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    20/08/15(土)23:29:45 No.718463557

    su4127929.txt 前回までのホプマリ

    1 20/08/15(土)23:30:06 No.718463704

    ・・・・・ ホップと結ばれた。 そんな幸せに浸れたのはほんの数日だけだった。 幸せな気分で朝目覚めて、幸せな気分で夜眠りについて、 ある日の朝、罪悪感があたしの心を飲み込んだ。 「ちゃんと、ユウリに謝らないと……」 ベッドの上でそう呟く。 親友の想い人を奪うという大罪。 どれだけ言い訳しようともあたしはユウリを裏切った。 謝ったって償えない。 もしも償う方法があるとすればそれは――――ホップを諦める事。

    2 20/08/15(土)23:30:21 No.718463822

    だけどもう、あたしにその選択することは出来ない。 あの日、ホップと想いが結ばれた時本当に嬉しかった。 世界の色が変わって見えた。 握った手を一生離したくないって思った。 もうすぐユウリが帰ってくる。 その時ちゃんと謝ろう。 あたしのした事を包み隠さず話そう。 ユウリは怒るだろう、あたしを罵倒するかもしれない。 でも、それは当然のことだ。 ユウリはあたしを信頼してくれたのにあたしはその信頼を裏切った。 だから、仕方がない。 たとえ絶交されるとしてもそれは自業自得なのだから。 ……そう自分に言い含めても、これから先の事を考えると心がズシリと重くなるのを避けられなかった。

    3 20/08/15(土)23:30:32 No.718463911

    ・・・・・ あたしが重い決意を固めた日の正午。 いつも通り研究所に向かうと、入り口でホップが突っ立っていた。 「マリィ、その……ちょっといいか?」 「何?」 ホップはどこか落ち着きがなくて、どうしたのだろうとあたしも首を傾げる。 「あれだ、この間のその……お前の告白なんだが」 そこまで言われて『もしかして』と思った。 気の迷いだったとか、やっぱりやめようとか。そういうことを言われるのではと。 不安が足元に纏わりつく感覚がした。 でも、すぐにそれは杞憂だとわかった。 「オレ、ちゃんと返事できなかった。もっとその……しっかりと返事をしたい」 ホップは恥ずかしそうに頭をかく。 でもすぐにその金色の瞳が真っ直ぐあたしを見つめる。

    4 20/08/15(土)23:30:46 No.718464035

    「マリィ、オレが博士になれたのもお前が色々サポートしてくれたからだ」 そんな事ない。 そう言おうとすると、ホップがそれを押しとどめる。 とりあえず聞いてくれ。って事か。 「お前だってジムリーダーで忙しいだろうに、それでもオレに色々してくれたこと。本当に……感謝してる」 そんなの、あたしが勝手にしたことなのに。 むしろいきなり押しかけてきたあたしを受け入れてくれた事を感謝しているのに。 「博士になれたからってオレが駆け出し研究者なのは変わりない。だから、まだまだ至らぬところはあると思う。きっと、またお前に迷惑をかけると思う」 迷惑なんかじゃない。 ホップがあたしを頼ってくれるなら、それはとっても嬉しいことなんだから。 「でも……それでも、オレはお前と一緒にいたい。オレは……マリィの事が好きだ」 『好きだ』。そうハッキリ言ってもらえることがこんなに嬉しいだなんて思わなかった。 宙に浮くような多幸感。 世界中の恋人たちが飽きずに愛を囁く理由がようやくわかった気がした。

    5 20/08/15(土)23:31:15 No.718464252

    「だから……これからもその……よろしく、お願いします」 「……ん。よろしく」 「……なんかあっさりだな」 そんな事言われたって困る。 あたしは別に話すのが得意ってわけじゃないのだから。 それに、 「だって、あたしはもうホップに好きって言ったし。ホップはもうあたしと付き合うって決めてたし」 「まぁ……そうだな」 「……でも、嬉しか。ちゃんと好きって言ってくれて」 告白を受け入れてくれた時とはまた違う。 じんわりと、胸の奥から温かくなっていく。 笑顔が苦手なあたしが、思わず微笑んでしまうぐらい心地よい感覚。 「うん……うん。本当に嬉しか。嬉しかばい」 なるほど、これも幸せって感覚なんだと。 あたしは理解できた。

    6 20/08/15(土)23:31:29 No.718464353

    「……そうだ」 そしてこの感覚をもっと味わいたいと思った時、あたしの脳内にある方法が思い浮かんだ。 「ホップはあっさりなのが不満と?」 「い、いや不満とかじゃ……」 「なら、さ……キス、して」 「っ……」 キス。口づけ。接吻。 愛し合う者同士がその愛を伝える方法として最も有名なもの。 あるいは恋人として一歩進む儀式。 恋人になってすぐのあたしたちがするにはまだ早いかもしれないけど、別に良いと思う。 だって、あたしは今こんなにもホップとキスしたいのだから。

    7 20/08/15(土)23:31:41 No.718464438

    「嫌?」 「そうじゃないけど……いきなりだな」 「あたしが告ったのもいきなりだったと」 「……そう、だったな」 「だから、ほら」 「………………おう」 あたしの肩を掴み、ホップが大きく深呼吸する。 きっとホップから見たらあたしは落ち着いているんだろうな。 ……そんな事無いのに 心臓の早鐘はもっと騒ぎ立てる。 頬の紅潮が止まらない。 だけど、楽しみでしょうがない。 あたしは、こんなにも『女の子』だったんだと、ようやく実感する。 「………………いくぞ」 「うん、いつでも来い」

    8 20/08/15(土)23:32:12 No.718464624

    初めて触れた彼の唇は、思っていたよりもずっと温かくて、震えていて。 それはきっと、あたしもなんだろうなって。ぼんやりと思った。 そして、今はこの温かさをもっと感じていたい。 もっと、温かくなりたい。 そう思ったから、 「……ホップ、今日ってソニアさん来るん?」 「い、いや」 ……アニキには絶対に言えなか。 この秘密は墓までもっていくけん。 そう、ひそかに決意して。 「なら、今日は長居するけん」 「え、あ……お、おう」 「ホップ」 「な、なんだ?」

    9 20/08/15(土)23:32:43 No.718464791

    自分がこんなにも大胆で、こんなにも……その、あれ。 …………欲しいんだなって思う人だとは思わなかった。 でも、仕方がない。 仕方がなか。 もう、決めちゃったから。 スカートのすそを掴み震えを抑える。 ホップにもあたしの緊張が伝わってるんだなって、その表情でわかる。 そして今度こそあたしの表情は真っ赤で震えて、期待を隠せていないんだと思う。 「あたしたち、恋人同士で、何よりも……もう子供じゃなか。だから……」 あたしはまた、もう一歩踏み出そうと思う。 「少しぐらい、危ないことしても良いと思うよ?」 いくらなんでも大胆過ぎた……と思ったのは、全部が終わってからだった。

    10 20/08/15(土)23:33:11 No.718464953

    ・・・・・ 研究所から出ると、日は沈み、辺りは真っ暗になっていた。 「本当に送っていかなくていいのか?」 一人で帰ろうとするあたしに、ホップは心配そうにそう言ってくる。 「だから大丈夫だって。大体送るって言ったってすぐそこの駅からタクシーで町ひとっ飛びたい」 「それは、そうだが……」 なんというか、ホップは思っていたよりも小心者な部分があるみたいだ。 でも、それはつまりそれだけあたしの事を想ってくれている証拠だって思えば、そんな所も愛おしく思えてくる。 「……心配してくれてありがと。気持ちだけ受け取っとく」 「……ああ」 やっぱり心配そうに返事をするホップにあたしはため息を我慢できなかった。

    11 20/08/15(土)23:33:21 No.718465015

    「……もう、しかたなか」 背伸びして、ホップの首に手を回す。 ゆっくりと、彼とあたしの唇を合わせる。 そしてまたゆっくりと、あたしたちの唇は離れていく。 「……ん。おやすみ、ホップ」 「……おう、おやすみマリィ」 名残惜しいのはきっとあたしだけじゃないんだなって、ホップの顔を見て確信できた。

    12 20/08/15(土)23:33:35 No.718465092

    ・・・・・ 夜の道をあたしは一人駅へと向かって歩いている。 暗いと言ったって周囲には街灯の明かりが道を照らしているから、危ないなんて事はないだろう。 いざとなったらあたしのポケモンたちに頑張ってもらうし。 「まぁーったくホップは心配性たい」 そんな文句を言いながら、あたしは笑顔を抑えきれない。 しかたがない。嬉しいものは嬉しいのだから。 きっと帰って寝る瞬間も、朝起きた時も、これからも。あたしは幸せなんだろう。 笑みが一つ零れるたびに明日が楽しみになってくる。 「ふふん、明日はどんなお弁当作ってあげようか―――」 「マリィちゃん」

    13 20/08/15(土)23:33:49 No.718465174

    背筋が、凍り付いた。 思考が、停止した。 今の声は、 あたしの名を呼んだ人は、

    14 20/08/15(土)23:34:01 No.718465255

    視線の先、街灯の下に人影が一つ。 その顔は明かりから外れていて見えない。 でも、でも。 あたしは確信をもって彼女の名を呼ぶ。 「ユウ、リ……」 あたしの親友で、チャンピオンがそこにいた。 「なん、で」 「え?ああ、そっか。マリィちゃんにも言ってなかったね」 ユウリの声はいつもと何も変わらず明るくて、 なのに彼女の表情は暗がりに紛れてまったくわからない。

    15 20/08/15(土)23:34:22 No.718465394

    「実はね向こうでの仕事が早めに終わってね、私だけ一足先に帰らせてもらったんだ」 「そ、そうなんだ」 「元々私が休み欲しい!って言ってたのは委員会側も知ってたし、良ければって」 ユウリは嬉しそうに両手を広げる。 「で、せっかくだからサプライズ!皆には内緒で帰ってきて驚かせようかなって!」 「そ、そう」 「それでさっき空港についてね?だから最初にホップ君に会いに来たんだよ?まだ実家にだって顔見せてないんだから」 「そ、それなら」 ホップに会いに行って来れば―――― 「ねぇマリィちゃん」

    16 20/08/15(土)23:34:34 No.718465467

    ユウリが、一歩踏み出す。 スポットライトにその全身を晒す。 真っ暗だった彼女の表情がはっきりと、見て取れる。 あたしを見つめるその表情は――――― 「なんで、ホップ君とキスしてたの?」 氷で出来た能面のようだった。

    17 20/08/15(土)23:35:01 [s] No.718465641

    ユウリの表情はスレ画のそれです 明日でなんとか終わらせます

    18 20/08/15(土)23:36:29 No.718466194

    死人は出ないけど行方不明者が出るやつですよね?

    19 20/08/15(土)23:37:22 No.718466549

    スパイクタウンが完全に廃墟になっちゃう……

    20 20/08/15(土)23:37:29 No.718466599

    今日も出たな…

    21 20/08/15(土)23:37:43 No.718466691

    だれも幸せになれなさそうじゃないですか!やだー

    22 20/08/15(土)23:38:44 No.718467092

    死人はでないが行方不明者が出ないとは言ってないからな…

    23 20/08/15(土)23:39:30 No.718467347

    本当に死人出ないのこれ!? チャンピオンの首吊り死体かスパイクタウンジムリーダーの惨殺死体が出そうだよ!?

    24 20/08/15(土)23:39:42 No.718467425

    お盆の楽しみ助かる

    25 20/08/15(土)23:39:53 [s] No.718467489

    死人は出ませんし乙女の恋は成就しました

    26 20/08/15(土)23:40:35 No.718467714

    欺瞞!

    27 20/08/15(土)23:41:09 No.718467927

    それでもホップなら…ホップなら何とかしてくれるはず…

    28 20/08/15(土)23:43:14 No.718468721

    選ばれるのは1人だけなんだ

    29 20/08/15(土)23:44:08 No.718469061

    見んねモルペコ!

    30 20/08/15(土)23:46:15 No.718469920

    卑しかあたしばい!

    31 20/08/15(土)23:46:17 No.718469935

    >死人は出ませんし乙女の恋は成就しました 成就した(過去形)からいいってものではないんだぞ

    32 20/08/15(土)23:47:40 No.718470480

    成就したらあとは流れで

    33 20/08/15(土)23:48:09 No.718470679

    ホップはいい男だから仕方無いみたいなとこあるし…

    34 20/08/15(土)23:49:05 No.718471067

    なんかポツポツと湿り気の高い怪文書が出始めたんだけど…!

    35 20/08/15(土)23:49:13 No.718471116

    ロンゲはどう思う?

    36 20/08/15(土)23:49:34 No.718471241

    (ロンゲの墓)

    37 20/08/15(土)23:50:25 No.718471559

    まあ…そうだろうな

    38 20/08/15(土)23:52:37 No.718472362

    もうムゲンダイナの力で別世界からホップ連れてきて2人で分け合えば幸せになるんじゃねえかな…

    39 20/08/15(土)23:53:15 No.718472565

    >もうムゲンダイナの力で別世界からホップ連れてきて2人で分け合えば幸せになるんじゃねえかな… ホップがいなくなった世界はどうなるんですか

    40 20/08/15(土)23:53:21 No.718472592

    ネズさんとダンデはどう思う?

    41 20/08/15(土)23:53:26 No.718472621

    ホプ余りしてる世界を探さないと…

    42 20/08/15(土)23:53:37 No.718472680

    また敗北するの…

    43 20/08/15(土)23:55:22 No.718473230

    勝ってるスレも立ってるし…ここから勝つかもしれないし…

    44 20/08/15(土)23:56:07 No.718473474

    キスのシーン見てるってことは致してるシーンも覗いてるんだよな…

    45 20/08/15(土)23:57:56 No.718474088

    泥棒猫はdelしないとね…

    46 20/08/15(土)23:58:14 No.718474192

    >ネズさんとダンデはどう思う? ネズさんは間に入ってくれそうだけど ダンデは本人同士の問題だし自分たちで解決しろとかいいそう

    47 20/08/16(日)00:00:07 No.718474805

    ホップ視点だと自分に親身になってくれた女性を普通に好きになって告白されたからOKしただけなんだけどな…

    48 20/08/16(日)00:00:26 No.718474908

    男1女2の三角関係で男側の兄なんてどうにもできなさそう

    49 20/08/16(日)00:00:37 No.718474976

    マリィって女は人の心がないらしいぜ!

    50 20/08/16(日)00:03:03 No.718475896

    ホップが2人まとめて抱けば解決するのでは?

    51 20/08/16(日)00:03:54 No.718476158

    エキスパンションパス買わなきゃ…

    52 20/08/16(日)00:05:27 No.718476675

    >ホップが2人まとめて抱けば解決するのでは? それができるキャラだったらムゲン団なんて作られなかったわ

    53 20/08/16(日)00:06:03 [s] No.718476872

    >キスのシーン見てるってことは致してるシーンも覗いてるんだよな… チャンピオンが見たのは別れ際の熱っぽくってやたら長いキスだけです