20/04/23(木)00:34:48 「幸太... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1587569688188.jpg 20/04/23(木)00:34:48 No.682066975
「幸太郎さん！」 「ダメじゃい！」 「それくらい別に良いでしょ！」 「ダメったらダメなんじゃい！」 眉は曲げても意見は曲げない幸太郎さんは、私達の抗議にビクともせず。 「いっつも頑張ってるんだから、ちょっとくらい良いじゃない！」 「ならん！」 変わらぬ一点張りに歯噛みする愛ちゃん。私も援護しないと。 「たまにはあま～い物とか、ちょっと贅沢な物が食べたいです！！」 毎日毎日頑張ってる自分へのご褒美が欲しい！ちょっとお高いケーキとかも食べてみたくなっちゃうの！ 「そーよそーよ！もっと良い肉食べさせなさい！」 愛ちゃんも同じで、いつもの特売お肉じゃなくて、もっと良い…そう！佐賀牛とかを食べたがってる！ だけど幸太郎さんったら、嘆願を無視してPCに向き直っちゃった。 「お前等の何処に、そんな贅沢する余裕があるんじゃい」 「「うぐっ」」
1 20/04/23(木)00:35:23 No.682067127
「さ、流石にちょっとだけなら食費にも割けるでしょ！」 「その贅沢に割く費用で、お前等の衣装の質を上げるわい」 「…くぅ～！」 返って来たド正論に愛ちゃんも苦しそう。 …でも、退けない。 「今の状況が続いたら、何処かで皆の不満が爆発しちゃうかもしれませんよ！」 「むっ…」 やっぱり。根は真面目な幸太郎さんだから、こういうリスクの話には引っかかってくれる。 「…確かに、ガス抜きも必要か…」 ようやく伝わった！確信と共に愛ちゃんと顔を合わせて、二人で頷く。 「なら！」 「ただし」 こっちを向いた幸太郎さんが低い声を出すから、愛ちゃんと一緒にギョッとしちゃう。 そんな私達を見て、意地の悪そうな笑顔。 「…そういう事ならば、一番ワガママなヤツから解消した方が良いだろう？」
2 20/04/23(木)00:35:48 No.682067225
「あら？巽さんにさくらさん？それに、愛さんも？何か御用ですか？」 「純子。今一番食いたい物はなんじゃい」 「はい？」 「なんじゃい。なんなんじゃい」 首を傾げてキョトンとする純子ちゃん。そんな純子ちゃんを幸太郎さんの後ろから眺める私達。 （純子ちゃん、大丈夫かなぁ！？） 慌てて愛ちゃんに目配せをすれば、愛ちゃんの自信たっぷりな笑顔が受け止めてくれる。 （大丈夫よ！前に純子と一緒に雑誌読んでたら、今の食べ物はどれも美味しそうですねって言ってたわ！） （そっか！なら、きっと大丈夫っちゃね！） 頷きあって、それでもちょっと不安で純子ちゃんに視線を送る。 気付いて。美味しい物。甘い物とか、お肉。 念を込めて祈るように見れば、何かを伝えようとしている私達に気付く純子ちゃん。 首をさっきと逆の方向に傾げたのが気になるけど、きっと大丈夫。純子ちゃん、信じてるから。 「はよ言わんかい！はい十！九！八！七！ろくごよんさんにーいち」 「あっ！？えっ！？えと、て、天ぷら！お野菜多めの！」
3 20/04/23(木)00:36:40 No.682067438
晩御飯を終えて、各々が自由に過ごす穏やかな時間。 私は静かな場所に行きたくて。一人、部屋を出てベランダへ。 扉を開けると、先客の姿が目に入った。 「愛ちゃん…」 まるで干してるお布団のように、柵にダランと凭れかかる愛ちゃん。その隣へ同じく、私もダラリ。 「…天ぷら、美味しかったわね」 「そやね…純子ちゃん、すっごい良い笑顔しとったね…」 「…最後の方…冷めてもサクサクだったわね」 「そやね…幸太郎さんの手作りだったらしかよ…あれ…」 「…」 「…」 沈黙の後、二人一緒に天を仰いで、息を大きく吸い込んで。 「「でも！やっぱり！！」」 「甘い物食べた～い！！」「お肉食べた～い！！」 私達の贅沢な叫びが、暗い佐賀の空に飲まれていくのでした。
4 20/04/23(木)00:48:21 No.682070362
巽さんの手料理おいしいです。。。
5 20/04/23(木)00:48:39 No.682070442
今は肉の天ぷらも珍しくないし甘味はサツマイモの天ぷらでいきましょう！
6 20/04/23(木)00:52:31 No.682071371
おにく！
7 20/04/23(木)01:02:36 No.682073672
ピョンピョン
8 20/04/23(木)01:03:22 No.682073835
愛ちゃんの的外れなドヤ顔やーらしか！
9 20/04/23(木)01:06:52 No.682074615
食いしん坊ゾンビィ！
10 20/04/23(木)01:15:47 No.682076588
最悪材料買って貰えればさくらはスイーツ作れるからいけるな 肉は適当に焼いておけ
11 <a href="mailto:sage">20/04/23(木)01:19:46</a> [sage] No.682077465
「巽さん巽さん！」 「なんじゃい」 「あ～ん」 「やらんわバカタレェ！」 調子に乗っていたら怒られちゃいました。でも私は変わらず上機嫌。 今夜は私の食べたい物を巽さんが用意してくださったとの事で、嬉しいやら美味しいやらでどうしましょう。 何でも、こうなったのはさくらさんと愛さんのお陰だそうです。本当にありがたいですね！ 「…うま」 「…美味しかね」 お二人は何やら呆然としたご様子…この天ぷらは美味しいですからね！味わうのに集中しているんでしょう！ 「純子」 声に反応して向いてみると、箸で摘まんだ天ぷらを私へ差し出す巽さん。 「そもそもお前を労うために作ったんじゃい。ほれ」 嗚呼、私は本当に、なんて良い仲間を持ったのでしょうか。 巽さんに食べさせてもらいながら、夢の一時を堪能するのでした。
12 20/04/23(木)01:20:21 No.682077607
諦めずおねだりし続けなんし！
13 20/04/23(木)01:22:23 No.682078032
純子からしたら棚から牡丹餅だな