『……嫌... のスレッド詳細
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20/08/03(月)22:32:24 No.714552305
『……嫌だ。絶対に嫌だ。その世界を幸福だとは、認められない』 『君の目から見たら、これは傷だらけでみっともなくて、上手くいってない最悪の結末なのかもしれない。……もっと上手な生き方があったのかもしれない』 『けれどそうやって悔いてこその人生だ。どんな不格好でも歩くことだけは諦めないって決めたんだ。アルジュナ』 何故。あなたに選択肢は最初からなかったのに。他に道を選ぶことができないのなら、それは呪いでしかない。 あなたは自らの意志で歩んでるのではない、そうすることしかできなかったんだ! 『違う。例え他の道を与えられてやり直せたとしても、きっと自分は同じ道を選ぶ』 ……私はこの世界を作る過程で、様々な揺らぎを観測しました。 ほんの少しの因子が異なった故に、あなたが死を迎える結末は、多々あった。あなたが今、生きているのは幸運でしかない。 未来は分からない。明日、道半ばで倒れるかも、苦痛に苛まれ死の恐怖に怯えることになるのかもしれない。 それでも元の現実を望むのですか、あなたは。
1 20/08/03(月)22:32:54 No.714552468
『いつか、全てに終わりが来る。だったら自分は、せめて振り返らずに走りたい、燃え尽きたい、生き切りたい!』 『それに奇跡みたいに君と出会えたんだ。この人生だけは絶対に否定しない!』 ……。何を、言って。平穏な生を捨ててまで保ちたい縁だとでもいうのか。 あなたの幸せに私は不要だ。出会わなければ幸福になれる。ならば、喜んで繋ぐ運命の糸を断ち切ります。 『例えその方が幸せだとしても、二度と君と会えなくなるのなんか絶対に願い下げだ!!』 ……。あなたは、……救いようのない馬鹿なのですか。 『うん。馬鹿だよ』 ……。……。ああ、それなら。きっと私も同じくらいの、馬鹿なのでしょうね。
2 20/08/03(月)22:33:14 No.714552558
『アルジュナ』 はい。 『すごく、楽しい夢だった。とても、幸せだった。……でも、帰らないと。みんなが待ってる』 ……。はい。 『帰ろうよ。カルデアに』
3 20/08/03(月)22:33:35 No.714552700
劇場版夏休み特異点 A.D.2015 永夏流転楽園シー・ヘイヴンのアルジュナ・オルタ怪文書です
4 20/08/03(月)22:34:49 No.714553186
いよいよこっちもクライマックスか…
5 20/08/03(月)22:35:10 No.714553329
遂にオルタと出たな…バレバレだったが
6 20/08/03(月)22:35:56 No.714553636
>あなたの幸せに私は不要だ。出会わなければ幸福になれる。ならば、喜んで繋ぐ運命の糸を断ち切ります。 そんな事言うなよ…
7 20/08/03(月)22:41:07 No.714555393
夢からはいつか覚めるものだからね…
8 20/08/03(月)22:42:20 No.714555755
ついにカルデアに帰る時が来たか
9 20/08/03(月)22:42:48 No.714555920
>何故。あなたに選択肢は最初からなかったのに。他に道を選ぶことができないのなら、それは呪いでしかない。 たしか子ギルの幕間で選択肢の与えられなかった素養は素養じゃなく呪い的な話あったよね
10 20/08/03(月)22:51:26 No.714558924
>『いつか、全てに終わりが来る。だったら自分は、せめて振り返らずに走りたい、燃え尽きたい、生き切りたい!』 ブラックバレルの件もあるし日常に戻れず本当に燃え尽きそうなフラグ立ってるのがなんとも…
11 20/08/03(月)22:52:58 No.714559476
閃光のようにって感じだな…
12 20/08/03(月)23:00:30 No.714561952
>『肯定する』 そんなものはけして幸福ではない。 頭ではそう分かっていたはずのあなたが頷いてしまったのは、心のどこかの弱い自分が、これ以上辛く痛く酷いのは嫌だと叫んだせいだったかもしれない。 ああ……よかった。認めて下さるのですね。平穏な暮らしが続く、この世界を。 彼が微笑む。もう一度頷いて、彼の名前を呼ぼうとして……声が出なかった。 抜け落ちてしまっている。何も、思い出せない。彼の名前も、自分の名前も、先ほどまでどこに戻ろうとしていたのかも。 ……。すみません。同じやり方ではきっと、またあなたは思い出してしまうだろうから。 少し、強引な方法になってしまいますが。……でも本当にまっさらに戻れますよ。 瞬きをするたび、世界が揺らぐ。彼の姿は既にない。 やがて確かにあったはずの四畳半の床も、壁も天井が全部剥ぎ取られ、視界は白一色に染まっていって……。
13 20/08/03(月)23:00:52 No.714562069
小さな島で、男と暮らしていた。 いつからなのか、何故なのか。過去を思い出そうとすれば酷い頭痛に苛まれる。 同居人たる彼に問うても、嗜めるように微笑むばかり。 思い出してはいけない。ここには過去も未来も必要ありませんから。 始まりも終わりもここにはないのです。 そうかもしれない、とあなたは思う。昨日もこうして暮らしていた気がするし、それ以前も同様だろう。 明日ももちろん、こんな風に過ごしているはずだ。ここでは変わることなどない。 あなたの眼前。揺らぐ水平線に陽が沈む。島を取り囲む海が赤く染まる。 夜の闇が来る前に家に戻り、彼と他愛もない会話をして、それから眠る。 また目覚めれば、既に朝は訪れていて、またなんの代わり映えのしない素晴らしい日々が始まる。 永遠に続く夏の一日。
14 20/08/03(月)23:01:33 No.714562288
共に暮らす彼は、あなたにとってどんな存在だったのか。 父、兄、弟。或いは旧い友人のようにも、恋人のようにも思えたし、そのどれにも当てはまらない気もする。 ただ、とても懐かしいような愛おしいような、そんな奇妙な心地だけは常にあった。 時折、彼と砂浜に出る。白くさらさらとした砂を蹴り上げて、夕暮れの波打ち際で遊ぶ。 ふざけて水を掛けようとすれば、彼は珍しく笑い声をあげる。やり返そうとするから、子供のようにただ戯れる。 赤い水が、彼の身体とあなたの手と足を染める。 やがて遊び疲れて、二人並んで穏やかに揺れる水面を眺めていた。 夕日が沈む。もうすぐ夜が来て、また朝が来る。 二人だけの閉じた楽園の中で、この日々をずっと繰り返すのだろう。永遠に、永遠に。 だから、今、あなたはしあわせだ。 とても。 とても。
15 20/08/03(月)23:02:00 No.714562441
END C 【永続する夏 流転なき楽園】 幸福は常に他人の不幸の上で花咲く 真砂の下には無数の地獄が層となって埋まる ……白骨の浜、血潮の渚 身体を赤く染める水の正体に気付かぬまま、あなたは笑う なにも知らず、無邪気に微笑むことができるのだから、きっとあなたはしあわせなのだ
16 20/08/03(月)23:02:48 No.714562743
>彼が微笑む。もう一度頷いて、彼の名前を呼ぼうとして……声が出なかった。 >抜け落ちてしまっている。何も、思い出せない。彼の名前も、自分の名前も、先ほどまでどこに戻ろうとしていたのかも。 ラストリゾートなんじゃが…
17 20/08/03(月)23:04:06 No.714563202
切ないけどこういうメリバ大好き… いい…
18 20/08/03(月)23:05:24 No.714563695
もうNPCもみんな居なくなって本当に世界に2人しかいないんだろうな…
19 20/08/03(月)23:08:20 No.714564744
永遠を手に入れてしまったのか…
20 20/08/03(月)23:10:27 No.714565541
切ないな…これはこれで好きだ…
21 20/08/03(月)23:10:41 No.714565642
赤い水ってこれ血…
22 20/08/03(月)23:11:34 No.714565947
>赤い水ってこれ血… 夕焼けって書いてるから最初比喩かと思ったけど最後の文見るにこれは…
23 20/08/03(月)23:14:45 No.714567138
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
24 20/08/03(月)23:21:31 No.714569474
>ふざけて水を掛けようとすれば、彼は珍しく笑い声をあげる。やり返そうとするから、子供のようにただ戯れる。 一見微笑ましいけどこの水は…
25 20/08/03(月)23:26:22 No.714571076
オルジュナの方もこんな穏やかで何も無い時間すごすの初めてなんじゃないだろうか…