20/06/09(火)01:54:08 「もっ... のスレッド詳細
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20/06/09(火)01:54:08 No.697735510
「もっと……別のことを言えば良かった」 そう言って俯く娘から目を逸らしてしまう。 浅倉の遺した娘を引き取ってから何度も、いつかは真実を話す時が来るのだろうと分かってはいたが、まさかこんな風になるとは思ってもいなかった。 私としてはきちんと一から説明するつもりだったのに、この娘は中途半端に自分の本当の母親について知ってしまって。 私も私で娘が傷付いてしまわないかとか、嫌われたらどうしようなど考えてすぐに話さなかったから余計にややこしくなってしまっている。 「……わたしは、わたしのことでおかーさんが辛くなるなら浅倉透って人のことなんて聞きたくない」 俯いたまま、ぽつりと娘が呟いた。 「……わたしの本当のお母さんが浅倉透だとしても、おかーさんが泣きそうで、辛そうで、そんな顔をさせるなんて嫌だ」 私がそんな顔をするのは嫌だというくせに、自分は今にも泣きそうになっている。
1 20/06/09(火)01:55:07 No.697735696
浅倉の娘だというのにこんなことを言うのは、父親があのプロデューサーだからだろうか。 「……でも、それでも気付いてたよ。 わたしのことを見て遠い誰かを見てるの。きっと……お母さんか、お父さんのことでしょ？」 ここまで分かっているなんて。まだまだ子どもだと思っていたのに。 もう浅倉たちのことはある程度割り切れたと思い込んでいたけれど、まだまだ駄目だったみたい。 「それは……ごめん」 謝ると無言で頷いて私に抱きついてきた。 抵抗なんてするはずなく受け入れて。甘えるようにしがみついてくる娘を撫でる。 浅倉もプロデューサーもこんなところを見せたことはなかったような気がするんだけれど、幼い頃からこの娘はよくこうして抱きついてくる。 もしかしたら浅倉も信頼できる人にはこうやって甘えたのかもしれない、例えばプロデューサーとか……
2 20/06/09(火)01:55:25 No.697735738
今思えばあの頃の私は意固地だった。本当はプロデューサーのことをもう信頼していたのにずっと頑なな態度を取っていたから浅倉と結婚する時にも笑顔で祝福することはできずにいて。 だからこそ訃報と遺言を知った時には彼女たちの分までこの娘を守らなければいけないという想いに取り憑かれて、こうして娘も傷付けてしまったのかもしれない。 はぁ、とため息を吐いて娘を見ると考え事をしている間に泣き疲れて眠ってしまっていた。 やっぱりこういうところはまだ子どもだな、と思いつつ起こさないようにソファに寝かせる。 起きたらきちんとこの娘と向き合って、それからちゃんと母親と父親の、浅倉とプロデューサーの話をしようと決めて、頭を撫でた。
3 20/06/09(火)01:55:30 No.697735749
また樋口が「」に変な未来掴まされてる…
4 20/06/09(火)01:55:52 No.697735814
浅倉の遺した娘にアイドルバレした樋口（母）4日目です。
5 20/06/09(火)01:55:58 No.697735828
誰も幸せにならないの切なすぎるのでちょっと
6 20/06/09(火)01:57:05 No.697736008
ここから幸せになれるはずだから…
7 20/06/09(火)02:02:30 No.697736931
ふふっ また死んでるわ
8 20/06/09(火)02:13:13 No.697738485
どうして……
9 20/06/09(火)02:36:53 No.697740963
まぁ樋口似合うよね…
10 20/06/09(火)02:40:48 No.697741311
いいよね
11 20/06/09(火)02:44:27 No.697741636
いい…
12 20/06/09(火)02:51:19 No.697742338
｢樋口円香はここで死んだ方が幸せになるので生かしておきました｣ ↓ ヒグチマドカ いいよね