20/06/14(日)01:41:23 ・・・... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1592066483471.jpg 20/06/14(日)01:41:23 No.699331405
・・・・・ 次の日、ホップ君はメロンさんに勝利した。 それは劣勢からの逆転勝ちでも無ければギリギリの勝負の末の粘り勝ちでもない。 しっかりと対策を取って、終始優位に立ち回った末の勝利だった。 でも、ホップ君はこう言う。 「ちょっとでもミスったらまたやられてた。オレは、まだまだだな」 張り詰めたような表情で空を見上げる彼に、私はただ何も言わず寄り添い、お嬢様はポンと彼の背中を叩いた。
1 20/06/14(日)01:42:41 No.699331900
・・・・・ 「さて、これで次の街に行けますわね」 「うん、いよいよジムチャレンジも大詰めってとこだね」 時刻はお昼を過ぎたあたり。 目出度く全員こおりバッジをゲットした私たちは次の目的地へと向かおうとしていた。 目指すはスパイクタウン。そこで7つ目のバッジを手に入れればいよいよ最後のジムチャレンジへと繋がる。 ここらでもう一度気合いを入れなおすために掛け声でもしようかと思いついたものの、肝心の人がいない事に気づく。 「あれ?ホップ君はまだなの?」 お嬢様は呆れたようにため息を吐くと、ホテルを見やる。 「朝一でジムに挑んだから出発の準備を何一つしてなかったそうなので」
2 20/06/14(日)01:43:08 No.699332030
そういえばそんな事を言っていたような。 ていうか別に出発は明日でも良かったのに『これ以上お前たちに時間取らせるのは嫌だぞ!』などと言った挙句これではどうしようもないね。 まったく、女の子よりも準備に手間取ってるのはどうかと思うな! などとプンスカしていると、ドタバタと擬音が見えるくらいの勢いでホップ君がホテルから出てきた。 「遅い!」 「遅いですわ」 「すまん!」 謝罪を受けたのでこれにて弾劾裁判は終了とします。 さぁ次の街へといざ出発!と思った時、 「ああ、良かった。まだいたんだね」 意気揚々と走りだそうとした私たちを呼び止めたのは、キルクスジムの主であるメロンさんだった。
3 20/06/14(日)01:43:47 No.699332272
「メロンさん?」 「どうしたのですか?」 「なに、今日の試合は終わったしあたしに勝ったチャレンジャーを見送ってやろうかと思ってね」 メロンさんはそういって豪快に笑う。 なんというか、肝っ玉母ちゃんという形容詞がとても相応しい人だと思う。 「次はネズのところかい。あの子は良いジムリーダーだけど最近どうも悪い噂も聞くんだよねぇ……」 心配そうに頬に手を当て首をかしげるメロンさん。 というかそんな噂初めて聞いたんですけど…… 「まぁ、ネズが悪さをするわけないしただの杞憂だろうさ。なんにしても、女二人に男一人の旅なんだから、ホップ。あんたがちゃーんと二人を守ってやるんだよ」 「お、おう!もちろんだぞ!」
4 20/06/14(日)01:44:07 No.699332422
慌てて返事をするホップ君に頼もしさと同時に頼りなさも感じるも、ちゃんと守ってくれるって言ってくれたんだから良しとしようと思う。 とにかく、メロンさんの激励も受けた事だし今度こそ出発と行こうか。 「それじゃあメロンさん、私たちそろそろ――――」 「ところで、あんたたちに聞きたいことがあるんだけどね」 らしいというかなんというか、こちらの言葉を全力で押しのけるメロンさん。 私とお嬢様は苦笑しながら聞き返す。 「なんですか?」 「なんでしょうか?」 「あんたたち、どっちがホップのカノジョなんだい?」
5 20/06/14(日)01:44:34 No.699332587
あっけらかんとなんて事のない世間話のように落とされた爆弾。 時と場所と状況によっては全てを消し飛ばしかねない危険物。 もはや武力と言ってもいいそれをこんな場所で行使するのはメロンさんだからこそだろうか。 息子さんめっちゃ苦労してそうだね。 さて、どう答えるべきか。いや、私!って答えても良いんだけどそれやるとお嬢様が怖いし何よりもホップ君の目の前でそれが出来るほどの胆力は私には無い。 それは多分お嬢様も同じで、結果私たちは何も言えず、じっと。お互いを見つめ合う状態へと入ってしまう。 「いや別にどっちもオレの彼女とかじゃないぞ?」 そんな私たちを他所に、さっそうと回答するは他でもないホップ君。 「なんだ、そうだったのかい」 「ああ、オレとこいつらはライバルで友達だからな!」 「そうかいそうかい。それは――――苦労してるんだねぇ……」 ホップ君ではなく私たちを見ながら、しみじみと同情するようにメロンさんは言う。 ……はい、めっちゃ苦労してますよ本当に。
6 20/06/14(日)01:45:29 No.699332915
私とお嬢様に生まれた何とも言えないやるせなさは、 なんの躊躇も動揺も無く『付き合ってない』と言い放った野郎の背中をシバく事で晴らすことにした。 今度こそ出発しようとした私たちにメロンさんから『頑張りなよ』と温かい激励を貰ったが多分私たちとホップ君でその意味は違ったと思う。
7 20/06/14(日)01:46:47 No.699333417
前回までの su3970768.txt メロンさんが質問したのはお節介おばさんのアレです 逆に言うと傍から見るとどっちが彼女でもおかしくないって感じです
8 20/06/14(日)01:47:27 No.699333680
ホップくんはさあ…
9 20/06/14(日)01:49:23 No.699334365
まぁマクワさんはめっちゃ苦労してますよね
10 20/06/14(日)01:55:39 No.699336351
いつか刺されるぞ