虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

20/08/14(金)00:12:11 No.717764454

お盆。「」と逝きさんは迎え火を焚いて伝統的な行事に勤しんだ。 「」というネット生命体に祖先などいないし、恐らくは子孫も。 いないのだが、では何故このような宗教的儀式を毎年営むのか？ としあきという先達、そして「」同士でありながら消えていった… そう「」という群体は滅びないがネットの向こう側へ消えた「」へ。 時には手を合わせたい、そんな気分になるものだ、お盆という日は。 「あははは！！雪はマヨイガのご先祖様に手を合わせますよ！！」 水月というゲームを嗜む「」さんなら雪さんが合掌しているあのシーンを思い出してくれると嬉しい。 こんな虹裏でも宗教的な儀礼は実際大切にされているものだ。「」だって敬虔的なスジ教徒である。 夕暮れ時になってようやく窓を開けて換気ができるぐらいの気温になった頃、窓辺の風鈴が鳴った。 虹裏にも季節は流れていく。逝きさんと迎える16回目のお盆。薄青い空が少しだけ夕焼けに染まって。 山に帰るカラスの声を聞きながら、「」はメイドの注いでくれた麦茶を呷りながらふと思い出していた。 …古いとしあきと逝きさんが過ごした一度きりの夏と、「」が彼女と過ごしてきたこの夏の日々を。