虹裏img歴史資料館

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20/03/13(金)19:41:57 su37190... のスレッド詳細

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画像ファイル名:1584096117806.png 20/03/13(金)19:41:57 No.670770630

su3719078.txt これまでのお話 ─────────────────────────────────────── ビートくんが負けたら引退という話は無かった事に。 私の要望をリーグスタッフのお姉さんに伝えると、やけにニコニコしながら承諾してくれた。 ファイナルトーナメント出場権を賭けた特別試合が正式に認められ、私とビートくんは再びグラウンドで向かい合う。 「やれやれ……勝てればオーケー、負けた時は引退してあのバアさんから逃げるつもりだったのに」 こめかみに手を添え、ため息をつきながら話すビートくん。 「しょうがないじゃん、私はビートくんにトレーナー続けて欲しいし…負けたくもないもの」 「……まったく、あなたは思うようにいかない人だ」 ビートくんはこちらを見て、諦めを含んだような顔で笑った。……初めて見る表情に少し不意を突かれる。

1 20/03/13(金)19:42:27 No.670770772

「と、とにかく!話はバトルでつけること!負けた方が言うこと聞く!いいね?」 「まあいいでしょう。……ここまで無理を通してきたんだ、どのみち勝つ以外の道はない」 私が先鋒のボールを構えると、ビートくんはスッと背筋を伸ばし流れるような動きでボールを前にかざした。 前々からそうだが、ビートくんと私の手持ちは共通した子が多い。 自然、相手のポケモンの事もお互い知り尽くしている戦いになる。 だからこそ、ビートくんのポケモン達を見るとどの子もしっかりと鍛えられて、動きも洗練されているのがわかる。 ポプラさんに相当しごかれたのだろう、ビートくん自身の立ち振舞いも以前とは違って…何というかしゃんとしている。 だけど、踏んだ場数はこちらの方が多いはず。トーナメントに向けてあらゆるタイプと戦えるよう準備してきた。もちろん同タイプとも。 フェアリーのいいところは私も知っている。同時に何をされたら困るかもよーく知っている。 「ギャロップ!スマートホーン!」「シンボラー!ラスターカノン!」はがね技を軸に一気に攻め立てていく。 戦局はこちらの有利に進み、このまま押しきれるかに思われた。

2 20/03/13(金)19:43:01 No.670770902

「フンッ!その余裕……勝ったと思ってるんでしょうね」 ビートくんは動じた様子もなく不敵に笑う。切り札のポケモンは以前と同じなら……私と同じ、ブリムオン。 「大いなるピンクを見せてあげましょう。ブリムオン!キョダイマックス!」 ビートくんの繰り出したブリムオンが巨大化していく。 「あれ……?」 変身を終えて咆哮を上げたそれは、私の知るブリムオンとは異なる姿をしていた。 頭の触手は3本に分かれ、髪の毛のベールがより大きく膨らみ装飾も多い。 中にいるブリムオンの本体は、眼から青い光を放ちながらこちらを見据えている。

3 20/03/13(金)19:43:26 No.670771018

「キョダイマックス……いわゆる、特別なダイマックスというやつです」 驚いている私を見てビートくんが得意気に解説を始めた。 「同じ種のポケモンでもこの変身ができる個体はごく僅か……そして、この能力が後天的に身に付く事はありません。  これが何を意味するかわかりますか? 彼女は僕と同じく、生まれながらにしてエリートの個体という訳です!」 今日一番のドヤ顔が決まる。ビートくんが楽しそうなのは結構だけど……相棒まで見下されたのには少しムッとした。 「ブリムオン!こっちもダイマックス!」 私も交代してダイマックスの指示を出す。相棒は普段の格好をそのまま巨大化させた姿になった。 「こうして見比べると全然違うね……」 「フフン、エリートは見た目からして有象無象とは違うものです」 「まあでも?私今までエリートとやらに負けたことないから。大丈夫だと思うよ」 彼の真似をして軽く顎を上げ、下向きの目線で言ってやった。ビートくんの眉間に皺が寄る。

4 20/03/13(金)19:43:50 No.670771124

「……でしたら今日が身の程を知る日になりますね!本当の素質の違いというものを教えてあげますよ」 「どうかな~、前にバトルした時もその前も同じような事言ってダメダメだったし同じじゃない?」 「以前の僕と同じだと思わない事です。まあ愚者は経験に学ぶと言いますし、そう考えるのも無理もありませんがね」 トレーナー同士徐々にヒートアップしている横で、ブリムオン2匹はキョダイ化したままぽかんと目を合わせている。 「格言なら私も知ってるよ。ビートくんに似合うのは……強い人々は、いつも気取らない。かな」 「おやおや僕の態度が気取って見えてしまいましたか?忠告してあげますがそれはあなたの劣等感がそう見せているに過ぎませんよ」 「ビートくん……自分のその態度に自覚がないのはちょっとやばぶっ!!」 上から何か大きなものに叩きつけられ、私はグラウンドに倒れ伏した。

5 20/03/13(金)19:44:13 No.670771231

「えっ………?」 ビートくんが驚愕の目で私のブリムオンを見上げる。 彼女はキョダイ化した触手でもって自分のトレーナーを殴り……黙らせた。 「えっと……そうですね。僕も少し感情的になりすぎてたかもしれながっ!!」 ビートくんのキョダイブリムオンもまた、彼女にとって不愉快な激しい感情を垂れ流す主人を静かにする選択をした。 対戦中のトレーナーが両者ともダウンしてしまい、スタジアムの全員が思わず静まり返る。 二匹のブリムオンは互いに目を合わせ、訪れた静寂に満足そうにうなずいた。

6 20/03/13(金)19:45:11 No.670771469

おわりです このところ色々ありましたのでまとめに番外もいろいろあります

7 20/03/13(金)19:46:39 No.670771904

だれであろうと黙らせる。

8 20/03/13(金)19:49:14 No.670772607

ブリムオンキョダイマックスしても黙らせていくのか…

9 20/03/13(金)19:49:41 No.670772729

黙らせる。

10 20/03/13(金)19:50:07 No.670772846

黙らせた。

11 20/03/13(金)19:50:37 No.670772975

静寂いいよね…

12 20/03/13(金)19:53:10 No.670773652

こんな決着前代未聞だろ…

13 20/03/13(金)19:55:28 No.670774312

いいよね… いい…

14 20/03/13(金)19:57:44 No.670774933

手持ち同士も仲がいいのは大事だな…

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