20/10/28(水)20:13:19 ……自覚... のスレッド詳細
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20/10/28(水)20:13:19 No.741109756
……自覚してしまえば、あっけないものだった。 なんのことはない、真夏の太陽が恨めしい昭和58年8月、私は圭一への想いを自覚した。 断片的に蘇る『皆殺し編』の記憶。私に力強く、運命がいかに容易く打ち破れるかを説いてくれたその表情。沙都子を救うために誰よりも強い輝きで戦い続けた姿。私の両肩を掴んで梨花ちゃんのいない世界なんて嫌だと言ってくれた……。 …………そこまで思い出してしまうと、もうだめだった。皆と遊んでいる時に思い出して、少しくらっと来てしまって、そこで圭一にお姫様抱っこされたのになるべくポーカーフェイスを保った自分を褒めてやりたいと思う。
1 20/10/28(水)20:13:36 No.741109855
自覚したら……行動しようと思った。 なにしろライバルは多いのだから、うかうかしていたらすぐに圭一は誰かのものになってしまうだろう。 圭一を街に誘う。 「なんだ、買い物か? なら沙都子も一緒に連れてこうぜ、おーい沙都子!」 ……違う違う!そうじゃないの! 結局三人で楽しく買い物を楽しんで、三人で賑やかな夕食を囲んだ。 とても楽しかった。 ……って違う!それじゃダメなの! 呆れる羽入を尻目に枕に顔を埋めてバタバタした。
2 20/10/28(水)20:13:50 No.741109924
今度こそ、『二人で』遊びにいこうと強調して圭一を誘った。 「おういいぜ! 興宮でいいか?」 もちろんです、と思わず笑顔がこぼれてしまう。 それから圭一を誘って興宮の町を巡る。 ……巡る。 …………どこにいくかとか、全然考えてなかった。 隣を歩く圭一の表情は全然見えないけれど……なんの意味もなく歩き回るなんて楽しいはずがない。 バカバカ……私のバカ……とトボトボ歩いていると圭一に急に手を引かれた。 「梨花ちゃん、大丈夫か? 体調悪いのか?」 「な、なんでもありませんです……あ、あの……それより、手……」 ……前は、圭一の手に身体ごと抱きついたって楽しいだけだったのに。 今は、手と手が繋がっているだけで全身が心臓になったみたいにドキドキする。
3 20/10/28(水)20:14:02 No.741109986
「そっか……それより、どっかいくんじゃなかったのか? 結構歩いちまったよな」 「み、みぃ……ご、ごめんなさいです……何も決めていなかったのです……」 私がそう答えると、圭一は意外そうに目を丸くしている。 「へ……梨花ちゃんって、そういうとこソツがないと思ってたぜ」 「みぃ……」 ……そうだ。普段はもっとうまくやれるのに……もっと……。 ……圭一といると、普段はしないミスばかりしてしまう。 …………恋、してるから? そんな風に考えるだけで、ぼふん!と頭が沸騰するような感覚を覚えた。 「みぃぃぃぃ……」 「り、梨花ちゃん!? 梨花ちゃーん!」
4 20/10/28(水)20:14:13 No.741110057
「……なにもうまくいかなかったのです」 結局、熱中症かもしれないとその辺のお店で涼まされた後に、私は圭一と雛見沢への帰り道を歩いていた。 二人で出かけるといったって圭一を無駄に連れ回しただけで……。 圭一と仲を深めるどころか、呆れられたって仕方がない。 ……圭一は、そんな私の悪い想像を吹き飛ばすように、カラカラ笑った。 「はは、俺は楽しかったぜ。梨花ちゃんが慌てたり、空回りしたり……そういうのって珍しいもんな」 「……圭一はイジワルなのです」 責めるように見つめると、圭一はうぐっと気まずそうにしてから、優し気な目でこちらを見つめた。
5 20/10/28(水)20:14:40 No.741110208
「でも……俺は梨花ちゃんの色んな側面を、もっと知りたいよ」 「……も、もっと……」 「あぁ。梨花ちゃんってミステリアスっていうか……まだまだ俺の知らない一面があると思うんだよ。だからこれからもたくさん一緒に過ごしてさ……」 そう言って楽しそうに話すあなたの顔を、横から見上げる。 ……私も知りたい。 圭一のことを、もっとたくさん……。 そんな言葉を口に出す勇気はなかったけれど、か細い声で一言、呟く。 「……圭一、だけなのですよ」 「へ?なにか言った、梨花ちゃん?」 ……私がこんな一面を見せるのは、あなたにだけですから。 その言葉も、飲み込んだ。 …………私の意気地無し。 ひぐらしたちが呆れるように鳴いていた。
6 <a href="mailto:s">20/10/28(水)20:15:23</a> [s] No.741110451
梨花ちゃまは自覚したら空回りしたり守りに入ったりするのが似合うと思います 今日はにぱーの日なので書きました
7 20/10/28(水)20:16:47 No.741110974
>梨花ちゃまは自覚したら空回りしたり守りに入ったりするのが似合うと思います >今日はにぱーの日なので書きました わかる…そしてそうだ 今日は28の日だった…
8 20/10/28(水)20:16:49 No.741110986
圭梨は健康にいい
9 20/10/28(水)20:19:05 No.741111764
続きを!続きを見せて頂戴!!!
10 20/10/28(水)20:20:36 No.741112267
皆殺しの記憶の記憶ね… 忘れちゃったけどここ大事なんですよほんとに
11 20/10/28(水)20:22:17 No.741112840
>圭一を街に誘う。 >「なんだ、買い物か? なら沙都子も一緒に連れてこうぜ、おーい沙都子!」 >……違う違う!そうじゃないの! >結局三人で楽しく買い物を楽しんで、三人で賑やかな夕食を囲んだ。 >とても楽しかった。 可愛い
12 20/10/28(水)20:23:28 No.741113233
梨花ちゃまは乙女可愛い
13 20/10/28(水)20:26:04 No.741114170
めちゃ可愛い
14 20/10/28(水)20:26:49 No.741114415
ライバルは多いからな今のうちに先手打っとかないとな
15 20/10/28(水)20:32:21 No.741116402
>圭一のことを、もっとたくさん……。 >そんな言葉を口に出す勇気はなかったけれど、か細い声で一言、呟く。 >「……圭一、だけなのですよ」 あざとい かわいい…
16 20/10/28(水)20:36:56 No.741117920
本当に圭梨怪文書書いてくれる人はありがたい もっと梨花ちゃんが増えるワカメみたいに増えていいんですよ
17 20/10/28(水)20:43:01 No.741120102
>梨花ちゃまは自覚したら空回りしたり守りに入ったりするのが似合うと思います 圭一に年相応に振り回されてあたふたしてるのが似合ったりすると思う
18 20/10/28(水)20:49:40 No.741122502
100年生きたと自称して実際その通りだけど 百年生きても恋には初心なのがいいと思う