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試合会... のスレッド詳細

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20/03/22(日)01:10:38 No.673102895

試合会場の熱がどんどん空へと散っていく。 それに伴って、私の頭もどんどん冷めていく。 そして、深く勝利の余韻を味わう。 「……勝てた」 「そうさ、あんたらの勝ちだよ」 気が付くと、私の目の前にポプラさんが立っていた。 どうやら少し惚けていたようだ。 いけない、と軽く頬を叩いて表情を引き締める。 「とりあえず、おつかれさま。いい試合だったよ」 いい試合と評価してくれたのは嬉しいけれど、実際最後の方の記憶はだいぶ曖昧だ。 熱に浮かされ、ただただ思いのままに戦っていたとしか。 でも、これだけは覚えている。 私は、間違ってない。 彼への想いも、私の道も。何一つ『私』の在り方に背いていない。 なら、これでいいのだ。

1 20/03/22(日)01:10:50 No.673102955

「ありがとうございますポプラさん。私、この試合で成長出来ました!」 「そうかい。まぁ人の恋路にごちゃごちゃ言うつもりはないさ」 思いっきり奥歯に物が挟まった言い方をするポプラさん。 そこに思うところが無いわけじゃないけれど、別に何を言われたところで訂正する気はないので良しとする。 すると、ポプラさんが神妙な表情で私を見つめていることに気づく。 「さて、オーディションの結果だけどね――――残念だけど不合格だよ」 あっさりと告げられた合否判定。 今更だけど私ポプラさんの跡目として期待されてたんだった。 だけど、どうやら彼女のお眼鏡にかなわなかったらしい。 「もしかしたらあんたなら私の後を継ぐのに相応しいかもと思ったんだが……あんたはあたしの想像以上のやつだった」 「それは……褒めてるんですか?」 「どうだろうね。ただ一つだけ言わせてもらうなら――――あんたがジムリーダーとして、あるいは別の何かで。誰かの目標になるなんて無理だよ」 ポプラさんはなんの躊躇いもなくバッサリと切り捨てる。

2 20/03/22(日)01:11:01 No.673102989

「あんたはエゴの塊だ。自分の事だけを考えて、自分の望みのために何もかも切り捨てられる。そんなやつをジムリーダーにするわけにはいかないね」 手ひどい言葉だ。 昨日までの私なら泣いていたかもしれない。 でも、今のわたしはその言葉を納得して受け入れられる。 だって、その通りだから。 私は、私の『夢』を叶えるためならなんだってする。 それを今日、思い出せたから。 「……そうですか。残念です」 「思っても無い事を言うんじゃないよ」 返す刀でそう言われて、私は思わず笑ってしまう。 まったく、やっぱり年の功には勝てないという事だろうか。

3 20/03/22(日)01:11:24 No.673103080

「ほら、年寄の意地悪に付き合ってくれたお礼だ。これを持っていきな」 ポプラさんはそう言ってアラベスクジム突破の証、フェアリーバッジをねじ込む。 それをぎゅっと、握りしめる。 「ああそうだ。一つだけ教えてほしいんですけど」 「なんだい?」 「私って何色に見えます?」 なんでもポプラさんは『ピンク』な人を求めているらしい。 そんな彼女から見て、私は何色だったのだろうか。 私の質問に、ポプラさんは考え込むように黙り、やがてこれしかないといった風に答える。 「……赤だよ。血を煮詰めたような、どす黒い赤さ」 「……そっか」 その答えが私にとって喜ばしいものだったのか。それを言葉にするつもりはない。 ただ一つだけ言えるのは、コートを後にする私の足取りはとても軽やかなスキップを刻んでいた、という事だけだ。

4 20/03/22(日)01:12:10 No.673103263

前回までの su3739480.txt 最近アポカリプスやプレーンなの書いてて全然こっち書いてなかった

5 20/03/22(日)01:18:15 No.673104767

>「……赤だよ。血を煮詰めたような、どす黒い赤さ」 炎なんて爽やかなやつじゃないよね…

6 20/03/22(日)01:21:37 No.673105565

赤は赤なので良し!!

7 20/03/22(日)01:26:26 No.673106721

>炎なんて爽やかなやつじゃないよね… パキラさんのレス

8 20/03/22(日)01:59:08 No.673114466

炎より紅い血潮の色みたいな表現してたのはレーバテインだったかな…

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