ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/09/06(日)21:05:12 No.725196097
・続きもののエピローグです ・続きものだから画像は前回と同じのですが例の部屋は出ません ・今回はアローラしません 以上のことがありますがよろしければご覧ください 前回のあらすじ レッドとブルーが アローラ した
1 20/09/06(日)21:05:38 No.725196299
早朝のマサラタウンをレッドとブルーは手を繋いで歩く。 時間帯故に人気がないため、誰かに見られるのを警戒する必要がないのでこうしていても恥ずかしさに耐えられる。 ブルーは隣を歩くレッドを見る。ちょうど彼も自分を見たようで視線が合う。 少しの間見つめ合ったが恥ずかしくなって同時に目を逸らす。そんなことを何度もしているが、お互いにそのたびに口元が緩んでいく。 好きな人と手を繋いで歩く。年頃の少女なら一度は夢見るシチュエーション。 生憎ブルーもレッドももう20代のため少年少女と呼べる歳でもなく、実際の当時の自分たちは悪人たちとの戦いや両親の捜索、ポケモンバトル修行などに明け暮れていたためにこういった色事とは無縁だった。 だが今こうして恋をしていると、失われた青春が戻ってきたかのようで胸が熱くなる。
2 20/09/06(日)21:06:37 No.725196833
「ん?」 「呼んでみただけ」 「ブルー」 「なに?」 「オレも呼んでみただけ」 なんだよ、なにそれと言いつつも笑い合う。 好きな人の名前を呼んだり呼ばれたりするだけで心が満たされていく。 そんなことを思っていると、レッドが呼びかけてきた。 「な、なあ、ブルー…」 「なぁに?」 緊張しているのか舌が回っていないようだ。 「お、お、オレたち、結婚…するか…?」 「結婚!?」 予想を遥かにオーバーした発言にブルーは仰天した。
3 20/09/06(日)21:07:31 No.725197284
「い、い、いきなり結婚はマズいわよ!それはダメ!ダメだから!」 「……え」 先程までの緊張した顔から一変してレッドの顔に恐怖と絶望が浮かんでいく。 「……ブルーは結婚、ダメ、なのか……」 どうやらフラれたと解釈してしまったようでみるみるとレッドの意気が霧散していく。 かつてナナシマで落ち込んでいた時の彼がこんな感じだったかと思い出して少し母性がうずくがそんなことよりはとブルーは慌ててフォローする。 「違うの!レッドと結婚するのはいいんだけど!今だと色々と段階すっ飛ばしちゃってるし!ちゃんとあなたのこと好きだから!」 勢いでとんでもないことを言ってると自分の中の冷静な部分が分析するけど今はそれを聞き流す。
4 20/09/06(日)21:08:32 No.725197863
「……ホントに?」 「うん!だから、その、恋人から!彼氏彼女から始めようね!!」 先程とは逆にレッドの顔に喜びが満ちていく。なんと単純なとブルーは思うがそれと同時に自分とのことでここまで一喜一憂してくれることが嬉しく思う自分も単純だと思った。 不安させた詫び代わりに軽くハグをするとまたレッドが笑いかけてきた。 釣られてブルーも笑う。 「じゃあ、お願い」 「え?なにを?」 「レッドの方から改めて付き合ってって言って」 「ええーっ!」 レッドが悲鳴を上げた。
5 20/09/06(日)21:09:24 No.725198352
「もうブルーが言ったようなもんだろ!」 「それはそうだけどアタシはレッドに告白してもらいたいの。お願い♪」 少し迷ってレッドはうなずく。 「…まあ彼女の頼みだし」 咳払いをするとレッドはブルーの肩に手を置き、 「好きだ。オレと付き合ってほしい」 「……はい」 自分で言わせたはずのセリフなのに、ブルーの目から喜びの涙が流れた。 レッドは少し戸惑ったようだが、涙を拭ってくれた。 レッドのこういう優しいところがブルーは好きだ。
6 20/09/06(日)21:09:57 No.725198621
ブルーは目を細めて唇を少し突き出してレッドにキスを促す。 レッドは理解するまでに少しかかったがちゃんと理解できたようで意味もなく一度背筋を伸ばし、ブルーの身体を抱きしめて唇同士を重ねた。 それぞれの帽子と帽子がぶつかり合い、頭から外れて2人の足元に落ちた。 瞼を閉じてしばし口付けと抱擁を味わいあう。 好きな人に抱きしめられてキスしあう。 それだけでブルーの身体の芯から暖かい感覚が湧き上がってくる。 これが幸せというものだろう。 誰も見ていない街中で交わす恋人との触れ合いを2人は楽しむ。 キスと抱擁を解き、笑い合う恋人たち。 2人は足元の帽子を拾い上げ、 「……………………」 いつのまにかいたグリーンが目を見開いてこちらを見ていたことに気づいた。
7 20/09/06(日)21:10:26 No.725198846
見られてた。誰にも見られてないからと大胆にしてたところを。 レッドとブルーの顔が羞恥で赤く染まっていく。 「…………いつから見てた?」 「…………意味もなく名前呼び合うところから」 「そんな最初の方から見てたならいるって言ってくれよ!」 「そんな出来上がってるやつらにどう声かけろと言うんだ…」 ごもっともだった。 「……そうか、そうなったのか……」 レッドをめぐる女関係を思い出したのかはたまた長い付き合いの自分達3人の関係の変化へのショックかグリーンはそう呟くとその場から逃げ出した。
8 20/09/06(日)21:10:54 No.725199071
慌てて追いかけるレッドとブルー。 「待ってくれグリーン!」 「来るな!オレをお前たちの甘ったるい空気に巻き込むな!」 「いや待てグリーン!確かにオレとブルーは好きあってはいるけどお前が思ってるようなふしだらな関係じゃ…」 「ちょっとどういうことよダーリン!昨夜あんなにアタシの身体に夢中だったじゃない!」 「いや、それはその、好きな女の子の身体好きにしていいって言われたらああなっちゃうのは仕方ないっていうか…」 「やめろ!オレにそんな生々しい惚気を聞かせるな!」 「ま、まあグリーンも落ち着いて!ほら、アタシたち昔から3人でいろんなこと乗り越えてきた仲良しトリオじゃない?」 「たった今その内の2人から置いてけぼりくらったんだオレは!」 早朝のマサラに3人の喧騒が響き渡った。
9 20/09/06(日)21:12:15 No.725199762
ということがあってから一週間後。 ブルーはレッドとの交際を楽しんでいた。 交際して以降、レッドと過ごす時間が楽しくて仕方がない。 新しい服を試着したときに似合うと言ってくれると嬉しい。 はぐれそうになった時に手を繋いでくれると嬉しい。 ワガママを言った時にしょうがないなと許してくれるのが嬉しい。 こちらから抱きついたりキスした時に照れてくれるのが嬉しい。 不安になった時に何も言わずに抱きしめてくれるのが嬉しい。 レッドからの優しさがブルーの幸福感を満たしていた。
10 20/09/06(日)21:12:41 No.725199993
だが、それでいいのかなとブルーは思う。 「レッドはアタシにしてほしいことある?」 レッドの家での夕食後、食器の片付けが終わってキッチンから戻ってきたブルーはソファーで寛ぐレッドに問いかけた。 「いや、別に今のところないなー。 一緒にいてくれるし美味いご飯も作ってくれるし」 「褒められたのは嬉しいけどそうじゃなくて」 ブルーはレッドの隣に座り、 「レッドってちょっと前まで山籠りやトレーニングに夢中だったじゃない。アタシと付き合ってからはそれも控えてるし何か我慢してることあるのかなって」 そう言われてレッドは悩み始めた。
11 20/09/06(日)21:13:11 No.725200243
しばらくうーんうーんと唸っていると、急にブルーの方を向き、 「実はそうなんだよ!今までみたいに修行とかもしたいんだ!でもブルーと一緒にいるのは楽しいし離れるのも嫌だしどうしたらいいかわかんなくて!」 レッドはそこまで一気に言った。 ここまで我慢してたとはとブルーは驚いた。 「アタシと会う頻度ちょっと少なくして修行に行ってもいいのよ?」 ちょっと、と言ってしまう自分はズルいなとブルーは思う。 「それも嫌なんだ。こう、ブルーが近くにいないと寂しくて、多分修行しても集中できないと思うんだ」 レッドはブルーにもたれかかる。 「オレ、弱くなったのかな…?」 弱気になるレッドを目の当たりにして、ブルーはそこまで彼を悩ませてしまったことへの罪悪感と弱さを見せた彼を癒してあげたい庇護欲があった。 両方を満たすべく、ブルーはレッドを抱き寄せて彼の頭を胸に抱いた。
12 20/09/06(日)21:13:49 No.725200530
「そこまで悩むならアタシも修行に付き合おうかな?アタシもまだまだ実力不足だとは思うし」 「いやブルーに修行に付き合ってほしいというわけでもなくてでも一緒にいたくて…」 ブルーの胸の中でぶつぶつと呟きながらレッドは顔を彼女の胸に押しつける。 「…悩むか甘えるかどっちかにしなさい」 「どっちもしたいんだ」 「正直な…」 ブルーはため息をつく。が、レッドは動きを止めた。 「そうか、両方とればいいんだ……」 「レッド?」 発言の意図がわからずブルーは頭に疑問符を浮かべる。 と、レッドはブルーの抱擁から抜け出すと彼女の肩を掴んだ。
13 20/09/06(日)21:14:13 No.725200740
「ブルー!」 「な、なに!?」 突然呼ばれて驚いたブルーにレッドは真剣な目を向けながら言った。 「オレからお前に大事なお願いがあるんだ!聞いてくれるか!?」 「は、はい!」 何かを決意した強い眼差しと口調でレッドが自分に何かを要求してくる。 そのシチュエーションにブルーは胸が高鳴り、なんでも言うことを聞こうと決意した。
14 20/09/06(日)21:14:41 No.725200929
「で、どうして一緒に旅に出てほしいってことになるのよ!」 翌朝、マサラを離れた旅に出て早々にブルーは苦情を言った。 「これならブルーと一緒にいれるしオレも修行できるだろ?きっと他の地域にはオレより強いトレーナーも今まで出会ったのよりもっと強いポケモンも大勢いるんだ!」 レッドはまだ見ぬ強敵との対戦を想像して目を輝かせる。 やっぱりバトルバカよねとブルーはため息をついた。 「ブルーだってなんだかんだでついて来てくれたじゃないか」 「仕方ないでしょ!レッドを一人で行かせたら何があるかわからないんだから!」 心配してくれるんだなーと呑気にブルーの頭を帽子ごと撫でながらレッドは笑うが、ブルーとしてはまたレッドに好意を持つ女の子が現れないか気が気でなかった。 レッドに好意を持つ前までは他人事だったが、恋人になったのなら話は別だ。
15 20/09/06(日)21:16:03 No.725201535
グリーンにはこの交際を口止めしていて、彼が他人の秘密を軽々しく漏らすような人間ではないことはブルーとしてもレッドも理解している。 オーキド博士やブルーの両親にも報告し、喜んでくれた。 他にも図鑑所有者の後輩たちや世話になった人たちに報告して自慢したい気持ちもブルーにあるが、 みんながみんな祝福してくれるとは限らない。 特にレッドに想いを寄せている女性は複数いて、彼女達にこの件を話さなければならないと考えると気が重い。 だからその覚悟を決めるまでの間はそのことを頭の片隅に追いやり、純粋にレッドとの時間を楽しみたかったしその悩みの種を増やすなどもっての他だった。
16 20/09/06(日)21:16:34 No.725201810
「まあ修行のためだけってわけじゃないだけどな」 「え?」 意図が分からずに首を傾げるブルーにレッドは笑いかける。 「オレ、前からブルーと旅したいと思ってたし。いつか誘おうと思ってたけど踏ん切りがついたよ」 予想もしてなかった発言にブルーは驚くがレッドは続ける。 「子供の頃はオレもブルーもやることあって別々に旅しててたまに会うくらいだったからさ。今でも一緒に遠出する時は事件が起こったからだし」 確かにそうだ。レッドは最強のポケモントレーナーになるため。ブルーは仮面の男との決着と両親の捜索のため。 ブルーの方が解決し、両親と再会した後は旅に出る理由がなくなりよほどのことが無い限りはマサラで過ごしていたし、旅を楽しむどころではなかった。
17 20/09/06(日)21:17:19 No.725202220
「だからさ、今のブルーならオレと一緒の旅を楽しめるかなって」 子供の頃のような無邪気な笑顔を浮かべるレッドにそう言われて、ブルーは自分達が初めて出会った時に戻ったような懐かしい気持ちになった。 ブルーはレッドの腕に抱きつく。ついでに胸を押しつけると面白いようにレッドの顔が赤くなっていく。 こういう反応が可愛いからレッドをからかうのはやめられない。
18 20/09/06(日)21:17:42 No.725202415
未だに照れ屋で一度落ち込むととことん落ち込むけど、強くて優しいところもあるレッド。 これから何があるかわからないけど、こんなレッドとならきっと大丈夫。 そう思いながら追い討ちにブルーはレッドに笑顔で言った。 「ちゃんと楽しい旅にさせてよ、ダーリン!」 「おう、ハニー!」 思わぬ反撃を受けて、今度はブルーが紅潮する番になった。 いつものお返しと笑うレッドに悔しいとも思うがその笑顔が魅力的に見えてブルーも笑い返した。
19 20/09/06(日)21:18:03 No.725202595
以上です 閲覧ありがとうございました
20 20/09/06(日)21:19:03 No.725203120
すごい大作だった…
21 20/09/06(日)21:19:52 No.725203536
旅の中でパープルくんが生まれるんだよね
22 20/09/06(日)21:20:52 No.725204008
文章短くするスキルないので今回も長くなってしまいました これで続きものシリーズは完結です あんまり続くと原作と別物になりすぎるので 今後レブル怪文書書くときは付き合ってないパターンになると思います
23 20/09/06(日)21:21:45 No.725204466
ほう!
24 20/09/06(日)21:23:06 No.725205146
レブル怪文書ですか!
25 20/09/06(日)21:25:26 No.725206325
令和になってレブルの力作怪文書を見れるなんて半年前は思わなかった
26 20/09/06(日)21:29:21 No.725208213
お疲れ様でした 良かったです
27 20/09/06(日)21:30:00 No.725208487
交際を認めます………。
28 20/09/06(日)21:30:47 No.725208860
旅の間もずっとアローラしてそう
29 20/09/06(日)21:32:39 No.725209737
これは良いレブル怪文書
30 20/09/06(日)21:32:47 No.725209791
ブルーを彼女にした上一緒に旅してるのにアローラしないわけないよ…
31 20/09/06(日)21:35:58 No.725211296
レブルいい…
32 20/09/06(日)21:39:56 No.725213328
大作お疲れさまでした
33 20/09/06(日)21:41:39 No.725214172
>ブルーを彼女にした上一緒に旅してるのにアローラしないわけないよ… しなかったらワタルだよな…
34 20/09/06(日)21:45:38 No.725216095
ワタルを動詞にするのやめてあげようよ!
35 20/09/06(日)21:46:24 No.725216471
>アローラを動詞にするのやめてあげようよ!
36 20/09/06(日)21:47:18 No.725216885
動詞っていうかロリコンの代名詞にされてるよ!
37 20/09/06(日)21:48:19 No.725217400
>ワタルを動詞にするのやめてあげようよ! 形容詞だよ
38 20/09/06(日)21:48:45 No.725217599
グリーンは物分かりがいい…
39 20/09/06(日)21:49:48 No.725218073
逃げるグリーンでダメだった その後戸惑いまくって一人取り残されてる状態を気にしまくっているグリーンでもっとダメだった
40 20/09/06(日)21:50:44 No.725218509
素晴らしいレブルをありがとう… イエローとカスミに報告するのを怖がるブルーでまたお話が広がりそうで妄想が膨らむな…
41 20/09/06(日)21:52:08 No.725219150
イエローは内心はともかく祝福する カスミは…
42 20/09/06(日)21:52:14 No.725219210
ドストレートに告白するレッドさんいいし最後ダーリン♥と呼ばれたら即ハニーと呼ぶのいいよね…ブルーの心臓も大変だ
43 20/09/06(日)21:52:57 No.725219586
>今後レブル怪文書書くときは付き合ってないパターンになると思います また書くと…? 最高の「」かよ…
44 20/09/06(日)21:54:54 No.725220433
レブル怪文書はいくらあってもいい
45 20/09/06(日)21:57:17 No.725221348
レブル最高!レブル最高!
46 20/09/06(日)22:00:10 No.725222525
キスしたら帽子落ちちゃうカップルは他にはブルホワとラクファイかな
47 20/09/06(日)22:03:16 No.725223878
>キスしたら帽子落ちちゃうカップルは他にはブルホワとラクファイかな ブルー×社長だと…
48 20/09/06(日)22:03:38 No.725224035
>ブルー×社長だと… エロすぎる…
49 20/09/06(日)22:04:30 No.725224411
>>ブルー×社長だと… >エロすぎる… 誤字ったよ! ブラホワだよ! すまん社長」