ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/07/18(土)21:32:23 No.709663534
(これまでのあらすじ) 夏休みによくある特異点へ飛ばされたセイバー・リリィ。 しかしその世界がマスターのカルデアへ来る前の記憶を勝手に暴いたものでは無いかと危惧し、独自行動を開始した。 夜の校舎に単身飛び込むも、正体不明の敵に追い詰められ、保健室の玉藻の前に助けられて脱出したのだった。
1 20/07/18(土)21:32:38 No.709663626
駆け足、駆け足。 探るのであれば先ずはサーヴァントと玉藻の前は言った。なるほど確かにサーヴァントに目を向けるべきだろうと、今更ながらセイバー・リリィは思った。 道を進み、右を向けばサーヴァント。 道を走り、左を向いてもサーヴァント。 そこかしこにサーヴァントがいた。街中に溶け込んだ格好をしている者もいれば、サーヴァント然とした格好のままの者もいた。 夏休みは動員数が多い事を少女は知っていたが、それにしたって眼を見張る光景だと思わずにはいられなかった。 サーヴァントが、まるで日常の一部だ。ある種カルデア的であった。 以前からこうだったか──夜の校舎へ向かう前、指針を求めて道行く人の声に耳を澄ませていた頃、こんなにもサーヴァントがいただろうか? しばし黙考し……セイバー・リリィは行動を再開した。考えるのは情報が集まってからで良い。 現代に曰く、捜査は足で行うもの。端から順に聞き込みだ。
2 20/07/18(土)21:32:56 No.709663746
……次第に分かってきた事がある。 サーヴァントは役割を演じている者と、役割こそが自分だと思っている者に分かれている。 そして、役割に自己が埋没している者程、七不思議の話になると饒舌になる。 自然と聞き込みをする相手は絞られていく──が。 七不思議が多かった。少女も途中から数えるのを放棄したが、一人が六つや七つ語る事もあって、合わせれば百を越えたかもしれない。 これではとても絞り切れたものではない。しばし頭を抱えた。 「どうやらお困りのようですな」 「あ、あなたは!?」
3 20/07/18(土)21:33:13 No.709663863
その声を少女は知っていた。 カルデアにおいては比較的新参、でありながら非情の采配で以て名声も悪名も恣にした名軍師。 その姿は──!? 「御機嫌よう。流れのカードゲーマー、通称軍師の珍Q……という役割の陳宮です」 「そう……なのですか。道理で随分……若い格好をしているのですね」 セイバー・リリィは、咄嗟に思い付く限りの遠回りな言葉を使った。 「誤魔化しは結構。役割に相応しい格好としては、当然の帰結でしょう。それよりも」 「──聞いてもらえるのですか?」 「むしろ力になりましょう。私の用件も聞いてもらえれば、ですが」 速やかに首肯で返した。少女は今知略が欲しい。 それが軍師の目論見通りであったとして、何の不都合があろうか。
4 20/07/18(土)21:33:16 No.709663874
スレッドを立てた人によって削除されました 全然伸びんつまらんネタいつまで続けるんだ?
5 20/07/18(土)21:33:31 No.709663970
「そのような物は、端から手当り次第に片してしまえば良いのです」 七不思議に活路を見出すも、当の七不思議が無数にある問題を、軍師は簡潔に切って捨てた。 「そもそも世に言う七不思議とは、入れ替わり立ち替わり時の中で変化するものと存じております。 であれば、この状況は七不思議にとっての生存競争のようなもの」 「生存競争、ですか? 不思議同士が?」 「いかにも。人の口を渡り、己の名こそを残さんとする戦。即ち最後に残った七つこそが結果的に真の七不思議と言えましょうな」 少女と軍師は会話を続けながらも、夜の街を進む。 求めるのは怪異。その名も”夜毎駆け回る現代のケンタウルス”。 名前を聞いた時点で見当は付いていた。二択。 その上で陳宮が動くとなれば、最早答えは出たようなものだった。
6 20/07/18(土)21:33:48 No.709664086
「手当たり次第に消して回れば、否応無く不思議の側から接触を図るでしょう」 「その手始めがここという事ですね! 分かりました!」 蹄──蹄──蹄、蹄、蹄、嘶き! 快速で迫りくる躍動感! 少女が剣を構え……そして激突! 「ヒヒンっ!!?」 「く……攻撃を、弾けば済む事!!」 仮称マンドリカルドがそうであったように、この怪異にも攻撃が効かない可能性はあった。 だからこそセイバー・リリィは敵の先手を待ち、それを弾く事で足を止めさせたのだ。 「分からぬからこそ不思議、不思議故に干渉が効くかどうかも定かならず、無敵となる仕組みでしょう。 しかしてその正体こそ定められたならば、何事も知らぬ振りとは行きますまい!」 軍師の手から赤々としたものが投げ放たれる。 それは怪異の胸元へと吸い込まれる軌道で……
7 20/07/18(土)21:34:07 No.709664217
「キャッチ! アンドイート! うーんこれは中々のニンジン。馬まっしぐらですな。私は呂布ですが」 「正体見たり馬の顔。今です!」 「はい! カリバーンっ!!!」
8 20/07/18(土)21:34:25 No.709664335
「あの速度を捉えるだけならまだしも、正体を暴き、更に戦闘不能に追いやるとなると手が足りませんでした。 仮にも身内の不祥事に手を貸して下さって、助かりました」 「いえ、お困りとあらば協力してこそ騎士ですとも。見習いですが…それに私も下心あっての事ですし」 今宵、一つの不思議が潰えた。 そして一つのチームが生まれた。即席の、しかし強力なチームが。 怪異狩るべし。不思議を暴き立てる者と、暴かれた先を打ち据える者。 それは正しく鬼に金棒、虎に翼、B宝具にBアップ。かつて最も知的と言われた戦法に忠実であった。 この特異点を解決させるべく、少女の戦いは加熱していく──! 「呂布ともあろう者が、出落ちで処理されるとは……無念。ガクリ」
9 20/07/18(土)21:37:25 No.709665557
さらば赤兎馬…お前の事は忘れない
10 20/07/18(土)21:39:02 No.709666178
珍Q…うわキツ
11 20/07/18(土)21:40:54 No.709666907
大丈夫?その内自爆させられない?
12 20/07/18(土)21:43:36 No.709667968
馬はさあ…
13 20/07/18(土)21:46:27 No.709669107
>大丈夫?その内自爆させられない? 直ちに自爆させられないならなんとかなる
14 20/07/18(土)21:48:19 No.709669833
>珍Q…うわキツ 褐色のイケメンが何とも言えないダサさを纏っていらっしゃる
15 20/07/18(土)21:51:36 No.709670992
活動方針が脳筋でらしいなと思いました
16 20/07/18(土)21:53:07 No.709671478
今でもBで殴るのは強いよ宝具よりクリティカルだけど
17 20/07/18(土)22:03:08 No.709675342
何事も全て粉砕すれば解決だ 古の将軍呂布もそう言っている
18 20/07/18(土)22:04:57 No.709676001
やはりバスター…バスターは全てを解決する…!