ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/07/07(火)22:44:56 No.706544522
(ダイススレのへっぽこカラーちゃんとリセットお姉ちゃんの妄想が捗ったので書きました)
1 20/07/07(火)22:45:24 No.706544716
鬼畜王戦争―― 多くの血が流れる無益な争い、その悲劇を止めるためにリセット・カラーは奔走していた。 己の右手……クラウゼンの手と呼ばれる不思議な力を持つ手の力があれば、血に呑まれ暴走状態にある父をも正気に戻すことができる (待っててね……おとーさん!) リセットは己の右手をぎゅっと握りしめた。その手を、どんな犠牲を払っても、必ず父に届かせるという決意と共に。 「いくよ、リセットちゃん!ここを抜ければランスさんがいるはずだよ!」 カオスオーナー、カーマ・アトランジャーが包囲網を切り開き、父ランスのいるはずの場所についにリセットたちはたどり着いた。 「おとーさ…!」 ――そこに見える人影にリセットは凍りついた。
2 20/07/07(火)22:45:53 No.706544904
子供の頃よく同じ髪型にしてほしいとねだった淑女らしい編み込まれた髪型。 青いクリスタル。温厚な性格を示す垂れ目。 幼き日の、一番大切だった、姉のような存在だったカラー。 その彼女が今……両手に拳銃を持ち、虚ろな瞳でリセット達に向かいあっていた。 「誰だあれは……新手か!?」 「カラーの魔人……」 警戒するダークランス達の声すらもリセットには届かなかった。血がさっと引き、わなわなと唇が震え、意識がおぼつかない。 「リセット、行くぞ!……リセット!?」 アームズに腕を引かれるのにも構わず、リセットは泣きそうな表情でそのカラーに歩み寄った。 「ね、ねぇ……おねえちゃん……おねえちゃんだよね……?」 カラーはなにも言葉を発さない。 かつて優しさに溢れていた笑顔はどこにもなく、ただ冷たい瞳をリセットに向ける。 それでもリセットは、戦場の狂騒にも気がつかないように、かつての愛情を求めるように、カラーへと歩み寄る。 「わたしだよ……リセットだよ……ね、帰ろう? 一緒に帰ろう? ずっと会いたかった。ずっとずっと……」
3 20/07/07(火)22:46:46 No.706545269
「リセット!」 乱義の言葉にリセットがはっと正気を取り戻し、母パステルにかばわれるようにして抱きすくめられた次の瞬間、先程までリセットがいた場所を銃弾がかすめる。 リセットがその事実に気がつき、ぽろぽろと頬を涙がこぼれ落ちていく。 「リセット……かつてあの子が姉のように大切な存在だったことは知っておる。だが今はもう違う。……あやつは魔人なのだ。人類の敵だ。もうかつてのあやつはいないのだ」 パステルが諭すようにリセットの肩を掴んでそう告げる。 だがリセットは幼児のように泣きわめきながら目の前の現実を受け止めることができなかった。 「そんなの……納得できるわけないよぉ。おねえちゃんは優しいもん。おねえちゃんはわたしのずっとずっと大好きな……」
4 20/07/07(火)22:47:11 No.706545439
リセットの言葉を遮るようにしてカラーがゆっくりと魔人討伐隊に歩み寄る。 「やめて!」 リセットのひきつったような悲鳴が響く。だがどちらも戦闘体勢を崩さない。 「やめてよ!どっちも傷つかないで!」 ダークランスやカーマが武器を構える。その瞳に躊躇はない。 これから自分の大好きな人たちの血が流れ、そしてリセットの姉同然だった存在は命を落とすかもしれない―― その事実はリセットを絶望させるには十分だった。 「もうやめてえぇぇええええっっ!」 リセットの悲痛な声はしかし、開戦を止めるには至らなかった。 カラーの目が少しだけリセットを捉え、光を発し、すぐに揺らいで消えた。
5 20/07/07(火)22:48:18 No.706545918
ついに怪文書がきたか… お姉ちゃんがかわいそうで興奮する
6 20/07/07(火)22:49:40 No.706546460
へっぽこちゃんいい…
7 20/07/07(火)22:51:42 No.706547218
呪弾魔人「」・カラーとかになるのかな へっぽこ鉄砲使いのくせにカッコいい
8 20/07/07(火)23:02:18 No.706551222
子供の頃の情緒に戻っちゃうのいいよね…