ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/10/24(土)10:26:25 No.739737819
……悟史くんに別れを告げられたとき、世界が暗転するような感覚を覚えた。 自宅に帰って泣いて、泣いて、泣いて……最後には、全てが出尽くして、空っぽになった。 私って思ったよりずっと空虚な人間だったんですね。自嘲する。 私の狭い世界の中は悟史くんへの想いで一杯で……きっとその下を、お姉や葛西や……大切な人たちが支えてくれてるけど、それでも空っぽになった心はとても埋まらなくて……。 ふらりと、街に出た。何もかもどうでもよくて。或いは、学園を抜け出したあの日のように、また悟史くんが私を見つけてくれるんじゃないかって……そんな浅ましい考えが根底にあったのかもしれない。 ……歩く。…………歩く。私を見つけてくれる人はいない。 当たり前だ。悟史くんがあの日のように声をかけて、微笑んでくれるなんて……都合のいい幻想でしかない。 気がつくと……興宮を越えて、雛見沢に出ていた。 歩く。見知ったはずの道が、何処とも知れない場所に見える。 歩く。……いっそこんな私を、鬼隠しにでも何にでもしてしまえばいい。 歩く、歩く、歩く……ああ、日が暮れて……夜の闇に私は溶け込んで、同一化して、そして消えて……。
1 20/10/24(土)10:26:43 No.739737876
「……詩音!おい詩音!どうしたんだよ!」 「圭……ちゃん……?」 消え失せそうだった私の肩を……誰かが掴む。 余計なことしないでよ。私はあのまま消えたかったのに。そう強がろうとして……代わりに嗚咽が漏れる。 そんなの嘘だ……本当は見つけて欲しかった。誰かに……私を……。 だから圭一の瞳が私を見つめたとき、安堵とか後悔とか慕情とか、色々なものが一気に溢れ出て。 泣いた。年甲斐もなく、圭一の胸にすがって……声をあげて……。 それからはよく覚えてない。気がついたら、圭一の家にいて、暖かい飲み物を振る舞われて……それでまたほっとして、涙が出て……。 「……なんだよ、詩音らしくもない。……何があったかは聞かないけどさ、ゆっくり休めよ」 そういって圭一は自分の部屋に私を案内して、自分は階下へと降りていった。
2 20/10/24(土)10:26:53 No.739737901
……空っぽだったはずの私の心。 そのなかに仄かに光る何かがあった。 それは大きすぎる想いに隠れて見えなかったもので、だけれど確かに心に灯る暖かい光で……。 ……蓋をする。 ……見なかったことにする。 明日からもまた昨日と同じ関係でいたいから。 ……この光がいつか目を逸らせないほど大きく、強くなったら……。 いつか来る未来を想い描きたくなくて、私は強く目を瞑った。 ……目が覚めて最初に見るであろう人の笑顔が、目蓋の裏に浮かんだ。
3 20/10/24(土)10:28:26 No.739738192
朝からしっとりする……
4 20/10/24(土)10:29:43 No.739738388
なんだい最近湿度の高い圭詩をよく見るが…
5 20/10/24(土)10:30:15 No.739738483
圭詩いいよね…
6 20/10/24(土)10:31:22 No.739738689
詩音が湿度の高い女だという風潮を流行らせていけ
7 20/10/24(土)10:31:57 No.739738799
圭詩ゾンビは湿度の高い話を求めている…
8 20/10/24(土)10:34:40 No.739739262
>詩音が湿度の高い女だという風潮を流行らせていけ ちょっと重いところはあるよねそこがいい
9 20/10/24(土)10:35:15 No.739739367
悟史と圭ちゃんの間で揺れる詩音は色っぽい
10 20/10/24(土)10:36:42 No.739739643
ちょっとかな…
11 20/10/24(土)10:46:44 No.739741488
詩ぃ!
12 20/10/24(土)10:57:27 No.739743383
ちょっと…?
13 20/10/24(土)11:12:45 No.739746071
葛西の手にかかれば圭詩が成立しちまうんだ!
14 20/10/24(土)11:51:42 No.739754031
恋する乙女は湿っぽくて当然