20/04/21(火)18:07:40 私の名... のスレッド詳細
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画像ファイル名:1587460060785.png 20/04/21(火)18:07:40 No.681674862
私の名前は「」ウリ、字は孔明。ちょっと伏龍って呼ばれるくらい頭がいい普通の女の子。 今日は5つ目の玉璽を手に入れるため、涼州はアラベスクタウンにやってきたの。 涼州は優秀な人材の眠る土地、我が蜀漢も道中で優秀な将を配下に加えることができました。 アラベスクの太守、ポプラは妖術師と噂される不可思議な老婆。 旅の途中で彼女と会話した際には、全てを見透かしたような人間離れした気を身にまとっていました。 「もしや、話に聞く左慈とは彼女のことなのでは…」 私は強敵の予感に警戒するのだった。
1 20/04/21(火)18:07:54 No.681674917
「おいでなすったね、ピンク不足のジムチャレンジャー」 会場に入ってすぐにポプラがいた。 「どうも壮健でしたか、ラテラル以来ですね」 「あたしゃいつでも元気さ」 ポプラが鼻で笑う。 「ジムミッションだけどね、あたしも後継者がほしくて新しいジムリーダーオーディションも兼ねているのさ」 「それはそれは…、しかし、良いチャレンジャーはチャンピオンになってしまうのではないでしょうか?」 「あのダンデに勝てればの話だね、…まあほとんどの奴には無理さ」 ポプラが少し遠い目をする。
2 20/04/21(火)18:08:08 No.681674965
「まあいい、ルールは簡単さ、勝負をしつつ出題するクイズに答えるだけ!」 「ほう、謎掛けですか」 「ただし間違えると戦っているポケモンの能力が下がる…、もちろん正解すれば能力もあがるからね」 「なるほど、知者不惑、後継者には知者を求めているのですね」 確かにポプラの後を継ぐには相当な知恵が必要に思える。 「しかし、どうやって能力を変化させているのですか?」 「まあ、フェアリータイプポケモンの不思議な力さ」 ――30分後。 私は結局3人の将と戦い3つの謎掛けに答え、ジムチャレンジをクリアした。
3 20/04/21(火)18:08:19 No.681675014
「――クイズに答えたあんたのリアクションをみせてもらったよ」 ジムチャレンジをクリアすると待ち構えていたポプラがそう言った。 「なるほど、謎掛けに答えられるかではなく、答える姿で後継者を決めていたのですね…」 「まあそういうことだね、でもあんたは頭がキレるようだから少し物足りなかったようだね」 「あの程度の謎掛けならば容易に答えられます」 ポプラが不気味に微笑む。 「最後の試験はあたし…、だからあんたには普通とは違うクイズを出すことにしたよ」 「普通とは違う謎掛けですか…?」 「頭じゃなくて、あんたの戦う心を試すクイズさ」 「相棒のポケモンにどんなふるまいをさせるのかちょいとみせておくれよ」 歓声と共に戦が始まった。
4 20/04/21(火)18:08:32 No.681675089
「出番だよ、マタドガス」 「行きなさい、厳顔殿」 「おやおやゲンガーかい、ちょっとマタドガスには難しい相手だね」 飄々とポプラが言う。 「厳顔殿、」 「です」 「「ヘドロウェーブ」」 「マタドガス、」 「だよ」 マタドガスを毒の波が押し流す。しかし、倒れるには足りない。 一方、厳顔殿は壮健そのものだ。 「問題!あんた…ラテラルでチャンピオンの弟に手加減した理由は?」
5 20/04/21(火)18:08:43 No.681675136
「!?…それが謎掛けですか?」 「クイズは得意なんだろ?これくらいさっさと答えな」 ポプラは厳しい表情で詰め寄る。 「…ホップ殿に自信をつけてもらうためです」 「まああんたからすればそれでいいだろう、正解だよ」 厳顔殿のすばやさがぐーんと上がる。 「…こんな問いに何の意味が――」 「意味はあたしが決めるんだよ」 次の厳顔殿の攻撃でマタドガスは倒れた。
6 20/04/21(火)18:08:54 No.681675185
「いきな、クチート」 「…クチート相手では厳しいですね」 できることならば使いたくなかった将、アレを出すしかなさそうです。 「厳顔殿、撤退です!行きなさい!馬謖!」 馬謖が現れる、実戦とあって非常に喜んでいるようだ。 「バンバドロかい、ずいぶんと懐いてるようだね」 「色々と問題はありますが、馬謖は優秀な私の弟子ですから――」 「まあいいさ、クチート、てっぺきだよ」 クチートの表皮の硬度が増す。
7 20/04/21(火)18:09:06 No.681675234
「クチート、もう一度てっぺきだよ」 「馬謖、10万ばりきなさい!」 ここまで固くなったクチートを倒すのにはもう少し時間がかかりそうだ。 「問題!ラテラルで戦ったチャンピオンの弟が弱かった理由は?」 「それは……わかりません」 「あんたはわかっているけど、わかっていないフリをしてるだけだよ」 「そんなことは――」 「あんたはあの子の問題に気づいたけれど指摘したくないから手を抜いたんだよ」 「…」 「しかも、実力に見合わない自信をつけさせるためにね」 馬謖の防御と特防ががくっと下がる。
8 20/04/21(火)18:09:17 No.681675271
「クチート、ドレインキッスだよ」 「…馬謖、もういちど10万ばりきです」 クチートは馬謖から力を吸い取り傷を回復している。 馬謖の傷つき方からこのままでは先に倒れると推測される。 馬謖を上手く使えなかった私のミスです。 「…っこれはまずいですね、引きなさい馬謖!前へ黄忠殿!」 「ピカチュウかい、悪くない判断だね、クチート、ドレインキッスだよ」 黄忠殿はクチートの接吻を耐えきる。 「黄忠殿!10万ボルトです!」 クチートが倒れる。 「敵将クチート、蜀漢の黄忠将軍が討ち取りました!」
9 20/04/21(火)18:09:30 No.681675326
「いきな、トゲキッス」 「トゲキッス!?黄忠殿に不利では…?!」 「まあそういうこともあるさ」 何かの策でしょうか…。 「黄忠殿、10万ボルトです」 トゲキッスは大きな怪我を負うが倒れない。 「トゲキッス、げんしのちからだよ」 黄忠殿はまだ倒れない。だが、トゲキッスに力が増していく。 げんしのちから、使うと低確率で原始の力を得て全ての能力が上がる技。 トゲキッスはまさにこの原始の力を得たのだった。 「問題!あんたの弱点はなんだい?」
10 20/04/21(火)18:09:44 No.681675395
「私の弱点…?」 「そうだよ、あんたの弱みってやつさ」 ポプラが意気揚々と述べる。 「あんたは見たところ過去にも何か他人を頼ってやらかしてるね」 「…」 馬謖、私が街亭を任せなければきっと蜀漢の今後を担う将となりえたでしょう。 「そういうのも、ラテラルであんたがチャンピオンの弟から逃げられたのも、全部根っこは同じところさ」 ホップ殿には自信が必要だと思い、手加減をして逃げられる。 馬謖には実戦での指揮経験が成長に必要だと思い、この手にかけることになる。 それは何故か。 「さあ、答えな!」 「答えは――」
11 20/04/21(火)18:09:55 No.681675454
「――私の頭脳です」 「ほう、これはまた意外な答えだ、詳しく言ってみな」 「私は相手が何を必要としているのか、何をしてくるのかが手を取るようにわかります」 「そいつはたいしたもんだね」 「しかし、必要としている相手にただ与える、その行いの吉凶は予想の成否とは無関係です」 ホップ殿は自信を必要としていた。だが、本当に必要なのはそのための実力。 馬謖は実戦での指揮経験を必要としていた。だが、本当に必要なのはその手前の副将としての経験。 我が君が復讐のため呉への進軍を欲しがっていた。だが、本当に必要なのは魏への対策。 「つまり、私は相手の欲しい物は分かっていても、…むしろそれ故に、相手に与えるべきものを間違ってしまうのです」 「欲しい物が与えるべき物とは違うってことかい?」 「そう、そして、私は欲しい物が分かってしまうからこそ、与えるべきものを与えられていない、そう思います」
12 20/04/21(火)18:10:05 No.681675488
「――なるほど、いいだろう、正解だよ!」 黄忠殿の攻撃と特攻がぐーんと上がる。 「いい答えだったよ、じゃあ次にチャンピオンの弟に会った時にはちゃんとやれるね?」 「…私の力が及ぶ限り、やってみせます」 「じゃあ、試合の続きだ」 「…ありがとうございます」 「――まあ、その正解ボーナスに意味があるかは微妙だけどね」 原始の力を身にまとったトゲキッスの動きは黄忠殿より素早い。 「トゲキッス、げんしのちか――」 「黄忠殿、フェイントです!」 トゲキッスは倒れた。
13 20/04/21(火)18:10:16 No.681675541
「なるほど先制技かい、考えたね」 「ええ、先に動かれてはやられるのはこちらでしたから」 「ねむけざましのモーニングティー、ようやく効いてきたようだよ」 ポプラがそう言って微笑む。 「いきな、マホイップ」 ジムリーダーの最後の一匹、ということは勿論――。 「マホイップ、キョダイマックス!」 マホイップが巨大な塔のような姿に変じていく。 「腹をくくったかい?ちょいと楽しませてもらうよ」 ポプラが目を見開く。
14 20/04/21(火)18:10:28 No.681675585
「黄忠殿、ボルトチェンジです!厳顔殿、前に!」 黄忠殿が電撃を与えつつ撤退し、厳顔殿が出陣する。 「なるほどゲンガーかい、それじゃ、あんたらに足りないピンクあたしらがプレゼントしてやるよ」 マホイップに白く甘ったるい粘液が集まる。 「キョダイダンエン!」 白い奔流が厳しい顔殿を包む、それと同時にマホイップの傷が癒えていく。 「なるほど傷を癒やす力ですか…、こちらも全力でいかなければならないようですね」 「来なよ、ピンクの足りないチャレンジャー」 「厳顔殿、ダイマックスです!」 厳顔殿に瘴気が集まり、巨大に膨れ、敵将と並ぶほどの威圧感のある大きさに変じた。
15 20/04/21(火)18:10:39 No.681675631
歓声がひときわ大きくなる。この戦いの山場がここだと理解しているのでしょう。 「さあ、オーディションの最終試験を始めるよ、来な!」 「ダイウォールです!」 「キョダイダンエンだよ!」 甘い粘液が厳しい顔殿の貼った見えない壁に阻まれる。 「おや、ここで防御かい、歳の割に攻め気がないね」 「これも計略のうちです」
16 20/04/21(火)18:11:10 No.681675770
「ダイアシッドです!」 「キョダイダンエン!」 毒の奔流と甘味の奔流がぶつかり合う。 互いに傷ついたが、マホイップは自分の傷を癒やしているため余裕がありそうだ。 「このままじゃ次は耐えられそうにないね」 「そうですね…――そのマホイップの方が」 そう言うや否やマホイップの体躯が縮んでいく。 「しまった、時間切れかい」 「ええ、ダイウォールで時間を稼いだ甲斐がありました」 ダイマックス時間切れ、それを狙って私は1ターン守りに入ったのだった。 「最後です、ダイアシッド!」 毒の奔流に飲まれ、マホイップは倒れた。
17 20/04/21(火)18:12:09 No.681676023
「はい、おつかれさま」 いつもどおりの飄々とした口調でポプラが言う。 「ありがとうございます」 「なるほどね、悪くはない。だけどオーディションは不合格」 「お眼鏡にはかないませんでしたか…」 「ああ気にしないでおくれ、あたしの好みの問題さ」 確かにポプラ殿の好みはかなり特異なようだ。 「ジムリーダーは他に探すさ、なあに心当たりはあるんでね。結果はザンネンだったけどね、記念にフェアリーバッジをあげるよ」 ポプラがニヤリと笑う。 「あと、チャンピオンの弟とはちゃんと仲良くしな」 こうして私は5つ目の玉璽を手に入れたのだった。
18 <a href="mailto:s">20/04/21(火)18:13:17</a> [s] No.681676340
これまでのまとめです su3820260.txt 大会のダブルのメンバーもようやく決まりました…
19 20/04/21(火)18:15:02 No.681676808
なるほどすごい...
20 20/04/21(火)18:21:00 No.681678456
えな よげ
21 <a href="mailto:s">20/04/21(火)18:22:49</a> [s] No.681678946
>えな >よげ 怪文書短くまとめるよう気をつけます…
22 20/04/21(火)18:31:32 No.681681461
中盤部分をテキストフォルダにして長いから塩で見てね(はあと)するのも手よ でも怪文書なんて書く人が赴くままに投下するのが一番いいのよ
23 20/04/21(火)18:36:12 No.681682730
また大作を…
24 20/04/21(火)18:39:04 No.681683564
孔明にはカブさんではなくポプラさんのほうが有効だったな
25 20/04/21(火)18:52:45 No.681687618
フェイントって守るが崩せる電光石火だから強いよね…
26 20/04/21(火)18:56:52 No.681688848
>フェイントって守るが崩せる電光石火だから強いよね… ダイウォールも崩せて驚いた…
27 20/04/21(火)19:03:07 No.681690557
>>フェイントって守るが崩せる電光石火だから強いよね… >ダイウォールも崩せて驚いた… しらなかった…