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20/08/01(土)14:43:45 二十四... のスレッド詳細

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20/08/01(土)14:43:45 No.713771143

二十四日戊午 今日、佐介に居住していたものが急に自害した。話を聞いたものが続々と集まってこの家を取り囲み、その死体を見物した。この人には婿がおりこのところ同居していたが、その婿が一時田舎に下向した。父はその隙を窺って息女を口説いた。息女はたいそう狼狽し、決して受け入れることはできなかった。しかし、櫛を投げた時に取れば肉親であっても皆他人になると言われており、その父は密かに息女の居所に向かい、屏風の上から櫛を投げ入れた。息女は何の考えもなくそれを拾った。そこで、父はもう他人も同然だとして思いを遂げようとした。その時はからずも婿が田舎から帰着しその場に入ってきたため、父はたちまち恥ずかしさに耐えられずに自害したという。婿は驚き、悲嘆のあまりにすぐその妻女を離別した。父の命令に従わなかったためこのような珍事が起きたことは不孝によるものであり、契りを保つことはできないという。そのうえ自身は出家を遂げ、修行して舅の死後を弔うという。 『吾妻鏡』第四十 建長二年(一二五〇)六月二十四日条より

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