20/07/10(金)19:43:44 (これ... のスレッド詳細
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20/07/10(金)19:43:44 No.707302901
(これまでのあらすじ) 夏休みによくある特異点へ飛ばされたセイバー・リリィ。 しかしその世界がマスターのカルデアへ来る前の記憶を勝手に暴いたものでは無いかと危惧し、独自行動を開始したのだった。 道行く人々の話に耳を傾ければ、向かうべき所は多くない事が分かる。 朧げな少年少女の話題は、概ね学園の七不思議に収束しているようだった。 サーヴァントでない者達は誰も彼も姿がハッキリせず、であればこの特異点の要素であろうとセイバー・リリィは推察した。 であればその発言には意図がある……解決への糸口か、或いは罠か。それは飛び込んで見定める事。 彼女は夜を待つ事にした──
1 20/07/10(金)19:43:59 No.707302960
「それでは、行きましょう!」 気合を一つ、少女騎士が夜の校舎へ潜入を始める…… 暗く、ひたすらに暗い。現代社会にあるまじき、夜闇がそこにはあった。 わずかな明かり一つ存在していない、星や月の輝きすら飲み込んでしまいそうな──しかし、セイバー・リリィは夜を知る。 遥か昔の人であった少女にとって、耳鳴りする程の静けさは警戒こそすれ、恐れるものでは無かった。 闇から這い出るものでさえも、また。
2 20/07/10(金)19:44:15 No.707303045
「……血の、臭い?」 鉄錆の臭いがする/しない。 確かにそこで何かがあったのに、無かった事になっている。その感覚を自分で味わったのか、誰かに教わったのかは、咄嗟に思い出せなかったが。 ここで惨劇は起きたのだ。だがもう無い。 であれば、核心に近い何かがあるのだ! セイバー・リリィは逸る気持ちを抑え、ゆっくりと歩みを進めた…… そうして。
3 20/07/10(金)19:44:32 No.707303119
「────」 「っ! 貴方は!」 その姿を知っていた。 間合いに入るや直ちに凶刃を放ったのは、カルデアのサーヴァントであり、この特異点でも姿を見かけたマンドリカルド! 果たして彼が、マスターの友人という役を放棄してここにいるのか、或いはもう一人のマンドリカルドなのか。 都合良くもう一人マンドリカルドが現れでもしない限り、答え合わせは出来ないだろう。何より── (血の臭いがする!) その剣に、その身体に、血の臭いが張り付いている/いない。 ここで起きた何かしらの凶行。その犯人は彼である可能性がある。 ならば一度叩きのめしてでも情報を引き出したい! 少女は力を漲らせた。
4 20/07/10(金)19:44:48 No.707303195
仮称マンドリカルドは強くはなかったが、倒れる事もまたなかった。 少なくともこのエネミーがセイバー・リリィに勝っている点は一つしかない。根本的に攻撃が効かない点だけが。 「なるほど、これは……謎解きがっ! 必要だと!」 「────」 少女の剣は幾度となくマンドリカルドの身体を打ったが、刃は食い込みすらしなかった。 不死身でさえない、何らかの無敵性。もしも本来のマンドリカルド相応の戦闘能力があったなら、セイバー・リリィはここで退場さえ有り得ただろう。 撤退の二文字が脳裏にチラつく。しかしこのパターンは……少女の歴戦の経験が警鐘を鳴らしていた。
5 20/07/10(金)19:45:08 No.707303294
周囲に目を配らせれば、窓の外には暗闇した無くなっていた。 こちらの攻撃は効かずとも、敵の攻撃を弾き返すのは効く。そう判明してからは大分楽が出来ている。そうして生まれた余裕で、辺りを伺った。 「朝までコースもあり得ますか……せいっ!」 学園の七不思議と言うからには、語り部となる生存者が必要な筈である。 何らかの条件を満たせば、逃げるなり倒すなり出来る筈だが。戦いながらそれを探るのは難しいだろう。 朝日が昇るまで叩き合いを覚悟し始めたその時──!
6 20/07/10(金)19:45:24 No.707303374
「この輝きに夜よ退け──天を照らすは水天日光! これなるは神宝・宇迦之鏡也!」 それは昏く、しかして陽気。太陽そのものの如き力! セイバー・リリィの全身に力が漲り、同時に仮称マンドリカルドは── 「……消えました、か?」 「ここへ来るのは時期尚早かと。少々先走り過ぎでは? リリィさん」 助太刀に現れたのは玉藻の前。敵意の無さもさる事ながら、その気安げな雰囲気から、同じカルデアのサーヴァントであろうとセイバー・リリィは認識した。 彼女の力であれば夜を以て朝とする事も容易い。少女は少し肩の力を抜いた……
7 20/07/10(金)19:45:40 No.707303462
「みこみこたまたま……成程、忘れた事、忘れつつある事を他人に分からされるというのは酷ですねぇ」 「ですから力を貸してもらえると嬉しいのですが……どうでしょうか」 「理由が理由ですから力になりたいのは山々なのですが、私は今保健室を塞ぐのに手一杯でして」 深夜の間だけは校舎内を歩き回るくらいの猶予があると、玉藻の前は語った。 七不思議になぞらえれば、普通夜こそ危険な筈だが、どうやら彼女の危惧するものはそれとは違うらしい。 「朝昼夕、夜は自由行動する時間ではないと言いますか」 「……? そうなのですか」
8 20/07/10(金)19:46:02 No.707303571
「探るのであれば先ずはサーヴァントかと。例年通り何かしらの役に収まっているようですし、端から突けばボロも出るでしょう」 「分かりました。今日はありがとうございました! また無事でお会いしましょう!」 仲間に背を向け、校舎の外へと駆け出す。セイバー・リリィを捕らえんとする闇はここにはない。 何事もなく脱出に成功した……体育倉庫裏にコロンブスの姿を見かけたが、この場では関わらない事とした。 これ以上校内に長居すべきではない。彼が何故無事でいられるのかを探りたくはあったが、別の機会を待つべきだろう。 少女の戦いは始まったばかりだ── 「あれらモブ生徒達がマスターの級友だったかもしれないと……まあ、地蔵の玉藻ちゃんには探りようもないですし? 保健室に都合良くサンプルでも来れば調べてみても良いのですけれど」
9 20/07/10(金)19:47:53 No.707304083
別途ストーリー始まってる!
10 20/07/10(金)19:50:24 No.707304723
主人公かお前は
11 20/07/10(金)19:52:51 No.707305370
>「朝昼夕、夜は自由行動する時間ではないと言いますか」 ああ…夜は寝るだけだったっけな…
12 20/07/10(金)19:58:44 No.707307027
圧が強い系後輩のブスはなんなんだよ…
13 20/07/10(金)20:00:12 No.707307433
>圧が強い系後輩のブスはなんなんだよ… あいつ何か善意の協力者を使って安全地帯を見つけたのかもしれんし…
14 20/07/10(金)20:02:56 No.707308228
ブス律儀に待ってたみたいだけどその内襲われて行方不明になったりしない? なんかリンボマンとかもうろついてるっぽいし…
15 20/07/10(金)20:05:52 No.707309079
スレッドを立てた人によって削除されました ヒでやってこい
16 20/07/10(金)20:28:05 No.707316426
裏ルートきたな