ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/05/23(土)21:14:19 No.692354879
su3917434.txt これまでのお話 ─────────────────────────────────────── 「いらっしゃい!久しぶりだねーホップ!」 「ああ!ユウリも元気そうだな!」 先日の通話により隠すことも無くなったため、ビートくんとの約束通りホップが資料を見にやってきた。 「ホップホップ!へぇい!」「おう!」 ぱぁんと小気味良いハイタッチが決まった。特に意味はない。 「何ですかそのテンション……」 挨拶もそこそこに、早速三人でお目当ての本棚に向かう。 「それで、論文のためにここの資料を見たいそうですが。どんなものが必要なんです?」 古びた書物がぎっしり詰まった本棚を前に三人で腕を組む。 「えーと……テーマが”進化による後天的タイプ習得に対する考察”ってタイトルで、今はとにかく色々なポケモンの生態を知りたいぞ」
1 20/05/23(土)21:14:45 No.692355086
「ふむ、ここにある資料は殆どルミナスメイズにいるポケモンについてですが、その中から進化でタイプが増えるものとなると……」 「いや、ずっとタイプが変わらない種も比較したいから記録があるなら幅広く見ておきたい」 「ではバトル向けの育成論や能力考察は除いて、観察記録や実験レポートなどを集めますか」 「そうだな、そんな感じでお願いするぞ」 あれ……?なんだか話のレベルがたかいな? 話を終えると、すぐに二人は大量の本を次々に中を一瞥しては2つのグループに分ける作業を始めた。 たぶん使うものと使わないものだと思う。私も一冊手に取ってパラパラと中をめくってみた。 …………そっと本を閉じて本棚に戻す。 「私、向こうでお茶とか用意してるね」 「あ……そうですね、お願いします」 「助かるよ。サンキューなユウリ!」 二人の優しいリアクションに見送られ私はひとり台所へ場所を移した。
2 20/05/23(土)21:15:07 No.692355255
台所で、先日捕まえた新入りのテブリムを撫でながらお湯を沸くのを待つ。 真っ直ぐ一直線なホップの事だ、ポケモン博士を目指すと新しい夢を決めてからずっと勉強してきたのだろう。 さっきのやりとりだけで、既に私の知らない世界をどんどん突き進んでいるのがよくわかる。 思えば、チャンピオンをしていた頃はホップよりもダンデさんに会う機会の方が圧倒的に多かった。 研究者としてのホップの近況も大抵ダンデさんから聞いていて……ダンデさんはホップの話をする時いつも嬉しそうだったのを思い出す。
3 20/05/23(土)21:15:28 No.692355421
ホップが新たな夢を見出だした時、ダンデさんはホップを初めてライバルと呼んだけど、同時に自慢の弟にもなったんだと思う。 近況を話す時もよくアイツに負けないよう俺も頑張ろう、と言っていた。 「ライバル……か。」 今の私はまだホップのライバルでいられているだろうか。 チャンピオンの座を退いて以来、私は一度もバトルをしていない。……なんだかやりたくないのだ。 ぎゅうと強めに抱き締められたテブリムがぅみゅうと不満げな声を漏らした。
4 20/05/23(土)21:15:51 No.692355603
───とっぷりと日がくれても作業は終わらず、ビートくんがホップに今晩は泊まっていったらどうかと持ちかけた。 「確かに1日ではとても見きれないしありがたいけど、いいのか?……邪魔だったりしないか?」 「い、いらない世話です!」 「上にまだ使ってない部屋あったよね」 二階には部屋が3つ、ビートくんの部屋と私が寝泊まりしてる部屋、それに殆ど出入りした事のないもう一つの部屋がある。 「僕の部屋は書斎だったのを改造したもので、ユウリさんの部屋は元々寝室。最後が……」 部屋の中へ入るとそこにはブルーのカーペットの上に木製の玩具や絵本の入った本棚、それに二段のベッドがあった。 「子供部屋だったみたいですが……ここで良ければ使っていいですよ」 「十分だよ、サンキューなビート」 「いえ……このくらいは」 にこっと笑うホップにふいと目をそらすビートくん。正面から感謝されるのには慣れていないのだ。
5 20/05/23(土)21:16:24 No.692355890
身体がベッドに収まるか確かめてるホップを見てると、急になんだか頬が緩んできた。 「ふふふ、なんだかホップが息子になったみたい」 「えっ」 「面白いですね、それじゃあ坊やを寝かしつけてあげたらどうですか」 ビートくんが悪戯っぽくニヤリと笑い乗ってきた。私も横になったホップの頭を撫でてお腹をぽんぽんと優しく叩いてみる。 「よ…よせよ!ちょっと恥ずかしくなってきただろ!」 「まあまあホップ……今日はよく頑張ったね、偉い偉い。良い子だからゆっくりおやすみ……」 「………………くっ」 「……満更でもない感じになってんじゃないですよ」 「そっそそんなことは!!なってないぞ決して!!」 動揺するホップが可笑しくて私はプルプルと笑いを堪える。ホップは私の手を除けて慌ててベッドから出た。 「ええい!寝るより前に晩飯だぞ!どこか食いに行こうぜ!」 「あはは、そうだね」 ぷりぷりと少し怒るホップをなだめつつ、そのまま三人で近所のレストランへ行くことにした。 ……時を経てお互い変わった所もあるけど、ホップはホップのままで、友達なのは変わらない。そこは自信を持って良さそうだ。
6 20/05/23(土)21:16:48 No.692356064
おわりです 最近お兄ちゃんに心乱されてます
7 20/05/23(土)21:19:14 No.692357240
ママみ……
8 20/05/23(土)21:24:21 No.692359610
ハイテンションかわいい
9 20/05/23(土)21:30:55 No.692362753
これ気まずすぎてダメだった
10 20/05/23(土)21:39:11 No.692366784
ホップのコミュ力でなければ危ない所だった
11 20/05/23(土)21:45:43 No.692370156
>おわりです >最近お兄ちゃんに心乱されてます その情報はいらんぜよ…
12 20/05/23(土)21:46:37 No.692370625
ふくざつちゃんがホップくんとも軽口が言い合えるくらいに成長している…
13 20/05/23(土)21:47:57 No.692371306
お兄ちゃんはかわいいからな……
14 20/05/23(土)21:51:31 No.692373193
お兄ちゃんと夢ちゃんがお互い大変だね…してるところに夢くんがやってきてこの泥棒猫って
15 20/05/23(土)21:52:53 No.692373843
お兄ちゃんいいよね…滅茶苦茶にしたい…
16 20/05/23(土)21:53:52 No.692374285
これ以上!?
17 20/05/23(土)21:55:03 No.692374828
夢くんはできることなら夢ちゃんとして産まれたかった気持ちがあって夢ちゃんを見ると嫉妬からやり場のないもやもやを感じるところがあって……
18 20/05/23(土)21:57:18 No.692375754
テブリム大人しくなったね
19 20/05/23(土)21:58:21 No.692376237
男装ウリと女装ビートくんとかも書いてた人?
20 20/05/23(土)22:01:08 No.692377641
最終回もだけどやっぱ同期組仲良くてわむ 原作だとそもそも4人揃わないし…
21 20/05/23(土)22:01:54 [s] No.692377996
それは別の人ですね お兄ちゃんがビートちゃん泣かせるやつとか ビートちゃんのサイン入り写真集買うやつとかは書きました
22 20/05/23(土)22:02:40 No.692378396
夢くんも「」ウリ族だから家族だし同性だしみたいなところでまごついてるうちにビートちゃんがめちゃめちゃ強力なライバルになってたりするんだ… そして身内にはグイグイ行けるお姉ちゃんも特にそんな気はないのにお兄ちゃんの腕を取ったりする
23 20/05/23(土)22:02:55 No.692378519
あらあらこれは失礼 写真集の話はとても良いものだった
24 20/05/23(土)22:05:44 [s] No.692379894
>あらあらこれは失礼 >写真集の話はとても良いものだった ありがたい……ビートちゃん書くの楽しいけど夢くんのインモラルも楽しみにしててお兄ちゃんは罪な奴だと思います
25 20/05/23(土)22:06:17 No.692380192
俺は…俺は普通だったのに… お兄ちゃんのせいで今大変なんだから…
26 20/05/23(土)22:07:29 No.692380819
ビートちゃんいいよね…
27 20/05/23(土)22:07:36 No.692380870
>そして身内にはグイグイ行けるお姉ちゃんも特にそんな気はないのにお兄ちゃんの顔をぺたぺた触ったりする
28 20/05/23(土)22:08:34 No.692381308
>最終回もだけどやっぱ同期組仲良くてわむ >原作だとそもそも4人揃わないし… そうすいもだけど同期組がわちゃわちゃしてるとなんか嬉しくなる