虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

20/07/29(水)21:46:45 No.712995053

そもそも“でうす”と敬ひ奉るは 天地の御主 人間万物の御親にてましますなり はじめに 天地万物を つくらせたまひ また 土より五体をつくりて人となし これ“あだん”と“じゅすへる”の ふたりなり “ぱらいそ”に二本の天の木あれば かならず 食ふことなかれと“でうす”かたく仰せあるを“じゅすへる”“あだん”をたばかりて“あだん”は“まさん”の木の実をとりて食ひ“じゅすへる”は“いのち”の木の実を食しける これより たちまち楽園をうしなひ“あだん”そのつま“えわ”と下界に追いやられ 畜生を食し 田畑を耕してまいるべし また“じゅすへる”の子ども 死ぬことなく 生みふえれば“でうす”これを憂いたまひて 地をひらきて“いんへるの”に落としたまふ その子孫 わずかに人からかくれ住み“いのち”の木の実の功力にや 死ぬことなしといへども“でうす”の呪い受けたれば 順次に“いんへるの”にひきこまれ 子し孫そん 地の底に身をもがき　“きりんと”参る日まで 苦しみつきざるといふなり 北陸地方の隠れキリシタンに伝わる「楽園に背きたるの事」より