虹裏img歴史資料館 - imgの文化を学ぶ

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    20/03/15(日)13:30:33 No.671287889

    虚空に漂うサイコフレーム材の群れが、風を受けたようにざわと揺れたのが兆候だった。 来るな、と覚悟した直後、息もできないほどの光が押し寄せ、バナージの視界を白く塗りつぶした。 虹色に輝くサイコフレームの光が白熱光に併呑され、弾き飛ばされた《ユニコーンガンダム》の機体が軋む。 焼かれる、と恐怖したのは一瞬だった。 光に包まれた肉体と精神が空に立ち返り、バナージは閃光の原に漂い出す自分を知覚した。 同時に、《ユニコーンガンダム》の中に息づく思惟たちがゆらりと立ち昇り、バナージの思惟に自らを重ね合わせてゆく。 カーディアス、マリーダ、ダグザ……見知った人たちの残留思念であるそれらは、彼らそのものではなく、また彼らそのものでもある。 すでに境界を超えている彼らの所在は、三次元的に解釈しきれない。 同時にあらゆる場所に存在しているとも言えるし、もとより存在していないとも言える。 彼らは、〝全体〟の一部であり、肉が知覚するところの〝我〟を持たない。 ただ、その時のことを覚えているのだとバナージは認識した。