ここでは虹裏imgのかなり古い過去ログを閲覧することができます。
20/03/29(日)21:21:46 No.675324988
…スピカのトレーナーは精子ドナーである! スズカに押し倒され詰問された彼は、彼女に対する慰めの術を持たない。 「あなたと私が親子ではない…それが分かった時は、嬉しかった」 強ばるスズカの顔が刹那、朗らかになり、 「でもっ!」 のち憤怒の形相へ戻る。さながら般若の面でも被るかのように。 「そのせいで私は両親を疑った!私は二人が愛し合った末に生まれた子ではないのかと!」 スズカが押さえつける力を強め、トレーナーは苦悶する。 ウマ娘ツヨイネ。抗うことは叶わぬ。 「両親の毛髪を採取して!DNA鑑定を依頼し!今はこうしてあなたを押し倒してる!…こんなはずじゃなかった!」 思わずそれはこっちのセリフだという言葉が出かけ、必死で飲み込むトレーナー。そう、今のスズカは正気を失っている。 正気を取り戻せば、それこそ平静ではいられなくなるだろう。その時スズカを支えるべき自分が、彼女を傷つけるわけにはいかないという決意を彼は抱いていた。 「意識が混濁する中、私は必死であなたに助けを求めようとして…けれど、元はと言えば!あなたが精子ドナーなんて真似をするから!」 だが決意だけでこの状況は打開出来ない。無力だ。
1 20/03/29(日)21:23:36 No.675325883
アタマノビョウインイコウネー
2 20/03/29(日)21:25:13 [sage] No.675326607
「それを知る誰かが何事か企み、私の正気を失わせ、あなたにけしかけている!」 スズカの両手がトレーナーの首元へ伸びた! 「ぐっ…」 「どうして…どうして精子ドナーなんてやってるんですか!」 「俺の家はっ、あまり、裕福じゃなくてな、か、金がっ、必要だったんだ…」 …首を締める力が強まる! 「かっ…」 「それだけでは、ないのでしょう?」 昨今の研究により、ウマ娘誕生のメカニズムが明らかになりつつある。 エクトプラズム的存在は女性のDNAにしか作用しない、あるいは出来ないということ。それから、DNA以外に必要な要素として因子と呼べるものが必要であることだ。 その因子こそ、トレーナーが精子ドナーに選ばれた理由であった。 ウマ娘の出生を解明し、コントロールしようという考えが、特に超富裕層の間で流行している。 ウマ娘はその尽くが美麗で、身体能力は常人を遥かに超越したもの。ハルウララとて例外ではない。 思惑は様々だが…共通するのは、倫理を捨ててでも叶えようとする傾向。人を、ウマ娘を家畜にする考えだ。
3 20/03/29(日)21:25:32 [sage] No.675326735
「人でなしたちの企みに乗ってまで叶える夢が、どれ程のものかと……!」 「ぐぁぁっ!」 トレーナーがまだ学生の頃、年に何度かの血液検査が義務付けられるようになった。 国民の健康管理、それに輸血不足の解消を図るためという名目。 勿論それもウソではないが、真の狙いはウマ娘の出生率を上げるための採取活動だ。 ウマ娘が生まれるには因子が必要で、少なくとも、両親の一方がそれを有していなければならなかった。 それについて色々と試すのに一般的な命の営みは、邪魔でしかなく。 「君に奨学金をやろう。なんなら、君の家族の困窮した状況を助けてもいい」 「ホントか!?」 「ああ、本当だとも…勿論条件はあるが、ひとつだけさ。悪いようにはしないよ」 最初に狙われたのは、選択肢の限られた境遇にあった少年少女だった。 スズカの手から力が抜け、そのままトレーナーへと倒れ込む。息を荒げ、必死で呼吸を整えるトレーナーを、駿川たずなが冷ややかな目で眺めていた。
4 20/03/29(日)21:28:22 No.675327965
コワイー…
5 20/03/29(日)21:33:34 No.675330277
たずなさん…
6 20/03/29(日)21:37:49 No.675332219
ひどい世界だ
7 20/03/29(日)21:41:06 No.675333673
まあウマ娘研究はされてるよね
8 20/03/29(日)21:48:19 No.675336877
トレセン学園黒すぎ
9 20/03/29(日)21:56:08 No.675340043
トレーナーの資格も学園に縛り付けるためのものだったりして…
10 20/03/29(日)22:01:26 No.675342080
ウマ娘メカニズムの解明の暁にはシステム化されたウマ娘誕生か…
11 20/03/29(日)22:08:35 No.675344730
ナンナノー
12 20/03/29(日)22:08:53 No.675344845
怖いよたずなさん!
13 20/03/29(日)22:16:06 No.675347646
スズカをけしかけたのは果たして誰なのか