ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/07/19(日)23:31:44 No.710052816
「お邪魔します」 「どうぞー」 ドアを開けるとそこにはアルジュナが立っていて、こちらに軽い会釈を返してきた。 「身体はもう大丈夫なんですか?」 「うん、もう元気!」 「それは良かった」 どこかほっとしたような笑みを浮かべるアルジュナを部屋の中に招き入れる。今日は先日体調を崩してしまったせいで流れた勉強会を改めてやろうという事で、こうして集まったのだった。 「では始めましょうか」 「……よろしくお願いします」
1 20/07/19(日)23:32:06 No.710052973
「この値はここに代入して……」 とん、とアルジュナが持つシャープペンシルの先端がノートに書かれた式をなぞる。 「じゃあ、ここはこうなって……こうか!」 「正解です」 良く出来ました、と彼は鷹揚に頷いた。褒められたことに、つい嬉しくなって口元が緩んでしまう。勉強なんて面倒くさくてつまらないものという意識があったが、今は不思議とそのような気分にはならなかった。 「じゃあ次は──」 次の問題にとりかかろうとした所でぐぅ、と腹が鳴った。気恥ずかしさを誤魔化すために時計に目をやると時刻は丁度昼の十二時を指している。 「もうそんな時間ですか……。お昼ごはん、どうしましょうか? 外に行きますか?」 「あ、じゃあ作るよ。簡単なものだけど」
2 20/07/19(日)23:32:52 No.710053214
──一挙手一投足を見られているようでどうにも落ち着かない。最初は意気揚々と「手伝います!」と言っていたアルジュナを「風邪の時迷惑かけたから」「勉強教えてもらったせめてものお礼」と説き伏せて無理矢理座らせたのは自分だった。そのせいかなんなのかアルジュナの視線が背中に突き刺さって痛い。トマトジュースをボウルに開け、鯖の水煮缶を汁ごと放り込む。オリーブとオリーブオイルを入れながら後ろをチラリと振り返るとバッチリ目があった。あってしまった。無言の圧力を感じる。 「あ、あのさ……麺茹でるの手伝ってくれる?」 「はい!」 その後に「喜んで!」とでも続きそうなくらい雰囲気が露骨に明るいものへと変化する。 ……普通に負けた。 何故か嬉しそうに湯を沸かすアルジュナの横顔を一瞥した後、ボウルの中の鯖の水煮を解す作業に没頭することにした。
3 20/07/19(日)23:33:15 No.710053329
「これは何という料理なのですか」 「サバ缶とトマトそうめん」 「これがそうめん……」 興味深そうに皿に盛られたそうめんとつけ汁を眺めているアルジュナの対面に座る。 「頂きます」 「頂きます」 そうめんに箸を伸ばし、つけ汁に麺を浸しそのまますすった。トマトと鯖の旨味がお互いを引き立てあって濃厚な風味を醸し出している。個人的には美味しい、と感じたがアルジュナはどうだろう。チラリ、と反応を伺えば彼は綺麗な所作でそうめんを口に運んでいるところだった。 「美味しいですね」 「本当? 良かったー」 「二人で作ったので余計そう感じます」 「……まじか」
4 20/07/19(日)23:36:38 No.710054503
共同作業なんやな…
5 20/07/19(日)23:37:09 No.710054701
>「二人で作ったので余計そう感じます」 この2人付き合ってるの?
6 20/07/19(日)23:37:45 No.710054892
忠犬アルジュナ…
7 20/07/19(日)23:37:56 No.710054954
アルジュナなら待てずに手伝いにいくよな
8 20/07/19(日)23:38:33 No.710055175
この時間になんて飯テロ…衛宮ごはんみたいな雰囲気いい…
9 20/07/19(日)23:57:46 No.710062200
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
10 20/07/20(月)00:23:07 No.710070905
>チラリ、と反応を伺えば彼は綺麗な所作でそうめんを口に運んでいるところだった。 育ちの良さが出ているのいいよね…
11 20/07/20(月)00:29:31 No.710072954
インド人は麺ってすするのかな