは梨花ちゃんもわかってはいるけどそれはそれとしてトラウマになるのいいよねよくない
13 20/11/22(日)12:32:52 No.748407401
詩音がなんかしたと疑われそう
14 20/11/22(日)12:32:59 No.748407442
まあ信じるとか信じないの前にあからさまにおじさんに怯えてるから心当たりとかないの?って聞くのは普通だ
15 20/11/22(日)12:33:34 No.748407607
弱々メンタル梨花ちゃま良いよね…
16 20/11/22(日)12:33:36 No.748407614
そもそも記憶の連続性が無い以上別のカケラのおじさんは全く別の人間であるので責められるのは不等であると考える
17 20/11/22(日)12:33:44 No.748407653
「魅音!なにやったんだ!!なにもやってないなら謝る必要ないよなあ!!!謝るってのことはなにかやったんだ!!そうだろ!?謝れよ!梨花ちゃんに!謝れよ!!なぁ聞いてんのか園崎魅音!!!」
18 20/11/22(日)12:34:09 No.748407758
>「大丈夫、ここにはそんなものは何もないよ。大丈夫……」 >何度も何度も胃の内容物を吐き出す梨花。それに衣服を汚されながらも、レナは優しい笑顔のまま梨花の背を撫でる。 >「ゆっくりでいいからね。ゆっくりでいいから、レナにだけ話して?ね?」 レナはこういう役回り似合うな…
19 20/11/22(日)12:34:35 No.748407889
>「魅音……俺はお前を信じてる。お前は最高の仲間だし親友だ。だからお前がやったことを聞いたって軽蔑したりしない。だから話してくれ……一時の気の迷い、だったんだよな……?」 気の迷いで事件を起こした自分からの最大限のフォローなんだろうが 届くだろうか…
20 20/11/22(日)12:35:14 No.748408038
>そもそも記憶の連続性が無い以上別のカケラのおじさんは全く別の人間であるので責められるのは不等であると考える このカケラでは梨花ちゃんも魅音も誰も悪くないんだよね…
21 20/11/22(日)12:36:56 No.748408498
完全にロリ34さんと同じトラウマになってる…
22 20/11/22(日)12:36:56 No.748408501
>「魅音!なにやったんだ!!なにもやってないなら謝る必要ないよなあ!!!謝るってのことはなにかやったんだ!!そうだろ!?謝れよ!梨花ちゃんに!謝れよ!!なぁ聞いてんのか園崎魅音!!!」 「圭一くんの言う通りだよ。謝るだけじゃ何したのかわからないよ?信じて欲しいって言うならまずちゃんと話してくれないとどうしようもないよ……?大丈夫、レナは魅ぃちゃのこと信じてるからね……。……何か言ってよ。私だけ喋りづくめ!?黙ってんじゃないわよ!聞いてんの園崎魅音!!」
23 20/11/22(日)12:37:43 No.748408744
神様ー!神様見てるならなんとかしてくれぇー!!!
24 20/11/22(日)12:37:59 No.748408824
(おぼろげに浮かぶ最低な台詞を吐きながら梨花ちゃんを突き落とす自分の姿)
25 20/11/22(日)12:38:39 No.748409007
>このカケラでは梨花ちゃんも魅音も誰も悪くないんだよね… いや「魅音が」って漏らしたせいで魅音に矛先が向いた以上は梨花ちゃんが悪いよ