ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/05/03(日)01:09:01 No.685190925
(前回までのあらすじ:性懲りもなくジオルドにヘビのおもちゃを投げて遊んでいたカタリナはついに母親に告げ口され、囚われてしまう。罰として庭の木に縛り付けられたカタリナの運命は!) クラエス邸の庭に一本の木がある。普段はその木陰が憩いの場となり、多くの人々を楽しませているが、今は1人の少女しかいない。 …おお、ナムサン!その木の根元に縛り付けられた少女を、我々は知っている! 木に縛り付けられたその少女の名は…カタリナ・クラリス!ズタボロの蒼いワンピースは土にまみれ、彼女の象徴たる額のクロス傷も判然とせぬほどに泥にまみれ尽している。 長きオシオキからの逃走によって疲れ果てたカタリナ・クラリスの両の目は、いま、安らかに閉じられていた。口からはいびきが漏れ出している。 ふいにいびきが止まり、カタリナは目を覚ました。人が近づいてくる気配。話し合う物音。そして何よりも、甘い焼き菓子の匂い。 カチャカチャと食器の鳴る音が聞こえる。奴らがやってきたのだ。身動きの取れないカタリナは、両の目に復讐の炎を燃やし、歯ぎしりをしながら敵を睨みつけた。
1 20/05/03(日)01:10:12 No.685191279
談笑しながら近寄ってきたのは、1人の少年と1人の成人女性。そして使用人達。少年は恐るべき破滅の使者であるジオルド・スティアート。もう1人はお母様だ。 「ご機嫌いかがかなカタリナ」ジオルドは穏やかに微笑みながらしながら近づいてくる。カタリナは顔を赤くして吠え掛かるが、涼しい顔をして受け流す。反射的に、お母様がカタリナを叱る!「カタリナ!」「イヤーッ!」 「まあまあそんなに叱らないであげて下さい」ジオルドはにこやかに、だが静かに支配者的なオーラを放つ。 「ハイ!この子がとんだ粗相を!」お母様は反射的に王子に頭を下げ後ろに下がった。「ほら、僕もそれほど気にしてはいないんだカタリナ、僕は君の婚約者だ。本当はこんなことなんてしたくない。ただ教えてくれればいいんだ」 「ジオルド様にに答えることなど…何も無いですわ」カタリナは乾いた喉を震わせる。 「なるほど、一筋縄ではいかないようだ。どうやら本腰を入れてインタビューをする必要があるみたいですね」
2 20/05/03(日)01:11:22 No.685191597
ジオルドが指を鳴らすと、使用人達は草の上にクロスを敷き、食器を並べ始めた。籠の中から焼きたてのマフィンやパイなどの菓子と紅茶を取り出すと、ジオルド達はカタリナの前に腰かけこれを食し始めた! 「ヌウウウーッ!」まだ湯気が出ているようなマフィンを見せつけられ、空腹に身をよじるカタリナ。だがその体を縛る縄は、彼女の手足を木から逃がそうとしない。「どうだろう、カタリナ。答える気になったかな?君は誰から僕がヘ…あれが苦手だと聞いたんだい?」 カタリナは答えない。ジオルドは続ける「…まあ大体予想はついてる。アランあたりだろうね?…なに、簡単な推理ですよ、最近の君の交友関係を見ればね。だけど、もしかしたらアランから聞いたメアリ嬢といったことも考えられる。まあアランで遊ぶのは楽しいですが、理由も無くいじめるのは少々気が咎めますからね、本当の犯人を知りたい」
3 20/05/03(日)01:11:55 No.685191744
クーラーエースー!!
4 20/05/03(日)01:13:38 No.685192229
ジオルドは完璧な礼儀作法で、紅茶を飲み干した。「…君の目的は、なんなんですか?どうしてアランと勝負などと称して毎日会っている?なぜ婚約者である僕に悪戯でアレを投げつける?アランとは一体どういう関係なんですか?どうしてそこまでしてかばうんです?そんなにアイツが大切なんですかなんで?どうして?僕はこんなに君のことが…」「……」カタリナは頑として答えない。 一通り食べ終え、ジオルド達は立ち上がった。「日が暮れるまでに、もう一度来ます」ジオルドはにこやかに笑いながら言った。「僕の予想だとおそらく、カタリナの頭の中は今、食べ物のことで一杯だろう。だてに君の婚約者じゃないよ。僕は見極めが巧いからね。そしてこれは…自業自得だ」 ジオルドは天使のような顔で悪魔じみた微笑みを浮かべながら、邸宅の方へ去っていった。おお、ブッダ!何たる卑劣な攻撃手段であろうか!この真綿で首をしめるようなオチャカイ・トーチャリングはジオルドが発明したオシオキである。常人ならどうということもないが、人一倍食い意地の張ったカタリナの肉体と精神は、実際限界へと近づいていた。
5 20/05/03(日)01:14:24 No.685192440
カタリナは再び、1人木の下に残された。小鳥が木の上でさえずり始めた。カタリナは人一倍食わねば死ぬ。そして死んだら終わりである。(((((おのれジオルド…こんな所で、破滅するわけには…!)))))その視界が立ちくらみめいて回転し始める。あっちゃんがサンズ・リバーの向こうから手を振っているのが見える。アブナイ! 我々は、義弟のキースとメアリは、我慢できず茂みから飛びした! 徹夜明けめいてぼやけるカタリナの視界に、キースとメアリの姿が近づいてくる。幻影が晴れる。あっちゃんの姿が薄れていく。太陽の光がやけにぎらついて見える。…自業自得のカタリナ・クラエスを窮地から救い出したのは、ズバリ、義弟と親友の勇気であった。
6 20/05/03(日)01:23:35 No.685195185
アッハイ
7 20/05/03(日)01:25:41 No.685195784
何が始まるんです?
8 20/05/03(日)01:31:20 No.685197378
もしかしてリアルタイムで書いてる?
9 20/05/03(日)01:33:44 No.685198221
本物の怪文書久しぶりに見た
10 20/05/03(日)01:34:46 No.685198609
あからさまにニンジャなのだ…
11 20/05/03(日)01:35:49 No.685198950
ニンジャの…王子!
12 20/05/03(日)01:36:07 No.685199062
破滅スレイヤーなんです?
13 20/05/03(日)01:42:43 [世界] No.685201643
ドーモ悪役令嬢=サン、カタリナスレイヤーです 全カタリナ殺すべし!