20/07/11(土)23:33:05 「はぁ... のスレッド詳細
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20/07/11(土)23:33:05 No.707705127
「はぁ、ぬっかね~」 「やめんか、はしたない!」 胸元のリボンを緩め、手で風を送るさくらに俺は思わず声を上げる。 不服そうにジトっと俺をねめつけてから渋々その手を止めた。 「大体、なんでお前がここにおるんじゃ」 「だってレッスンルーム暑くて練習にならんとですよ」 確かにその通りである。レッスンルームは今やサウナに近い温度まで上がっている。 「やけん『部屋にお前ら由来のカビ生えるかもしれんから練習禁止!』って言うたとは幸太郎さんでしょ!」 「今のはあれじゃい。お前の脳みそが暑さにやられて記憶力を失ってないか試しただけじゃい」 「嘘ばっかり」 図星を突かれて泳ぐ視線を、サングラスは見事に覆い隠してくれた。 「他のやつらはどうした」 「みんな涼しそうなとこ探すって」 「涼しそうなとこか…」 視線を上げると、そこにはこの館唯一のクーラーがうなりを上げていた。
1 20/07/11(土)23:33:18 No.707705240
「どう考えてもこの部屋じゃろうが」 「幸太郎さんと一緒だと暑苦しかけんイヤってみんな言うとったとよ」 失礼な奴らめ。こないだアイス買ってやった恩を忘れたのだろうか。 「それにしても…ぬっかね~」 「さっきからそればっか言いよってからに…自分でなんとかせんかい!」 「そやんかこと言うたって…」 ぷくっと膨れていたさくらの顔がパッと明るくなる。 長いさくら色の髪をまとめると、クーラーの風がうなじを撫でた。 「よか…」 小声で呟いたさくらは辺りをきょろきょろ見返す。どうやらヘアゴムを探しているらしい。 見つけてからやればいいだろうに。そそっかしいやつめ。 「幸太郎さん…ぷぎゃ!」 おずおずと切り出したさくらのぺちゃっぱなに、俺の必殺ヘアゴム鉄砲が炸裂した。 「いたた…」 「礼には及ばん」
2 20/07/11(土)23:33:31 No.707705316
「…なんで」 しまった。怒らせただろうか。 「なんでヘアゴム探してたって知っとーとですか?」 部屋の暑さを忘れるほどの焦りは、その素っ頓狂な質問に吹き飛んでしまった。 「んなもん見りゃわかるわい!お前が何してほしいかなんて巽幸太郎さんには筒抜けなんですゥー!」 俺の答えを聞いて、さくらのアホ毛がピコンと伸びる。 「ほんと?幸太郎さん」 「当たり前のこんこんちきじゃい」 「じゃあ、これからしてほしいこと思い浮かべるけん、当ててくださいね」 「いいじゃろう。なんでもこんかい!」 さくらはそっと微笑むと、静かに目を閉じ俺の名を呼んだ。 「幸太郎さん」 おしまい
3 20/07/11(土)23:36:19 No.707706331
su4038850.txt おひさしぶりんす
4 20/07/11(土)23:46:39 No.707710334
チュー!でありんす!
5 20/07/11(土)23:50:55 No.707712168
お久しぶりでありんす
6 20/07/11(土)23:53:21 No.707713116
またあの2人一緒にいるー!
7 20/07/11(土)23:53:42 No.707713291
やーらしか!
8 20/07/12(日)00:08:28 No.707719142
もう夫婦のような間柄でありんすなあ
9 20/07/12(日)00:12:05 No.707720540
よか…
10 20/07/12(日)00:15:11 No.707721569
ゾンビ菌…
11 20/07/12(日)00:21:01 No.707723424
>「幸太郎さんと一緒だと暑苦しかけんイヤってみんな言うとったとよ」 きっと空気を読んだんだろうな
12 20/07/12(日)00:25:44 No.707724931
よかったい!