ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/07/14(火)22:01:45 No.708562578
「忘れ物を取りに行く為とはいえ、わざわざ夜の学校に行くことはないのではないか。」 『課題と一緒にスマホも忘れたから早く取りに行きたいんだよ。どっか行ったらイヤだし。』 あまり乗り気ではないようだが、頼み込んだら付いてきてくれることになった。 夜の校内に入ると一転して空気が変わった。人の気配は無く、深い夜の帳に包まれている。じっとりと貼りつくようで不快な感じは、前に夜の校内に入った時と同じだ。怪異が出現するかもしれないと警戒しつつ目的地まで進んだが、何事もなくあっさりと辿り着いた。 『お、あったあった。良かった、無事だ。警戒してたのに何もなくて拍子抜けだな…』 「しかし嵐の前の静けさという言葉もある。嫌に静かだ、油断しない方がいいだろう。」
1 20/07/14(火)22:01:58 No.708562667
それもそうだと、帰り道も同じように警戒して進むことにした。やはり何も起こらない、相変わらず虫の声も聞こえないほど静かで、灯りが無いと一寸先も見えない暗闇だ。怪しい雰囲気が漂っている保健室の近くを通っても何事も無く、いよいよ出口が迫ってきた。―――出口が目前に見えているからか、結局何も起こらなかったからか、油断していたのかもしれない。突然現れた巨大な手に闇の中へ引きずり込まれた――。 『……ここどこ?』 暗く生温かい湿気た場所で目が覚めた。覚醒して最初に感じたのは悪臭、何かが腐ったような酷い臭いが辺り一面に漂っている。状況を確認するために周囲を探っていると声が聞こえてくる。 「おやおやおや、おや。やっとお目覚めですか。カルデアのマスター。」 この場所の主らしい者が声をかけてきた。白と黒に分かれた髪に鈴が付いている、どこか道化師のような印象を受ける男だ。自分を見知っているようだが見覚えはなく、カルデアというのも何のことだろう… 『えっと…誰?』
2 20/07/14(火)22:02:17 No.708562789
「ンンン―?なんと!?拙僧のことをお忘れとは…これは、これは、寂しいことをおっしゃる。しかし、まあ良いでしょう。今日、貴方の前に現れたのは、あるものをお渡しするため。二つに一つ、天国か地獄か、さあさあさあ、さあ!貴方はどちらを選びなさる!?」 どちらか一つ選ばないといけないようだ…間違えたら取り返しがつかない気がする。 >■と■■の■■ ■の■■ 「おやおや、おや?そちらでございますか。ンフフフ、これは調理のしがいのある。スパイスはたぁっぷりと、耐えられないほどに効かすのは好みでありますれば、それでは拙僧はこれにて。」 その言葉を最後に謎の男は姿を消してしまった。自分も夢から覚めたように、いつの間にか学校外に戻っていた。目が覚める途中で、頭の中に旅路の情景が流れ込んでくる――。仲間と出会い勝利を収めた、輝かしい思い出が浮かんでは消えていく…
3 20/07/14(火)22:02:28 No.708562861
「リツカ!起きろ!―――目を覚ましたか。」 『あ…カルナさん。あれ、ここ外?ああ、危ないから運んでくれたんだ…』 いつの間にか外に出てきていた。奇妙な夢を見ていたようで、頭が痛い…頭に何かが流れ込んできた後、自分がカルデアというところで世界を救う旅をしていたことを思い出した。 「記憶を取り戻しただと?……そうか。しかしこの空間は不安定だ、今までと同じく学生として振る舞っていた方がいいだろう。」 確かに怪異は出現するが、カルデアに来る前のように過ごせるのだ。しばらくただの学生として夏を楽しんでも許されるだろう。
4 20/07/14(火)22:02:39 No.708562925
■と■■の■■を取り戻した 旅路の中で得たかけがえのないもの、いわば自分の一部。しかし、これには影が無い。世界を救う旅はそれだけではないはずだ。
5 20/07/14(火)22:02:55 No.708563027
■の■■を選んだ場合 「ンンンンン――そちらでございますか。拙僧、じっくりと料理する方が好みではありますが、たまには、こういった嗜好も良しといたしましょう。」 男が印を切ると、頭に何かが流れ込んできた。 『……なに、これ…?』 まるで地獄だ。人が生きたまま魔獣に食われる光景を見た。肉が引き裂かれ、骨は噛み砕かれ、絶叫が上がる。腹が裂かれて内蔵が溢れ出して尚、逃げ出そうともがいているが全て無駄だ。やがて絶命し、泥のように濁った目で自分を見ていた。人同士で殺し合わされる光景を見た。勝者となっても命乞いも虚しく、バラバラに裂かれた。悪魔が世界を壊す光景を見た。世界を破壊する悪魔と人々が叫び、武器を取り追い立てている。しかし、止める事は出来なかった。やがて悪魔は人々の信じる尽くを斃して世界を滅ぼした。その悪魔は自分によく似ている…――上がる絶叫、悲鳴、怒号。漂う鉄錆の臭いは腐臭へと変わり行く。あらゆる死と地獄を見た――。
6 20/07/14(火)22:03:19 No.708563190
『…違う…!こんなもの、自分は知らない…!』 「ンン?違う、知らないとは、これは異なことを。全て全て全て!貴方の力不足と行動によって招かれたことでございましょう?それに口ではそう申しておりますが、実感があるのでは?」 確かにそうだ。実感はある。だからといって、これが自分の行動で起こったことだと認めたくない…! 「酷く取り乱して、哀れ/愉快、哀れ/愉快。しかしこれは事実!貴方がその手で、墓穴を掘り返し!その足で、世界を踏みにじる!その様は酷く滑稽で哀れ/愉快な様子でした。」 嫌だ嫌だ嫌だ!認めたくない!でも認めざるを得ない実感がある。血の臭い、腐臭、絶叫、悲鳴、怒号、濁った目、骨が砕かれる音、肉が裂かれる音、何かが潰れた湿った音、あらゆる死と地獄が脳裏にこびりついて離れない。―――もう、嫌だ。耐えられない。
7 20/07/14(火)22:03:48 No.708563392
「おやおやおやおや、おや?一刻も早く楽になりたいと、そういう顔をしていますねぇ。そんな哀れ/愉快な貴方に、拙僧が良いことを御教えしましょう。楽になりたいのであれば、赤き紋様を用いてこう唱えればよろしい、『自分を、殺せ』と。」 『……本当にそれで楽になれるの?』 「ええ、ええ、もちろんですとも。ここではいかな大英雄とて力が減退している、貴方の貧相な力でも通じるやもしれません。目が覚めたら、拙僧が御教えしたことを試してみれば良いでしょう。」 それを最後に男の姿は掻き消え、自分も夢から覚めた――。
8 20/07/14(火)22:04:03 No.708563481
「リツカ、目を覚ませ!無事か?」 誰かが呼び掛けている。自分は今からこの人に、殺されるのだろう。ゆらりと立ち上がり、腕に力を籠める。 『令呪をもって命じる。自分を、殺せ。』 「な!?何を言っているんだ?……っ!」 『重ねて令呪をもって命じる。自分を、殺せ!』 「それは、聞き入れられない…!」 『令呪を三つ重ね、これを勅令とする!…自分を、殺せ!!』 「止めろ!オレはお前を……っ!――――!!」 流石に令呪を全画使ったら効いたみたいだ。切っ先が迫る。視界は回転し、地に堕ちた。 痛みは無い、これで楽になれるかな…ああ、でも、あんな顔をさせてしまった。自分は、最期まで、罪を重ねたようだ。 ――DEAD END
9 20/07/14(火)22:10:23 No.708566104
ああ…カルナさんと一緒でもついに…
10 20/07/14(火)22:11:40 No.708566600
的確に気にしてるところを抉ってくるな…
11 20/07/14(火)22:18:38 No.708569156
仲間に殺させるあたり本当にたちの悪い坊主だ…
12 20/07/14(火)22:39:53 No.708577387
仲間に殺される夏特異点
13 20/07/14(火)22:41:18 No.708577985
マイフレンドといいカルナさんといい殺してこなさそうなのに殺させるとかほんと山菜
14 20/07/14(火)22:48:29 No.708581140
なんで今日は心にボディブローきめる系のばっかり
15 20/07/14(火)22:56:24 No.708584264
カルナさんにマスター殺しとか効果的に精神砕けそうで愉悦だね